プレリュード

メイン

  PRELUDE

広瀬光忠 ―――――


いつも 見ていた美味しそうで愛らしい ニンゲン

やっと やっと 手に入れた


ああ  

今すぐにでもこの芳醇な香りを放血ながら流れる血を
全て舐めとり、吸い上げ、口の中を満たしたい。


――――でも、今はまだ…

彼の全てを手に入れるまでは、まだ 我慢しよう


―――――

長谷部 藤眞 あんな牢獄に戻る位なら自分で生き抜いて見せる
そう息巻いて手を出したのは『親』の見様見真似で、
吸血鬼共を狩る、……所謂、鬼狩りの仕事だった。

半ば公的な組織も幾つかあるが
施設育ちで然も脱走した俺が易々と所属出来る訳もなく
フリーの便利屋に近い立ち位置で細々と依頼を受けては鬼を狩る日々
私怨、復讐、逆恨みと金さえ貰えれば何でも引き受け、
依頼の無い日は体を売る生活を続けていた或日の事―――
情報屋から入手した鬼の根城で
情報に無かった人数を相手に苦戦し、撤退の途中で追手に撃たれ
朦朧となる意識の中、森へ逃げ込んだ――迄は覚えている

嗚呼、此処で終わりか
呆気ないもんだなァ、なんて
身体が動かなくなる前に、浮かんだ言葉はありきたりで

目を覚まして、知らない天井が見えて
此処は何処どうこうよりも
地獄も案外人工的だなと浮かぶ方が先だったのは仕方ないと思う。

浮上する意識
一拍遅れで彼方此方の痛みを感じて、思わず呻く

「……ッ、てて…」

広瀬光忠 「――――目が、覚めた ?」

彼の横たわるキングサイズのベッドのすぐ横で、
脚を組み、読んでいた本をサイドテーブルに置きながら声をかける。

陽が入らない様にしっかりと閉めたカーテンから透ける
わずかな光のせいで僕の顔は彼にはよく見えていないかもしれない。

「あまり動くと、傷が開くよ。」

とろりと、甘い声で囁いた。

長谷部 藤眞 背に感じる心地良いマットレスの感触
彼方此方痛む身体

聞こえた声に、思わず飛び起きそうになって
ギシリと軋む身体に眉根を寄せるがそれどころじゃない。
上半身を起こした形で、声を上げる

「ッ、…誰だ!」

客の一人かとも思えど、
甘く低い声にも景色にも覚えはない
覚えはないどころか、是は、

咄嗟に見下ろして確認した己の体は
着替えも手当てもされている様で混乱する
警戒と惑いを滲ませて、顔の判然としない男を見返した。

「――此処、は……?
 俺は、森で気を失った、筈……」

広瀬光忠 「はは……かーわいい…」

野生動物の様に威嚇するこのか弱い生き物に、
口角を上げ、感嘆の声を漏らす。

椅子からゆっくりと立ち上がり、
彼に僕の顔を…、いや、僕の瞳を見せつける様に、
腰を折り、屈んでみせた。

「そう、君は森の中で倒れ、
死に絶えようとしてたのを、僕が助けたんだよ。」

にんまりと笑う顔に浮かぶ紅が、きらりと光る。

長谷部 藤眞 本能のアラートが頭蓋の中に鳴り響く

暗室のように闇を満たした部屋で
見えたのは一条にも満たぬ微かな漏れる光ばかり
そんな中で、この男は、何をしていた?

悠然と読書をしていた姿を思い出しながら
ベッドの上で、近寄る男の目を見上げる
闇になれた目、否、薄明かりでも『判る』

「ッお前、…鬼だな…!」

纏う気配に気付くのが遅れ過ぎた
咄嗟に腰元へ手を伸ばすが、何時もの獲物が其処に在る筈もなく
丸腰で相対する今、己の体の状態を含めて勝算は無に等しく

「何が目的で助けたんだ……血か?
 それとも、恨みを晴らしにきたのか?」

前に討ったどれかの血族が復讐を果たしにきたか、と
警戒を剥き出しに、男を睨みつける

広瀬光忠 僕が顔を近付ける最中、
必死に状況を把握しようと視線を巡らせ、
僕の瞳を見る頃には確信に変わっていたのだろう。

いい 目 だね

やはり、能力も申し分ない程優秀だ。
自分の力量もわかっている。
僕の前には、君は無力だ。

可愛らしい威嚇に、ふっと顔を緩める。

「……そうだなぁ…、
君の血、とっても 美味しそうだけれど…」

―――それだけじゃ、満足できない。

その言葉を飲み込む代わりに、
口を結び、ククっと喉で嗤った。

ぎしり、と膝を乗せたベッドが軋む。

「もっと、強くなりたくはないかい?
君をこんなに追い詰めた、『鬼』を殺したくはない?」

長谷部 藤眞 幾人も、撃って討ってきた経験が裏付けている
声のトーンは柔くとも、命を潰し慣れている気配。

楽に死ねるなんて思った事は無かったけれど、
捕らえられる事も無く仕事をしてきて
震えそうになる声と身体を抑える事が精々だった

ギシリとマットレスの沈む感触に、益々眉根を寄せる も

「……――――は……?」

もっと 鬼を

紡がれた言葉の意味を咄嗟にとらえきれずに、
間抜けな音と、呆けた顔を晒してしまう。

「お前、…お前も鬼、だろう?
 なんだ?…俺が討とうとした奴と敵対してる、のか」

今回のターゲットを思い出す
人間同士でも殺し合うんだ、鬼同士の確執も勿論あるし、
そういった依頼が無い訳ではなかった、けれど
言い方に――違和感がある。

広瀬光忠 よほど予想だにしていなかったのだろうか
きょとん とした顔を晒した彼が可愛すぎて、
ぷっと吹き出してしまった。

「……ふふふ、あ~もう、可愛いな…

敵対…?  ん~~……
君の言う鬼は僕はよく知らないなぁ。
あっちは僕の事を知っているかもしれないけれど。」

言い終わると笑みを深くし、更に顔を近付ける。

「僕は、気に入らないものは、殺す。
人間だろうと、吸血鬼だろうと。

あいつは君を傷つけた。
それだけで、殺す理由には充分かな。

でも…」

白く、長い指先で彼の顎先を撫でる。

「君は、自分の手で、殺したいだろう?」

長谷部 藤眞 哂われて、一瞬眉根が寄るけれど
嗚呼、嗚呼、もしかして

闇色に馴染みつつある視界の中、
不明瞭な男の顔が更に寄る事で、顔立ちが見えてくる
見目整う者が多い鬼の中でも、美丈夫のかたちをした男だ

「個人的な怨恨でもなく、
 俺を、傷付けたから殺すのか?」

なんだ、その理由。

頤へ触れる指先の感触だけでもなく、
今度は俺が小さくわらう番だった

「――…俺は、鬼狩りだからな。
 金になれば殺すし、
 …端金だって、鬼殺しなら喜んで受けてる。」

わらいを収め、きろりと男を見返す

「俺が、鬼を討つための力を貸してくれるのか?
 鬼が、無償で。」

そんな訳ないだろう?とは言外の。
嗚呼、――嗚呼、もしかして

俺とおんなじ匂いのする男
伸び上がれば直ぐに触れそうな近さで、囁く。

「なァ、
 アンタ、俺をどうしたいの」

広瀬光忠 伸びあがる様に近寄ってきた彼に
くすくすと笑い、頤にある指を顎骨に滑らせ、
其の儘柔らかい頬に当てよう。

「貸す? 
僕の力を分け与えるわけじゃないさ。

僕と、”約束”を交わすんだよ。 君と、僕で。」

顔を傾け、唇が触れ合いそうなほどに近寄り、
吐息を掛けながらも続ける。

「どんな鬼も、殺せる力。

その対価は、 
―――どちらかが死ぬまで、共に在る事だ。」

低く、甘く、唆すような囁きを
目の前の無垢な青年に吹きかけた。

長谷部 藤眞 「……やくそく。」

ぽつん、と零した音は幾分幼く響いてしまった。
頬へ滑る指を受け入れながら、薄く首を傾ぐ

「アンタと、俺がどちらか死ぬまで一緒にいるだけで、
 どんな鬼も殺せるようになる……?」

一度死んだに等しいこの身一つ
いつまた果てるかも分からない俺との約束なんて
 
「何だか都合が良すぎるな、
 俺は、鬼を殺せる力が増えるのは大歓迎だけど、
 其れでアンタは、何を手に入れるんだ。」

「……良いぞ、
 どうせ今の俺じゃ、彼奴にもアンタにも勝てない、
 アンタの得る物を教えてくれるなら、…その約束、乗ってやる。」

広瀬光忠 随分と……勘がいい目を持っている割に、
自分の事には鈍感のようだ。

待ち焦がれった瞬間が迫っている事に耐えきれないと、
身体の奥で湧いてくる歓喜に口が綻ぶ。

「僕が手に入れるもの ?」

僕は欲しいもの
それはただ一つだけだ

「――それは、君だ。 ハセベ トーマ 」

彼の名を呼ぶ声にどろっと欲を含ませた。
昂奮で濡れた吐息を吹きかけ、
その柔らかな下唇を食み、淡く吸って、離す。

長谷部 藤眞 俺は鬼を倒す更なる力を得て
此奴は、俺の血以外の何を得るのか
単純な好奇心で尋ねた其れへのこたえに
瞬きも忘れて、さわ、と背筋を震わせた

「アンタ、何で俺の名前 知って…  ッ…?」

熟れ切った果実よりもどろりと甘い毒のような声
唇に触れる感触に、反射のように薄く開くけれど
直ぐに離れた顔をきょとんと間近に見詰める

ちら、と己の唇を舐め拭ってみても鉄錆の味はしなかった。
喰われた訳ではなくて、今のは、

「―――俺の、血と、体が欲しいのか?」

広瀬光忠 きょとん と
今度は僕が呆けた顔を晒す番だった。
僕の顔で、こうやって迫ったら
大抵の人間は言うことを聞くんだけどなぁ。

くくくっと腹の底から湧いてくる笑いを押さえられない。
少しだけ顔を背けて離し、おかしくて仕方ないといった様子で笑う。

「く、ふふふ……、
ああ、そうだね。」

はぁ、とひとつ息をついて、彼に向き直る。

「君の血と、身体が欲しい。
その瞳、さらりとした髪、柔らかい身体、
そして、軽やかなその声。

そのすべて、僕のものにしたいんだ。」

こんなことを思うのは、初めてだった。
でも、こんな無様を晒しても、どうしても、欲しかった。

長谷部 藤眞 男の欲求が予想の外過ぎて、虚をつかれた心地だ。
俺と同じような気配を返されて、小さく肩を揺らす

「……俺の血と、体を差し出したら、
 力と、アンタの…
 そうだな、…顔と、身体も俺の物になるのか?」

ベッドの上で向き直る相手に、
俺も身体ごと向いて、
未だ少し軋む身体に構わず向き直る。

「どっちも大事な商売道具だからな、
 直ぐに殺す心算がないなら、壊れない程度に扱って欲しいけど」

その辺りはもう、相手任せだ。
術だか何かも知らないが、力が入るなら構わない。
この美丈夫が俺の物になるっていうなら、もっと良い。

「くたばるまでは一緒にって、約束すればいいのか」
「良いぞ、…何をすれば良い?」

さあ、
どうぞとばかりに両の手を緩く広げて見せた。
足を開くのも血を売るのも、何度もやってきた事だから。

広瀬光忠 彼の目線が、僅かに色を孕むのを見逃さなかった。
それに満足げに笑んで、頬に当てた手で擦る。

「もちろん、
君が求めるなら、僕の全て君にあげるよ。

この”約束”はねぇ、
契りを結んだ相手を殺すことが出来なくなる。
その点は、安心していいよ。

それに、僕は君以外から血を吸えない。
君がいないと、生きていけなくなるんだ。」

はぁっと陶酔のため息をつき、
手を緩く広げる彼をそっと包む様に抱き締める。
すっかりとベッドに乗りあげ、
密着するように彼を膝の上に乗せてしまおうかな。

「……舌を、出して?」

長谷部 藤眞 「殺せなくなる…俺も、アンタを殺せないし、
 アンタも俺を殺せない?」

不殺が入るのかと
約束の中身を聞いては、ふゥん、と頷いて
つまりは『契約』だなと目を細めた。

抱き締める腕は逞しくて、
向かい合う形で膝に乗り上げれば、予想以上の安定を得る。
身長差があるんだろう相手と、目線が近しくなり、

「……良いな、それ。
 俺がいないと、生きていけない、っての」
「アンタの全部、貰えるって感じがする」

くたばるまでの、お約束。
くすくす笑ってから、あ、と口を開いて舌を出した。

広瀬光忠 「いいや、トーマは僕を殺せるよ。
飽きたら僕を殺して逃げればいい。」

あははっと朗らかに笑ってそう告げる。
いつ死んでも構わないと思いながら、
緩慢に時を過ごしてきたこの身体に未練などない。

「 そう、君がいないと、僕は死ぬ。
僕の全てを、君に捧げよう。」

差し出された舌を、己の舌で舐めとる。
彼の頭蓋に手を当て、吸い寄せる様に唇を合わせた。
尖らせた舌で、ちくんと彼の舌に傷をつけ、
紅い血を、溢れさせよう。

深く絡み合い、さらりとした粘膜を擦り合わせて、
待ち望んだ彼の味を、じっとりと確かめる。

甘い……何て甘美な…
ふっと笑みを深くして、
くちゅり、と差し入れた舌で口内を貪る。
名残惜しくも、彼の息が上がる頃、唇を開放する。

「……ん…、やっぱり…おいしい、ね」

舌なめずりをして、恍惚を湛えた笑みを零す。
未だ至近距離のまま、じっとその藤色を見つめる。

「僕に続いて、言葉を紡いで。いいかい?」

長谷部 藤眞 はつんと不可思議そうな瞬きを一つ、
愉しそうにわらう男の紡ぐ言葉の、意味が解らなかった。

「……俺がいないと死んでしまうから?」

単純に、
俺の血しか受け付けられなくなるのであれば
俺が死なない儘、遠ざかるだけで飢えて渇いて死ぬだろう、けれど

開いて差し出した舌先を舐め取られて、ひくんと背が震える
唇を合わせて、舌へ歯牙を掠められ、痛みにも薄く跳ね
んン、とくぐもった音を漏らす。

キスみたいに血を吸われる事は、そういえば初めてだ。

俺の物よりも厚みのある舌が口腔名の粘膜を探る動きに
軟体を絡めて擦られる刺激に、ぞく、と時折震え、
合間、合間の息が上がって湿り気を帯びる頃に解放された

「……は……、……」

鉄錆の匂い
そういえば俺、怪我もしていたんだったと
今更ぼんやり思い起こす、けれど
間近の赤色に見詰められて、こくんと頷きを返す

「わ、かった……」

広瀬光忠 「……いい子だね…」

ああ、なんて可愛らしい…
僕に誑かされ、一生縛られるというのに
素直に頷いて僕を見つめるこの人間が、愛おしかった

「僕と、繋がっていると、意識してね。」

にっこりと笑い、僕の舌も牙で傷をつけ、
れ、っと彼に見せつける様に舌を晒す。

其の儘、彼の唇を舐め、今一度合わせる。
自然と開かれるであろう唇に割り入って、
血濡れた舌と舌を合わせて擦る。

でもそれは僅かな時間で、
ちうっと陰圧を掛けて彼の血を吸い上げ、離す。

「…ん、は……ぁ…♡
さ、ぁ、続けて…?

 紅き血は 死銭の銀貨
 縁を糾う 金の糸」

長谷部 藤眞 傷を塞がれないから、口腔内が血の味だ。
動揺に舌を傷付けたらしい男に、
ああ、契約に必要な行為なのだろうなと理解をするけれど

再び唇が重なって、開いた隙間からの舌同士が合わさって
疼く様な痛み未満の感覚に、薄く震えながら、
己からも舌を絡めて擦り付ける。血と、血が雑じる。

直ぐに解放され、視線が男の舌を追った。

「ふ、ぁ……

 あ、…――
 『紅き血は 死銭の銀貨
  縁を糾う 金の糸』……」

少しだけ、舌が縺れそうになったけれど
何とか噛まずにゆっくりと復唱する

広瀬光忠 彼が言い終わると、にいっと赤い瞳を細め、
いい子というように彼の頬に頬擦りをする。

うっとりとしたまま顔をとろりと見てから、
引き寄せられるように唇を寄せる。

甘い血の味と、彼の血気を感じ、
じわりと馴染む様な感覚に酔い、
身体をより一層密着させて味わった。

先程よりも、幾分長く合わせた口をようやく離し、
荒くなった息のまま、続ける。

「…は ♡、ぁ……あ…、

 我は星を 弑す者
 汝は人を 殺す者 」

長谷部 藤眞 一言に近い言葉を言い終わっただけで、
まるで褒めるように触れてくる男へ目を細めた

再び重ねる唇は、己からも薄くではあるが押し付け返して
血も唾液も、雑じらせるような口付けを挟む
回された腕が、己の体を確り捉えている事に、
恐怖を抱くべきなのだろうけれど、

「…っ、……ぁ、
 
 『我は星を 弑す者
  汝は人を 殺す者』」

言いながら理解する
これは、俺達の事を示す言葉だ
男の膝の上、更に腰を押し付けるように深く座り直す。

広瀬光忠 僅かに押し付け返される唇に、
一瞬目を見開くが、すぐに上機嫌に細め、
大きな手で、その華奢な背中を撫でる。

寄せられた腰を支え、
もっとと押し付ける様に手を当て引き寄せた。
目線の同じ高さにある藤色を、
欲に染まった紅で射貫くように見つめる。

未だ荒い吐息を唇に吹きかけながら、
腰に当てた手をゆっくりとシャツの裾から差し入れ、
浮いた背骨に添わせて上げていく。

同時に噛みつく様に唇を合わせた。
深く差し入れて付け根をなぞり、
口蓋の柔い其処を撫で上げ擦っては、
抱き合うように舌を絡ませる。

彼の血も唾液も全て吸い上げ、
こくりと飲み込めば臓腑の奥から湧き上がる歓喜に震える。

ああ、これで彼は ぼくの ものだ

ちゅぷ っと水音を立てて唇を離し、
にたりと、牙を晒しながら嗤う。

「はぁ、…ッ♡ ぁ……♡

 死が 二人を別つまで、
 刃となり、盾となり、楔となり、七天を滅さん

 血の軛こそ、我らが宿命  」

長谷部 藤眞 背を撫でる手が大きい
腰に当てられた手も大きくて、ぐ、と寄せられて
益々密着するかたちになる。

間近の紅目も、濡れ始めた互いの息も、
契約の儀式が何処までなのかわからない儘、
とろり熱にとけてしまいそうだ。

「ん、ぁ ……っ」

俺には大きいサイズのシャツは、この男の物だろうか
裾からするりと差し込まれた手が、骨を辿る些細な動きに、
膚がさわりと粟立ってゆく

何度目かのキス
重ねる都度に深さを増す様な粘膜の触合いに
ぞく、ぞくと痺れが重なって胎が疼き出す
敏感な上口蓋を舐められて擦られて、腰をもぞと揺らして仕舞う。

ふは、と酸素を求めて喘ぎ、
濡れた唇を舐め拭ってから、己から唇を寄せ
ちゅ、とわらう唇を舐めて小さく吸い付いてから離し

「……ぁ、…ぅ、
 
 『死が 二人を別つまで、
  刃となり、盾となり、楔となり、七天を滅さん

  血の軛こそ、我らが宿命』 」

死が、ふたりをわかつまで
――嗚呼、本当に此奴と契約、するんだと
熱に浮いた頭の中でぼんやり、改めて実感する。

広瀬光忠 背に当てた掌から、彼の跳ねる動きを備に感じ
更に快感を煽ろうとゆったりと撫でまわす。

離れた唇に甘える様に吸い付く様が可愛らしい。
誓詞を述べ終わった頃合に、
真似する様に唇を舐め、愛おし気に吸い上げた。

「……ん…、……ふふ。

僕との約束…、
今日から一緒にここに住もう。

聞き入れてくれるかな?」

柔らかく、ふわりと笑い、
伺うように熱に濡れた藤色を覗き込み、
僅かに首を傾げ、答えを待つ。

長谷部 藤眞 「ん、……んッ」

長い指が、大きな掌が背を直接撫で回すだけで
キスで昂じた身体は容易く熱を上げていく

ちゅ、と吸い付いた唇に返されて、顔が少しだけ緩んだ。
は、と熱も湿り気も帯びた息をついて、男の言葉を聞く

「……此処に?
 そんなんで、良いのか。
 どうせ家なんてないから、俺としては願ったりだけど……」

どうせ客のいない日は安宿だのネカフェだのを流れる生活だ
荷物も、愛用の獲物以外は碌に持たない身軽さで
そんな俺だから、提示された約束の内容には、首を傾げつつも頷いてみせ

「―――そうだ。
 アンタの名前、教えてくれないのか?」

俺の名前は何故か知られていたしと
契約も済ませただろう今になって問うてみる。
偽名でもなんでも、呼び名が欲しかった。

広瀬光忠 首を傾げる仕草に笑い、愛おし気に見つめよう。

「ん、そうだよ。 簡単でしょう?」

これで僕のものとなったトーマを抱き締め、
鼻先を擦り付けてちゅっと唇に触れるだけのキスをする。

「……なまえ?」

僕の名前を聞きたがる彼に、
きょとんとしてしまった。
そういえば、伝えてなかったなぁ と悠長に思い出し、
こつんと額を付けた。

「僕の名前は、 広瀬 光忠 」

名前を告げてから、ふふっと笑って、

「よろしくね、長谷部藤眞くん」

低く彼の名を呼んで、淡く開いたままの唇を合わせよう。

長谷部 藤眞 「……ん。」

一緒に、此処に住む事。
約束を交わして、承諾した際に
何処か、己の奥深くで何かが"繋がった"感覚が在った。

熱を煽る様な触れ方じゃない、
じゃれあうような淡い口付けに瞬いて、
ちらと男の唇を舐める。

「ひろせ、みつただ。
 ……どう、呼べば良い?」
「俺の事は、どっちでも呼んで良いけど、…アンタは?」

腰に来る低くて甘い声に呼ばれるのは、厭じゃなかった。
唇がもう一度重なる前に、口を開き、舌を小さく差し出す

広瀬光忠 差し出された舌を絡め取り、
きゅっと吸い上げて纏う唾液を飲み込んだ。
既に血は止まってしまった傷を完全に癒そうと、
ちろりと舐めて、血奏法を施す。

既に彼はただの人ではないのだから、
放っておいていいのだけど、
僕のものが傷ついているのが耐えられない。

最後に上顎を淡く撫でながら舌を抜き去り、
未だ抱き合ったままの近い距離で笑う。

「…光忠…って、呼んで? トーマ」

長谷部 藤眞 「ん、…っ、ぁ」

ちりちりと疼く様な感覚が、
舐められただけで止まった事に、塞がれた事を察する。
口腔内に残る味は、
もう俺の物か、この男のものかもわからない。

ぁふ、と濡れた息と共、
舌をずるりと抜き去られて、男の首裏に腕を回した。

「……みつただ。」

俺に力を与えてくれて、
俺の血無しでは生きられない、美しい男。
近い距離のかを見詰めて、ふとわらって、もう一度

「光忠、な。 ……わかった。」

確かめるように名を繰り返して、頬に唇を押し付けてから離れた
するり、首裏の腕を解いては、
契約が終わったようだからと男の膝上から降りようとする。

広瀬光忠 僕の名を、彼の口から呼ばれる幸福を
この一年どれだけ待ち望んだだろう。

とろりと顔が解れ、頬に受ける唇に目を細めた。

首裏に回された腕が解かれ、
膝上から降りようとする彼の腰をしっかりと掴む。

「…じゃぁ、治療、しよっか」

ひょいと軽々持ち上げた彼を見上げ、
にっこりと笑い、ベッドへと寝かせる様に下ろそう。
すぐさま彼の上に馬乗りになって固定する。

二の腕の包帯を巻いた傷口を、布の上から撫でる。

「……まだ、痛い?」

長谷部 藤眞 「ん、…?光忠?
 治療、はもうしてくれたんじゃないのか」

さて退こう、としても身動きが取れずに
光忠をきょとんと見てしまった。

易々と抱き上げられ、寝台へ横たえられて
え、と惑う声を零す。
馬乗りの姿勢にされれば、じたばたする事もなく
仰臥の儘、緩く首を傾いで見せる

「……っ、ん、……我慢できない程、じゃない。」

傷口をシャツと包帯越しに撫でられれば、じくりと響くけれど
既に血も止まっているだろう其処は、動きに支障が出ない程度だ。
よく見れば他にも吸う箇所巻かれているのを
シャツの隙間から確認できた。

広瀬光忠 「まさか。
君が起きてからしようと思ってね、
取っておいたんだ。」

楽しみを

という言葉は飲み込んでおいた。
従順に従っているのか状況が理解できないだけなのか、
きょとんとした顔で見上げる彼が可愛い。

傷を撫でた反応に、口元の笑みを深くして、
彼のシャツに手を掛ける。
ボタンを丁寧に、ゆっくりと外していこう。

「完全に治すことは出来ないけれど、
しっかりと傷を塞いでおかないとね。

君は普通の人間よりも傷の治りは早くなったけれど、
治るまでの痛みは同じだから。」

次第と露わになる白い肌は、
この薄暗い中でも光る様に輝いていて、
吸い寄せられるように唇を付けた。

長谷部 藤眞 「ん、でも包帯巻いてくれた、んだろう?
 今からの治療、って……もしかして、」

血を売る際に傷を塞がれた事はあれど、
鬼に治療などされた事はないし
包帯が巻いてあるから一般的な治療を終えてあると認識していたが
どうやら、この男が言う『治療』は違うらしいと漸く気付く。

シャツの釦を一つ一つ丁寧に外されて
治療行為なのに、何処となく気恥ずかしさが込み上げた。

「……う、ん。
 塞がる、だけでも動きやすくなるから、助かる、けど
 今、俺、勃ってるから…」

先程散々、と言う程でもないが撫で回されて
深く甘い口付けを何度も重ねて、
完全にではないが芯が入って下着を膨らませているのが知られる前に
ボトムを履かぬ脚を擦り合わせて申告する

すっかりシャツの前が開かれてしまえば、
闇色の中でも、容易く知れて仕舞うんだろう

膚に落ちる唇の感触に、ぁ、と上擦った声が漏れる。

広瀬光忠 言い淀む彼の声色に、若干の羞恥が滲んでいて、
彼の生業を知っていた僕には意外な反応だった。
でも同時に沸き立つような嬉しさがこみ上げる。

「…感じてくれたんだね、嬉しいなぁ…」

ボタンを外し、幾重にも巻いた包帯が見える。
もじもじと擦り合わせる脚で
懸命にそれを隠そうとしているのが何とも可愛らしい。

「こっちも、気持ちよくしてあげるからね。
少しだけ、待っていて」

擦りあう太ももを撫で上げて、
僅かに指先を膨らんだそこに掠める様に動かして離す。

爪を尖らせ、胸に巻いた包帯の端からじじっと破っていく。
ガーゼを当てた傷口が露わになれば、
たっぷりと唾液を含ませた舌を当て、癒していく。
ちうっと僅かに滲んだ血を吸い上げ、
唇で愛撫するように周りの肌を食んでから口を離す。

「……ん、おいしい…。
ああ、こっちも、美味しそうだね」

包帯の下に隠れていた、ピンク色の胸の突起が
ツンっと上を向き、触られるのを待っているようだ。
誘われるまま舌を這わせ、その輪郭をくるりと舐め始める。

長谷部 藤眞 正直、あのまま抱かれるのだとばかり思っていたのに
そんな素振りもなく愛撫は終わって、
治療行為に切り替えられて、熱の行き場が見当たらないでいる。

「ん、…アンタの、…光忠の手、キスも、
 気持ち良かった、から……」

つるりと無毛の脚を擦り合わせ、
未だ薄く熱を孕む其処を隠すような耐える様な
太腿へ、下着越しの欲望へちらと触れられて、大袈裟なくらい腰が跳ねた

「ッぁぅ……」

包帯を破き取られて、胸元に舌が宛がわれて身が竦む
じくりとした痛痒と、軟体の熱さからの感触が雑じって
どうしたって、どうしたって頭が快楽に繋げてしまう

手を伸ばし、黒髪に指を差し入れては
押しのけるでもなく、抱え込むでもなく滑らせて

「ぁッ♡ …ゃうっ、ち、くび…だめ…っ♡
 俺、そこ、弱いからぁ……」

傷の無い筈である胸の尖りを刺激されて、
びりびりとした刺激に、腰がもぞりと動いて仕舞う。
周囲を舐められる刺激に、言葉とは裏腹、物足りなさを感じて
胸を突き出す様に反らしてしまった。

広瀬光忠 下着越しのもどかしい刺激にすら、
明確に反応してくれる敏感な身体。
目の前にある胸が快楽に乱れ、上下する。

それが嬉しくて仕方がない。
こんなに可愛らしいものが自分の手の内に

そう思うだけで己の欲望の象徴が張りつめる。

もっとと強請る様に僕の髪を乱す指が熱い。
先端を避けて舐めまわしていた舌を外し、
はぁっと熱い吐息を熟れた突起に吹きかけた。

「んッ ぁ…♡
そうかぁ、ここがイイんだ。 女の子みたいだね。」

下唇で乳首を弾く様に触れ、
今一度唇で覆い、ちうっと吸い上げた。
もう片方の寂しくなっているであろう突起を摘まみ上げ、
同じように周りを撫でる。

「…ん~~……、ふふ、…ッ♡」

目線を上げ、見下ろしているであろう藤色に視線を絡めながら、
僅かに歯を立てて勃ち上がった突起を甘噛みして、
先端を往復するように舌を擦り付ける。
反対も同じように指先で摘まみ上げた先端の、
爪で引っ掻く様にちりちりと擦る。

長谷部 藤眞 唾液ですっかり濡らされた胸に、熱い、熱い息が吹きかけられて
見目よりも柔らかい黒髪に入れ込んだ指が、ぴくりと震える

「ひゃ、ぁ…♡
 ん、んンッ……っぁ、きも、ちぃ…
 ッッァ♡ ぁんッ、ぁ、りょうほ、…♡♡」

傷を負っているせいだろうか
何時もよりも、薄く一膚足りないような敏感さに惑いながら
快楽へ声を零し続ける。
緩々、くしゃくしゃと指で髪を掻き混ぜながら、
馬乗りになられた下の身体が、びくびく、跳ねて、揺らいでしまう。

見下ろす先の紅色から、楽し気に見返される中で、
過敏になった胸の先端をじくじくと熱くて濡れた舌先でなぶられて
しかも反対側は指で、爪の先でちりちりと擦られて、
甘い痺れは腰に落ちて響いて、欲望の先端からとろとろ溢れる淫液で
下着がすっかりと色を濃くしてしまっていて、
堪らずに腰がくねる

「っぁぁあッ♡ ぁ、ぁ ひ、ン…っ♡♡ぁぅ、や、やぁ♡
 やだ、ッ♡ すごい、っびりびり、っする…♡♡」

確かに弱いけれど、けれどいつもこんなじゃない
こんな、

「っみつ、…っただぁ…♡♡だめ、へん、きもちい…ッ
 ちく、びで、イっちゃい、そだか、らッ」

こんな、胸だけで達しそうになる事なんてなかった。
光忠の舌が、指が、気持ち良すぎて首を横に振って訴える。

広瀬光忠 思った以上の反応に、
煽り続けるのをやめられない儘、
じくじくと胸の突起を虐めていしまう。

限界を訴える彼に口だけを外すも、
喋る吐息がかかる程度に顔を上げようか。
ぴん、っと指先で先端を弾いて、
くにくにと押しつぶす様に摘まむ。

「ん~? イって、いいよ…?
おっぱいだけで、イけるなんて、
…本当にかわいいね、藤眞…」

彼の名前を愛しさを籠めて囁いて、
はぁ…と感嘆のため息と共に食らいついては、
淡く興奮でとがった牙を掠め、
僅かに滲む赤を舐めとり吸い上げる。

「…んッ♡、んぅ…~~~ッ♡」

赤ん坊の様にちうちうと吸い上げ、
もっとと余った手を薄い胸を揉む様に包み込み絞り上げた。

長谷部 藤眞 やだやだと未知な程昂じている刺激に首を横へ振るのに
弄る手を止めてくれずに、弾かれて、潰されて、
下着の中は張り詰めてぐしょぐしょに濡れている

「ひッ♡ ぁ、ぁぅ♡ っひゃぁ♡
 ちくび、で イったこと、なんて、ないのにぃ…ッ♡
 なぁ、おねがい、其処だけ、じゃやだ…ッ」

腰を揺らしても揺らしても、欲しい刺激が与えられなくて
腕を突っ張って遠ざければ良かったのに、
触れていた頭蓋を堪らなくなって抱え込んで仕舞う

其の儘喰らい付かれて、
歯牙の硬質さすら与えられて、ひ、と咽喉が引き攣った
是こそ、先程淡く感じた、未知の
己と何者かが雑じり合うような不可思議な感覚は容易く快楽へ沈んで
益々膚を、神経を過敏にさせてゆくような、

「ぁっぁっ♡ 吸っちゃ、…だめぇ…っ♡
 ―――ひゃぁあ ッッ ♡♡」

大きな手で揉みしだかれながら、
ちゅうう、と吸い付かれて、容易く熱は弾けて仕舞った。
下着に収まる儘、直接触れられない儘、竿の先端から白濁を噴き出して
下着をますますべしゃべしゃに濡らしたのがわかる

「ぁ、…ぁ、イっちゃ …った……ぁ……」

ガクガクと腰を震わせて、
うぅ、と羞恥といたたまれなさで視線を伏せる

広瀬光忠 可愛い鳴き声と共に彼の匂いが強まり、
ガクガクと震える身体に爆ぜてしまったのだと悟る。
それが嬉しくて、初めて胸だけでイく感覚を
僕が与えたのだという征服感にも酔いしれた。

傷口を塞ぎ、いいこ、と震える突起を舐め上げてから、
ねっとりと粘り気を含んだ唾液が糸引くまま口を離す。
両方の指で立ち上がった突起をじっとり虐めながら、
顔を近付け、視線を伏せてしまったトーマに笑いかける。

「上手にイけたね…、いい子だ。」

瞼にちゅっとキスをして、
彼の綺麗な瞳がこちらを向くのを待ちわびた。

「たくさん、気持ちよくなろうね。
僕の可愛い、藤眞…♡」

長谷部 藤眞 「ぁ、ぅ……♡
 や、触ってない、のに、出ちゃった…
 っひ…♡も、だめ…っ 」

扱くどころか、触る事も取り出す事すらしない儘、
胸を弄られただけで達してしまうなんて。

達したばかりで過敏な胸を尚も舐められ、指でいじめられて
びくびくと尚も腰が跳ねる
宥めるようなキスを落とすくせに、刺激を与え続ける光忠に
涙で濡れた眼を向けて眉根を寄せる

「ぅ、きもち、よすぎ、て …なんか変……
 ……乳首、以外は触ってくんない、の…? 」

震える手で、改めて髪を掻き混ぜて
光忠の顎先に唇を押し当てながら、甘えた声で紡ぎ紅色をじとりと見た。

広瀬光忠 はやく触ってと主張するように
腰を跳ねさせる小さく可愛い僕の藤眞。

強請る様に向けられる声と目線に、
ほんの少し拗ねる色が滲んでいるのが愛おしい。

「…たくさん触ってあげるよ。
でも、治療してから、ね?」

細めた瞳には弑逆心が僅かに滲んでしまっただろうか。

ああ、いけない
この子は 大切 にしたいのに

ふと目を閉じて顔を上げ、
彼をぎゅっと抱きしめて上体を起こし、
半端に引っかかっていたシャツを取り払って
またゆっくりと横たわらせた。

包帯を切り裂いて、未だ生々しい傷を塞ごう。
随分と気に入ってくれたらしい
僕の血気を注ぎ込むのも忘れない。

腕、肩、わき腹と、順々に癒した後は、
もじもじと擦り合わせる太腿だ。

膝を少しだけ立てさせて、左脚に巻いた包帯を裂き、
露わになった傷口に舌を這わせる。

「……ん…、ここの傷、 大きいね…。」

内ももまで広がっている傷を追うように舌を伸ばそう。
擦り合わせていた脚を開けば、
必然、ぐっしょりと濡れてしまった下着が目に入る。

「ふふ、たくさん出たんだ…♡」

ちろりと太腿を舐めるまま、
下着に触るか触らないかの曖昧さで指を這わせ、
にんまりと笑ったまま彼を見上げた。

長谷部 藤眞 「治療……、う、後で、いい、からぁ…っ」

そうだった
治療行為を受けているのだったと、一瞬で頭から飛んだ其れに
ふにゃりと眉尻を下げてむずがる。
ぎゅっと抱き締める形で抱き起されて思わず抱き付きかけたけれど、
シャツを脱がす為だったと察して、唇を小さく尖らせた。

巻かれている包帯を裂いて外されて、
其の都度に、何かが這入り込む感覚が合って、ぞくぞくする。
舐めて塞がれているだけではない、何か。

何か所も塞がれて、脇腹の皮膚が薄い個所も舐められて
息は上がり、再び欲は張り詰めてまた下着を押し上げて
またきっと先端から我慢汁が滲んでいるんだろう

足を立たせられて、自分から無意識に開いて
嗚呼、確か逃げる時に切り裂かれた箇所だっただろうか
舌の熱さに、ぞくぞくする

「ひぁ、…ぅ、…♡
 っぁ、……ぁぅ…っ、ぞく、ぞく、する…ッ♡
 あ、あ、… やぁ、触って…さわってぇ…♡♡」

もう治療だからと我慢出来なくて
触れるかどうかの指に押し付けるように腰を上げて揺らして
とろけて涙も滲んだ顔で、快楽を乞う

広瀬光忠 自ずと開かれる脚にふ、っと顔を緩めた。
その太ももを支える様に回した手で、
さわさわと太腿を撫でながらゆっくりと舌を這わす。

堪らなそうな声と腰の動きに、
添わせた指を外し、柔らかな太ももに頬擦りをしながら嗤う。

「こら、ダメだよ。
これが終わったら、ね?」

これ以上の快楽を与えないよう、
押し付けられるたびに指を離しながらも、
はち切れそうな程に押し上げる彼の竿を愛でる。

「……ん、 ふふ…♡
こんなに腰を揺らして、可愛いなぁ。

気持ちいの、欲しいね?
たくさんガマンしたら、ご褒美をあげるから」

傷口からたっぷりと僕の血気を流し込み、
治りを早め、傷口を塞いでいこう。
僅かに滲む彼の血液が甘く溶ける様に身体に染みていくのを感じ、
ふるっと身体を震わせて歓喜と興奮をため込んでいく。
その感覚が気持ちよくて、…それに、
彼の可愛らしく快楽を求める姿をもっと見たくて、
傷が塞がるのは少し時間がかかってしまっただろう。

長谷部 藤眞 「っぁ、ぅ……っ
 も、もお、だいじょうぶ、だからぁ…ッ」

受けた傷は今でもじくじくと痛みがあるけれど
正直、今は痛みよりも燻り続ける熱をどうにかしたくて
指を外されて、むずがるような泣きそうな声を漏らして仕舞う

己の脚の内側にいるくせに、
時折、下着越しに触れてくるだけの
決定打を与えられない其れに腰の揺れが止まらない。

「んっ、ぁ、…ぅ…、欲し……
 きもち、いーの、欲しい……っぁ…♡
 っひ、…ぁ、ぁ、ぞくぞくするぅ……っ♡♡」

焦れて焦れて敏感さが増している今、
太腿の傷口に舌の熱さを感じるだけで、びりびり腰に直結するのに
都度、都度、じわりと意識の何処かを侵食される心地がして
『治療』に邪魔になろうが、びくびくと腰を、体を跳ねさせてしまう
おねがい、はやく、

「みつただぁ……」

ぐずりと濡れて媚びた甘い強請り声で、名前を呼んだ。

広瀬光忠 媚びた蕩け切った音で紡がれる僕の名前を、
うっとりと聞いてから、塞がり切った傷口があった場所に、
ちうっと愛おし気にキスをして顔を離す。

「お待たせ、―――藤眞」

ちらりと、快楽に溺れ切った顔を見上げ、
ふわりと笑んでからぐしゃぐしゃになった下着に手を掛ける。
綿素材の其れはすっかりと濡れ切って、
ぴったりと押し上げる中身の輪郭を露わにしていた。

「トーマの出したので、べたべたになっちゃったね。
これ、脱ごうか。」

子どもに諭す様に優しい声で声をかける。
まずは下着の擦れる刺激で快楽を生まない様に、
少し下着を引っ張って浮かせる。
そこは、ねちゃっと音がするほどに精液と先走りに濡れ、
布に覆われ、閉じ込められていた藤眞の匂いが充満する。
くんと鼻を鳴らし、その香りを楽しんで、
ゆっくりと下着を下げる様は、
とっておきのお菓子を開ける子どものようだろう。

「……わ、ぁ……綺麗…。
すごく、おいしそう…だ」

僅かに覗いたそれが見えれば、ほうっとため息を漏らすとともに
顔が恍惚と笑んで感嘆の声が漏れる。
晒されてひくっと震えるそれは赤く張りつめて、
既に吐精した白濁を纏い、ピンク色に輝いているようだ。
すっと下着を抜き去って、
閉じてしまった脚を広げてじっくりとそれを鑑賞する。

「これが、トーマの…♡
トーマはここもすっごく可愛いね…。」

とろり、と笑って潤んだ藤色を見つめ、
泣いているかのように先走りの滴る先端に軽くキスをする。

長谷部 藤眞 はふ、と籠った熱を逃したくて何度も息を吐き出す
治療を受ける度に敏感さを増して行って
仕事の時でも、こんな、ここまでにはならないのに、

「ぁっ……ん……♡」

足から顔を上げて、やっとこっちを見た顔に、ぞくんと震えた。
下着を脱がされるらしいとわかれば小さく、何度も頷いて
吐精と我慢汁でべたべたを通り越してぐしょぐしょな下着を、
まるで小さい子の着替えみたいに外されていく

無毛処理を施されている其処は守るものが何もなくて
突っ込んで使った回数なんて片手で足りるくらいの竿は、
濡れそぼっていて外気に触れる刺激だけでも、今はつらい。
揺らしそうになる腰を動かさないようにするだけで精いっぱいで、
やけに楽しそうな様子に言及する余裕など、残っていなかった

「ひ、……ぁぅ、―――…っひん…♡
 ぁ、ぁ、…みつただぁ、…おねがい、ちんぽしごいてぇ…っ♡」
 
軽いキスひとつ、過敏な先端に与えられ
またどろりと先走りが竿を伝う

乳首だけで達して、何度も何度も血を舐められて傷を塞がれて
其れだけと言えば其れだけなのに、熱は肥大するばっかりで
拡げられた脚を、自分で抱えるように腿を持つ姿勢で支えながら
懇願の色で金色を見詰めて請う
はやく、はやく、あたえてほしい。

広瀬光忠 「あ、れ…?」

先端にキスをして、顔を離す際に気が付いた。
幾人も見てきた人間の陰部にあるべきものが無い。

「トーマは、つるつるなんだね。
まだ子供だからかな」

ひたり、と大きな手を彼の下腹の当て、
さわさわと擦れば、つるりとした感触が伝わる。
そういえば、腕も脚もそうだった。

「…本当、お人形さんみたいだ…」

うっとりと彼の全身を眺め、
巡りついた先の藤色を覗き込んで、笑う。

可愛らしいおねだりを受け、
差し出す様に抱えられた脚の間の屹立に
味見をする様に舌をちろっと這わした後、ぴとりと指を当てる。

「おちんちん、だよ。
ここは、トーマの可愛いおちんちん。
ほら、言って御覧?」

脚が上げられた事で露わになった裏筋に、
ゆっくりと力を掛ける様に人差し指を下から上へと這わせ、
亀頭付近へ近づけば、態と指を外して笑んだ。

長谷部 藤眞 「……? っ、おれ、こどもじゃ、ない……
 客にやられただけだ……っ」

ふと、落ちてきた不思議そうな声へ咄嗟に言い返した、けれど
揶揄色が見当たらずに少しだけ戸惑う。
オプション料だよと提示された金額に目が眩んだ過日の俺に
それ永久のやつだぞと言えるもんなら言ってやりたい。

恍惚とわらう金色を濡れた眼で見返して、
みつただ、と呼ぶ声に甘えと強請りが雑じってしまう。

「ッひぁ、…ぁ…?
 ……~……、お、ちん…ちん…」

すっかりと勃ち上がり切っている其処に指を当てられて
触って擦ってほしくて腰を揺らしながら
訂正の言葉に、ぶわりと顔が熱くなる
ぅ、と一瞬惑う視線を返して仕舞ったけれど

弄ぶように、指を、僅かなばかり与えられて
物足りなくて切なくて僅かな惑いなんて容易く吹き飛んだ

「…っとーまの、おちんちん…っ、
 光忠の手で、しごいてぇ…っ♡」

自分で扱いてしまいたい衝動を、両足を持つことで堪えながら
半泣きの顔で金色を見詰めて懇願を繰り返す

広瀬光忠 「やられた…?
人間はこんなことも出来るんだね…へぇ」

血奏法でもないのに、どうやって?
と、一瞬頭を過るが、目の前のご馳走に
そんな思考もはじき出されてしまう。

彼の口から、淫靡な言葉が紡がれることに、
背筋に這うゾクゾクとした快感は腰へと落ちる。

「…お利口さん。
上手に言えた子には、
ご褒美をあげないとね?」

今一度当てた人差し指で、雁首を撫でながら囁きこんで、
包み込む様に震える熱竿を淡く握った。
僕の手では覆いつくしてしましそうなほどの
可愛らしいそれをゆっくりと上下させながら擦って、
もう片方の掌でで鈴口をじっくり撫でる。

「トーマの…熱いね…。
こんなに可愛らしいのに、ビクビクって、してる。」

ふふっと笑いながら、
精液と先走り交じりの其れをすれば、
ぐちゅぐちゅと淫らな音が響く。
その音につられる様に寄せた口で、
掌を外した先端を頬張り、大きな舌を尖らせて、
先走りの漏れる孔を抉る様に挿し込んだ。

長谷部 藤眞 「んんぁ、ぅ♡ っぁ、きもちぃ、ッんン…♡
 ……っぁ、みつた、だの声、…ぞくって、するぅ…」

ご褒美
その響きに夢中で頷いて、はしたない腰は我慢なんて疾うに忘れて
ゆらゆら、快楽を強請って揺れる。
大きな手が、長い指が漸く握り込んでくれた事への歓喜と快楽で
竿がびくんと跳ねて、とろとろ先走りが溢れ出した
緩慢に扱きながら、敏感な鈴口を撫でられて堪らなくて、

「っぁー…♡ ぁ、もっと、もっとぉ…♡
 だしたい、なあ、みつただぁ…っ、
 もっと、おちんちんごしごし、して…ッ♡♡」

もう、もうあと少しでイケそうなのに、もどかしくて
教えられたばかりの云い方で快楽を強請った、直後

「ッ ――ぁああッッ!♡♡」

先端部を熱くぬめる口腔内へ納められて
その上、はくはくしながら先走りを吐き出し続ける過敏な口へ
熱い、熱い軟体を捩じ込まれるように抉られて
悲鳴染みた嬌声を響かせながら、その儘吐き出してしまった

ひ、ひ、と咽喉が震える
強い快楽で達したせいで、目の前がぼんやりする
太腿を抱くように支えていた筈の手はいつのまにか外れて
無意識に、光忠の頭を弱々しくも挟んで仕舞った

広瀬光忠 「……ッ、…ん、ぅ♡」

悲鳴の様に響く彼の果てる声を、
口の中で弾ける彼の欲を受け止め、
うっとりしながら聴いていた。
捻じ込んだ舌先を押し出す様にして
勢いよく射精されたそれは
熱くて、苦みをもつ生々しい味だった。
けれど、トーマのものだと思うだけで
甘露で淫靡な味にすり替えられる。

若さゆえか二回目だというのに量の多いそれを腔内に回し、
堪能しようとする舌が彼の先端を掠めながら這いまわる。
入り切れないそれを、喉を鳴らして飲み込んだ。

「ん……、ん~」

ひくひくと痙攣する熱竿からの吐精が静まってしまえば、
もっとと強請る様な事を出し、尿道の中に残る残滓を吸い上げる。
ちゅぷっと音を立てて離した口をにんまりと歪め、
もぐもぐと咀嚼してその弾力を味わい、
舌先を口蓋に擦り付け、感触を確かめてから、
ごくり、と一息に飲み込もう。

あは、っと恍惚に笑みながら口を開き、

「ご馳走様…。
美味しかったなぁ…♡トーマの精液。」

低く、囁こう。

「でも、ご褒美はまだ、だよ…?
トーマの欲しいもの、沢山あげるからね♡」

竿を支えていた手を外し、
指先をゆっくりと下げていけば、
ひくっと収縮を繰り返す窄まりへと行きついた。

長谷部 藤眞 「ぁ、ぁ、…ごめ、出しちゃっ ぁ、ぁあ♡」

許可も何もないまま口の中に出してしまった事を怒られるだろうかと
咄嗟に謝まろうとするも、離れない儘、舌が、
吐き出したばかりの先端を更にとさいなんで声が上擦る

「ッひぃ゛♡
 ぁ゛♡ッや、やぁッもぉっいまっ♡ ――ふぁ……♡」

残さず喰らうような掃除をされて、
口を離されたころには息もすっかり上がって
はぁ、と熱い呼吸を繰り返しながら、
美味そうに味わう様子を呆然と見ていた
 
「……ッぁ、…♡
 ごほーび……? ――っぁ、…ぁぅ…♡」

散々胸や前ばかり刺激を受けて達したというのに、
快楽へ弱い身体は、まだまだ貪欲に熱を欲している。
指が辿り降りてゆく動きへ察すれば、
頭を挟むように閉じかけていた足を、震える手で再び持ち
自らまた、脚を広げてみせる

「きもち、い、の …ほしい……♡」

ひくん、ひくんとわななく其処に、長い指を沈めて欲しくて
いつもよりも敏感な身体がどうなってしまうのか、
不安よりも恐怖よりも、快楽への期待で目がとろけた。

広瀬光忠 申し訳なさそうな言葉を細切れに漏らす様子に、
慈しむ様な目線で笑いかける。

「僕が『お願い』した時以外は、
君の好きなようにしていいんだよ。
可愛く乱れるトーマが、たくさん見たい。」

ほしいと声でも、身体でも示される様に開かれたそこが
ひくひくと物欲しげに震え、
僕を待ちわびているのを感じながら、
ゆっくりとその縁をなぞる様に指を這わす。

「ん、ほしいねぇ…♡
でも、君にもっと気持ちよくなるのを、あげる。」

指先から特別な血奏法を彼のナカに流し込む。
洗浄と潤滑を与える血奏法は、
僕の退屈で緩慢に過ぎてきた時の中で編み出したオリジナルだ。

「……ふふ。
ここも、女の子になろう、ね♡」

とろとろと、流れ出てくる粘液を指に感じれば、
すぐさまそれを差し入れてくりゅっと擦る。

「ほら、とろとろしてきた。
きもちいい、もっと欲しいって、思って御覧。」

第一関節ほど入り込んだ指先を曲げて、
ぐるりと回したり、ぐぷぐぷと
粘液を掻き混ぜる様に浅い所を擦ってみる。

長谷部 藤眞 「ぅ、…ん、わか、った……」

『お願い』された時以外。
ちょっとの安堵を得て、はふと熱息を吐き出したけれど
一体何を『お願い』されるのかまでは予想出来ていない。

足を開くのも、ナカを暴かれるのも初めてな訳じゃない
けれど、こんなにぞくぞく、体の芯から震える様な感覚は覚えがなくて
契約したせいなのか、この男が巧みなだけなのか
もの欲しそうに震える後孔に、指を這わされて
擽たさとも気持ち良さともつかぬ疼きで、ざわざわする。

「ん、ん、欲し……  っぁ……?
 や、な、なに、何コレ…ッ? 何か入っ …ひぅ゛♡」

ジェルも何も用意されていなかった筈なのに、
宛がわれた指先から、何かが俺のナカに入ってくる感覚がある
其の儘、指を差し入れられて、狭い肉の抵抗もものともせぬぬめりに
ひ、と腰が跳ねる。
ぐちゅ、ぬぷ、と直ぐに聞こえる水音。
おかしい、オイルも何も仕込んでないのに、なんでもう、

「ッぁ、ぁう♡ ぐちゃぐちゃ、してきたあ…♡
 んー…、ん、ぁ…いりぐち、きもち…♡ っぁ…♡」

敏感な粘膜を擦られて、異物感への不快感が、
徐々に快感へ塗り替えられるような
もっと、もすこし奥の、気持ちいいところに欲しくって
自分から腰を揺らして進めて、宛てて貰おうとして

「も、ちょっと さき、っ♡ ぁ♡ もっと触ってぇ…♡」

広瀬光忠 身体の異変に戸惑うのもほんの少しだけで、
すっかりとその快楽に溺れる姿に、
機嫌よさげにくすっと笑い、彼の顔を覗き込む。

「そう、ぐちゃぐちゃだ…。
これ全部トーマのお汁なんだよ?」

ほら、とざわと水音を聞かせる様に指を曲げ、
ぐちゅぅっと音がするほどに湿った其処を弄る。

「ん?さき…?」

首を傾げ、楽しそうに笑いながら、
探る様に指を動かしながら進み入れる。
お腹側の、すっかりと膨らんだしこりの端に指が触れれば、
その輪郭を確かめ、境を擦る様に巡らせる。

「…ここ、かなぁ?トーマの…きもちいいところ♡」

細めた紅で欲に染まり切った藤を見つめた後、
余っていた手で半勃ちになった屹立を淡く擦り、
ゆっくりと指をそのしこりへと滑らせた。
とろとろに濡れた内壁を滑る指は、
こりゅこりゅっとそれを虐める様に往復し始める。

長谷部 藤眞 「う、そぉ…っ、おれ、こん…こんな、ナカ、濡れないぃ…
 っひぁ゛♡ ぁ、ぁんッ、曲げちゃ、…♡」

絶対何かされたに違いないのに、
何をされたか見当がつかなくて反論もおぼつかない
中で指を動かされる度に、ぐちゅぐちゅ音が増すようだ

長い指が、いりぐちから少しだけ進んで
弱い個所を掠められて、腰がびくんと跳ねる

「ぁぅ゛♡ っぁ、っぁ♡ ひんっ♡そこ♡
 っぁー……♡ちん、ぽ、こす られ、っぁ♡すぐイ♡っちゃう♡」

相変わらず最初から決定的な触れ方はしてくれない指に
いいところへ擦り付けたがって蕩けた眼で、腰を揺らす
再び芯が入り始めた竿を擦られて、弱い個所も触れて貰えて
ビリビリとひっきりなしに快楽の痺れが生じて堪らない

「っふぁ♡ぁ゛♡ぁぅ♡きも♡きもちい♡♡
 も、また、出ちゃ、出ちゃうぅ……っ♡♡」

腹の内側を撫でられる快楽が、射精感を昂じらせて
ダイレクトに中心を昂らせる一点を弄られまたすぐにでも達しそうで

「ぁ、も、でる、イく、…イきたいぃ♡」

がくがく、腰を震わせながら
もっと扱いて欲しくて、竿を握る手に夢中で擦り付けた。
其れは同時に、腹に埋まる手にも響いて
零れる甘ったるい声に逼迫が増していく

広瀬光忠 「あ~…可愛い、声……。
もっと、もっと聴かせて…♡」

ね?っと笑いかけ、
差し入れた指も、扱き上げる手も速度を上げた。
僕の下で、悶え快楽を享受する姿をどれだけ想像したことか
それが現実となって今、目の前で晒されているのだから、
思う存分楽しんで、全て堪能する以外の選択肢などない。

「ん、きもちいねぇ…♡
ほら、またぴゅっぴゅって、しよっか♡」

すぐに限界を迎えてしまう快楽の弱い身体。
何処まで墜としてしまいたい。
快楽に乗じて差し入れた指を2本に増やし、
しこりを擦る指をばらばらと不規則に動かして翻弄する。

あーん♡と涎の滴りそうなほど大きく開けた口の中に、
限界を迎えそうなほど張りつめた其れを含み、
一気に根元まで食らいついた。

「……ん、ふ…♡ ん、ン…♡」

外した手で精嚢をふわふわと揉み、
少なくなっているであろう種を搾り取る様に
ちゅうっと陰圧を掛けて吸い上げた。

長谷部 藤眞 「っぁ♡ ぁ、ぁ、ぁあッ♡ん、ひぅッ
 ぁ、でちゃ、でちゃ、う♡ びゅっびゅ、しちゃう♡♡
 っぅあン、ゆび増え…ッぁー…♡♡」

前立腺を擦られて、不規則に刺激されながら竿を扱かれて
既に二回出したのに、込上げる射精感が我慢できない

偶に俺ばかり昇り詰めらせるばかりの客はいるけれど
其れにしたって、何処も彼処も敏感になっている今、
達するまでの限界がくるのが早過ぎる気がして

「 ッッひゃぁああ♡♡♡ 」

ヒュ、と咽喉が鳴った
次の瞬間、悲鳴じみた嬌声と共に、
大きな口にひといきに収められて、びたりと熱い粘膜で包まれて
爆ぜるという表現がぴったりな程唐突に果てを迎えて仕舞った
一度目、二度目程の勢いも量もないが、ぴゅ、と口腔内に吐き出して
尚も吸い上げられて、ひぁ、と上擦った声がひっきりなしに零れる

「ひ、ぁ、ぁあ♡ う♡ ぁー…ッ♡♡」

ひくん、ひくんと跳ねながら吐き出し切った竿がじんじんする。
達する瞬間、腹の中の指をきゅうきゅうと締めあげてしまって
吐き出した後だというのに、珍しく腹が未だ熱に疼いていた。

そういえば、鬼とヤるのは初めてだ。鬼も人で勃つんだろうか。
手を伸ばし、黒髪に差し入れては
快楽ばかり与えられ続けて、すっかり濡れて融けた眼で
辛うじて、光忠の金色を見た

「みつただは、シないのか……?」

広瀬光忠 すぐにも達してくれる可愛くて素直な身体に、
更に快楽を与えたくて、
吸い上げる最中にもぎゅうぎゅうと締め付ける指を動かし続けた。

「んっ♡ ん……ぅ」

こくこくと飲み干してはじゅうっと吸い、
最後の一滴まで搾り取る。
満足げに笑んだまま離した頭に、
熱く華奢な指が差し入れられて目を細める。

見上げればとろんと熱に浮かされた瞳と目が合う。

「ああ、欲しくなっちゃったかな?

…でも、なぁ…」

そう言葉を濁したのは、彼のせいではなく僕の…

ああ、そうだ 
と思いついた様に瞬いて、身体を起こす。

とろっとろに解れてきた後孔に指を増やしながら、
彼の折り畳まれた脚に僕の張りつめた屹立を押し付けた。
履いていたスラックスは、
僕の大きすぎる其の形をはっきりと伝えているだろう。
よぉく、形がわかるよう、
緩慢に擦り続けるその刺激にふるっと腰を震わせる。

「…う、…ン♡
……ふふッ、コレ……
トーマの中に、入るかなぁ?」

どろっとした欲を明確に滲ませて囁いた声が、
彼の顔に近づいた口から囁かれた。

長谷部 藤眞 乳首で達した後は二度も扱かれてしゃぶられて
腹の中の指も動きを止めなくて、
熱が、出しても出しても収まらない

俺ばっかりを昇り詰めさせる嗜好の客は、
大体俺がどろどろになってから突っ込んで終わるけれど
まだまだそんな気配も見えなくて、
快楽にべしゃべしゃになった顔の儘、つい尋ねて仕舞った

「……ん、血はたくさん、舐めたろ……?
 だから、みつただは、満足してるのかと…」

鬼と人の欲求がどこまで同じかなんて知らない。
イカされまくって終わりの可能性もあるよなと思いながら、
身を起こす光忠をぼんやりと見詰め…

「んぁ♡ っぁ、ゆび…♡  ―――……っへ…?」

するりと増やされた指にぞくん、と震え
きゅうう、と締上げてはイイところに宛てようとする、中で
見えた陰影に思わず瞬く。

押し付けられ、熱さと硬さと、…質量を感じて
え、…え?と惑う声が無意識に零れる。

思わず、さっきは髪へ差し入れた手を外して伸ばして
押し付けられる其れをスラックス越しに触りにいって
―――気のせいじゃなかった大きさに、ひ、と引き攣った

「……っ、無理…!」

無理無理無理と首を横に振って若干後退る
低い声、欲情の色、熱に濡れた眼に
俺のナカに入れる気なのだとわかってしまう。

さあ、と蒼褪めていくのが己でもわかるのに、
己の恐怖に反したようにぐちゃぐちゃに濡れて柔らかくなったナカの肉は
きゅう、と物欲しげに増やされた指を食んで悶えた。

広瀬光忠 間抜けな声を出して瞬く様に、
くすりと笑い、戸惑いの声が僕の弑逆心に火をつける。
確かめる様に伸びてきた指に、
びくっと跳ねるそれは更に大きさを増す心地だ。

「無理じゃないよ…?♡
ほら…こんなに、柔らかくなったし…

ここも、欲しいって…おねだりしてる…♡」

後退ったトーマを追いかけて顔を寄せ、
妖艶に笑んだその顔は興奮に染まっている。
白い肌は目許を薄らと紅に染め、
潤んだ瞳が、ぎらりと光る。

片手で器用に外したベルトを抜き去り、
スラックスのチャックへと手を掛ける。
カチャカチャと鳴る金属音が水音の中に溶ける。

「ほら、もっと…触って…?」

すとんと膝まで落とされ、
下着越しに押し上げるそれが露わになれば、
伸びていた彼の手を掴んで押し付ける。
完全に勃ちきり、先端から滲んだ先走りが
すっかり下着の色を変えているだろう。

長谷部 藤眞 触れて、触って、確かに其処に在るのを確認してしまって
余りの質量に、血の気は引いた儘だ
なのに、触れた途端にびくりと更に大きさは、増して

「ッ嘘、だろ……」

こんなの、入れられた事もなければ見たことも無い
咄嗟に指を外したが、視線は逸らせずにいる。

後退った分の僅かな距離も詰めるように顔を寄せられて
漸く視線を美しい顔へうつせば、
獰猛な光をみとめてしまって、ぞくん、と背筋が震えた。

「無理、…っはいるわけない、こんなの…!
 ぜったい、……俺、…壊れちゃう、って……」

カチャカチャとボトムを脱ぐ金属と衣擦れの音
何時の間にかスラックスを落として下着を露わにさせた光忠に、
伸ばしていた儘だった手を押し付けられて
隔てる布一枚が削れただけで、熱さも形も、先より明瞭にわかる

「ッぁ…熱……うわ、…でっか、ぃ……」

恐怖が失せた訳ではないが、つい、好奇心が雑じって仕舞った。
恐々ながらも、指を這わせ、輪郭を辿り出し

根元から雁を辿り、雁首の段差を確かめるように触って
下着を濡らす、先端部にまで指をうつせば
途端、雄の匂いを改めて感じ取って仕舞って
ずくん、と腹が蠢くのを感じ、
同時に、咥えこむ儘の指を締め上げてしまい身を揺らす

「っん…♡ 
 ……なぁ、……ほんとに、これ…挿れる気なのか……?」

こわごわと、光忠を窺い見る

広瀬光忠 怯えながらも、自ら動き出す指に、
んっ…と小さく漏れる吐息が熱い。
敏感な雁首の裏をめぐる指にひくっと腰が揺れた。

「……あ、…ッ♡ とう、ま…」

息を僅かに詰め、小さく吐息を吐く。
じれったい刺激にうっとりとしながらも、
ぐちゅ、くちゅと緩慢に入れ込んだ指を動かそう。

僕のものを見て、反応する身体に気付いているだろうに、
未だ怯えを見せる彼に、囁く。

「勿論」

同時に引き抜く指はドロドロ濡れ、
其の儘己の下着に手を伸ばし、一気に引き下げた。
ぶるっと震え、先走りを散らしながら晒されたそれは
赤黒く光り、血管が浮き出てビクビクと震えていて、
自分で見ても、凶悪そうな見た目をしている。

膝に落ちていたスラックスごと下着を抜き、
上に来ていたタートルネックのロングシャツも脱ぎ去れば、
白い肌に浮く異様なまでの中心が目立つだろう。

先走りを塗り広げる様に片手で先端からゆっくりと扱き、
揺れる腰を見せつけて、笑った。

「…ほら、これで沢山、可愛がってあげるから…ね♡」

長谷部 藤眞 「…っぁ、またびくってした……」

じわじわと下着を濡らす程、此奴も感じているし
我慢だってたくさんしているんだろうとは、知れたけど

「ッんぁ…う♡ ぁ、ゆび、……ッ
 やだ、あつい、…っ、っぁ♡ぅ♡ ……ッッひ…♡」

挿れる気なのかって訊いたそれに
簡潔に明瞭に、肯定を返されて
怖いのに、絶対無理だと思うのに、腹がまた指を締め付けるから
頭と身体がばらばらになったみたいで怖くなる
触れていた手は引込めて、恐怖心からシーツを握り込んだ。

ずる、と指を抜かれて
強制的な排泄感めく快楽に声が裏返った
もう、もう無理だと言おうとしたのに、
眼の前で光忠が下着を脱ぐ様子にまた釘付けになってしまう。
スラックス越し、下着越しに触れていた時の比ではなくて
凶悪すぎる其の姿に、咽喉が鳴ったのは恐怖なのか、其れとも。

「っ、なあ、あし、…脚は?
 俺、太腿ぎゅってしめてる、から……」

震え声で素股を提案するけれど
凶悪な雄竿を、見せ付けるように扱かれて
視線が其処から逸らせないでいる。

一糸纏わぬ姿は、思っていたよりも逞しくて
種族差がなくても腕力ではかなわなかったかもしれない。
こわれる、むり、と繰り返して首を横に振る。
いくら長くて太い指の数本が入ったからって入る訳ない。

「…ぁ、…絶対、無理…ッ
 腹が破けちゃうって……!」

広瀬光忠 僕が脱いでいる間に、
じいっと見つめる藤色に期待の色が滲むのを見逃さなかった。
彼からの可愛い提案にクスっと笑うけれど、

「それも、いいね♡
でも、今日は君を手に入れた記念の日だもの。」

そう囁いて、先端を彼の後孔に触れさせた。
ぴちゅっと吸い付く其処は、
押し込めばすぐに入ってしまいそうだ。
先走りと彼の蜜液で濡れたそこは、
僕が腰を揺らすたびに淫猥な音を奏でる。

「んっ♡ は、ぁ…♡
大丈夫、だよ…、君を傷つけたりはしない。」

両手を彼の細い腰を掴んで引き寄せながら、
彼に覆い被さる様に前のめりになる。
僕自身の太腿を彼の太腿の下へと差し入れ、密着を強める。

「……だから、藤眞…、
君を、僕に、頂戴…?」

彼の目の前で、笑みを讃えた唇をゆっくりと動かし、
低く甘く、悪魔が天使を唆す様に囁いた。

長谷部 藤眞 「……ぅ…、
 っぁ、熱…… なん、でぇ…ぞくっ、て、する……♡」

ひたり、凶悪な切先を宛がわれて
こわいと感じる前に腹の奥からぞくぞくが湧き起こる
ジェルもオイルもしこんでないのにぐちゃぐちゃに濡れた其処が
咥えこもうとはくはくわなないてるのすら、判って惑う

「っひ、…ぁ、だって、…っ
 光忠の、ちんぽ、おっきすぎる、からぁ…」

大丈夫、も
傷付けない、も絶対無理なのが考えなくても解ると
少しでも逃れようと身を捩るのに、
大きな手で腰を掴まれれば如何仕様もなかった。

暗がりになれた筈の視界が、また翳る。
俺に覆い被さる姿勢で、それでも強硬に挿入しない男を見上げて
甘く、甘く、
ああ、また、まただ
毒みたいにどろりとあまくて低い

「……ッ、…ほんとに、壊さない…?」

頷きそうになるのを我慢しながら、尋ねて仕舞う。
知りたいのは、これと、

「可愛がって、くれる、なら」

ちゃんと、可愛がってくれるなら。
俺のものだっていう光忠に、俺を差し出したって、良い。

広瀬光忠 ひとつ ひとつ 丁寧に
彼の心も、身体も
ゆっくりじっくりと開いていく

強張る心を解す様、
近づいた顔を耳に寄せ、優しく囁く。

「うん、壊さないよ。
この先もずっと、ずうっと、
一緒にいるんだから…」

ね?と笑いかけて、
彼のさらりとした髪に指を入れ、
ゆっくりと撫でながら続けよう。

「ふふ、たくさん、可愛がってあげるよ。
トーマが要らないって言うくらい、たっくさん」

ちう…と耳に口づけ、
其の儘耳朶、蟀谷、目元に優しくキスをしよう。
未だ先端を当てたままの屹立を、くちゅっと音を立てて擦り、
鼻先にキスをしてから、口を開く。

「ね、藤眞……、お願い…」

長谷部 藤眞 怪我をするのも怖くないし、
血を抜かれるのだって構わないけれど、
壊れて、動けなくなるのは厭だった

じわ、と耳元に囁き込まれる低い柔い声とわらう気配
ずうっと一緒、の言葉に少しだけ、体の力を抜く

さらりと頭蓋へ触れ、
ゆっくりと撫でてくれる其れに己から小さく押し当てて

未だ少し、否、まだ怖い、けれど。
己の向けたふたつに、返ってきた言葉を信じてみても良いかと思った。

耳への口付けにまた、腹の中がきゅうと反応してしまった
指も抜かれて何も咥えこんでいないそこは、
宛がわれている切先を飲み込みたくて震えている、みたいで

「ん、…ん……
 たくさん、きもちよく、して」

いいよ、の小さな声と共に、
間近に在る形の良い唇に、己の唇を押し当てて離れた。

広瀬光忠 ちゅっと口付けを返すかのように収縮した後孔が、
僅かに先端を刺激して僅かに肩が跳ねた。

また一枚、開いた心を感じて、
嬉しそうに笑みを浮かべ、
押し当てられる唇に僅かに吸い付いた。

「…ん…、…嬉しい…。
ありがとう、藤眞…」

漸く…待ち望んだ時を迎える興奮で唇が震えた。
荒くしない様に、ゆっくりと先端を入れ込む。

「あ、…ッ♡♡
……トーマの、……あったか、い…♡」

ほんの僅か、入り込んだけで、
ぶわっと湧き上がる興奮に瞳が潤む。

「痛くは、無いと思うけれど、
少し、苦しいのは、我慢、して…?」

血奏法で守ってはいるけれど、
押し広げる感覚も、苦しさも、そのままという事だけは伝え、
先端の一番張った雁を埋めようと、ぐっと腰を進める。
片手で掴んだ腰を引き寄せる力を少し強め、
もう片手で恐怖を感じない様にゆったりと頭を撫でる。

充分に解し、濡れ切った其処はみちみちと大きく開き――

ぐ、ぷん 

と先端を一気に飲み込んだ。

「…ッ!……あ、はッい…ったね…♡」

長谷部 藤眞 ちゅ、と淡いキスを返されて、
意識して、逃すように息を吐き出す。
こわいこわいと委縮すると、もっと痛いのを知っている。

「ん、ん…ぁ、ぁぅ、…っふと、…ぃ……ッ」

ほんの少し這入り込むかどうかなのに、
窄まりが其の襞を拡げられてゆくのがわかる

痛くはない、という言葉をぼんやり聞きながら
実際に目にするのと、体で知ることへの差異を思い知る。
予想していた、引き攣れる様な酷い痛みはなく、
ただただ、抉じ開けられるような苦しみと、圧迫感が在る

「っぁ、も、むり……ぃ…ッ
 ぁぅ、苦し…っ、――ぁ、ぁ、ひろ、が…る…ッ」

「ひ  っぁああ……ッ♡」

ぐぷん♡と先端をひといきに飲み込んで
その衝撃と、質量にがくがくと身体が、腰が震える
痛みはない、
痛みはないけれど、圧迫感がひたすら腹をさいなんでいる

「みつ、ただぁ…っ、……」

じくじくと熱が蟠っていた腹の中を埋められて
圧迫感と苦しみとは別に、満ちた感覚があった
震えながら、頭を撫でる掌に頭蓋を擦り付ける

「も、っと、撫で、て…」

広瀬光忠 じわじわと続く苦しげな声と、
その衝撃に震える身体を慰める様に
眉根を寄せて笑いかける。

「ん…、よく頑張ったね」

さらりと頭蓋を撫でる掌に、
甘える様に擦り付ける感覚に目を瞠り、
震える声で強請る藤眞にきゅうっと胸が締め付けられた。

「わかった…。
本当に可愛らしいなぁ…」

彼の震えが落ちつくまで、
ゆっくりと撫でながらたくさんのキスを落とす。
入り込んだ先端は違和感を馴染ませるように、
ぴたりと止めたままだ。
そのせいで彼の震えも、生理的な締め付けも、
全て明確に捉える敏感な其処は、
どうしてもびくりと耐えかねる様に動いてしまう。

「んッ…♡ ご、めんね…っ
態とじゃないんだ…」

この狭いナカでは僅かな刺激も辛いだろうと、
滲む涙を吸い、ちゅっと口付けながら、
申し訳なさそうに囁いた。

長谷部 藤眞 俺を甘やかしてくれる掌に擦り付いて
熱も感触も余すことなく感じる事で安堵を得る

「んっぁ、…んン♡ ぁぅ……」

キスを与えられる度に、
ほんの少しのみじろぎが響いて、
きゅう、と締め付けて仕舞うのを止められない
そうして、腰が揺らされる事で、
腹に収めている雄竿の先端部で、入口辺りの柔肉を捏ねられて
ぞく、ぞく、と重たく走る痺れは、快楽を確かに含んでいる

「っひ♡ ぁ、…ん、…ッ
 ぁ、みつただ、のも…びくって、してる……」

収める儘、動かないように進まないようにしてくれて
俺の体を宥める手も、唇も優しかったから
悪寒にも似た震えが、徐々に徐々にではあるけれど
体の奥から沸き起こるぞくぞくとした快楽にすり替わってゆくのがわかる

「ん、ぁ、いたく、はない、から……
 ……すすめて、大丈夫……っ」

一番太い個所は越したのだからと
掌に頭蓋を擦り付け、甘えながら続きをゆるした
目許へのキスにむずがるように顔を軽く振って
こっち、というように唇を小さく開き、舌先を覗かせる

広瀬光忠 彼から漏れる声が快楽を含んでいることに安堵し、
猫の様に擦り付けて甘える頭蓋を撫でる。

「ん、わかった…。
キツくなったら…言って?」

ふるふると首を振る藤眞から顔を離そうと、
腕に力を入れたところで、
ちろ、と差し出される紅い軟体が見えた。
ふ、と笑んでそれを迎えに行くとともに、
ゆっくりと腰も進める。

「……ん 、ふ…、ぅ…♡」

あ、と開いて口でその柔らかいそれを含み、
唇を合わせると、大きな舌を絡みつかせ、
一気に彼の腔内に押し戻しながら差し入れた。

押し進めた熱杭もまた、藤眞の好きなところへと差し掛かり、
鰓の張った雁がくりゅんっとしこりを引っ掛けて通り過ぎれば、
くぐもった小さい喘ぎと共に、腰が揺れた。

「ッ♡ んッ、はぁ……、ここ、きもちい…?」

僅かに外した口から呼吸と共に掠れた声で囁いて、
すぐに舌を差し入れては貪る様に口内を這わせ始める。
腰も、小さくではあるが、
確実に前立腺を刺激する動きで前後させよう。

長谷部 藤眞 大きな手の感触に甘える儘、
口を開いて、誘って、舌を乞う中で、
ぐッと腰の圧迫も増して、んン、と上擦った音が漏れる。

「ん、んン…ぁ、 ふ、――は…♡」

己よりも大きな舌で、口の中を一杯にされるのが気持ち良い。
腹のなかの圧迫感に時折はふと息を零しながら
厚い熱い舌へ絡め返して、途中途中で唇も合わせて、
粘膜同士、くっつけあう事に夢中になる。

キスは身体を繋ぐ以上に相性があると思う
綺麗な形のさらりとした唇、厚みのある舌、熱い口腔の温度も
光忠とのキスは、気持ち良い。

「んぁ゛♡ぅ゛♡ ッぁ、ぁ、それぇ…♡」

弱い個所を引掛けられて、思わず口を離し喘いでしまう
重たくて甘い痺れが、ずぐんと湧き起って、また勃って
もうきっと碌に出ないのに気持ち良さばっかり増していく

離した唇を再び合わせて
口腔内を這いまわる舌の動きに翻弄されながら、
唇が離れない程度に、こくこくと頷きを返す

「ん、ぁふ、…ッぁ、んっ きも、ちぃ♡ ッん…んン…」

腹の中がごりゅごりゅ小刻みに抉るように捏ねられている。
とめどないくらいにたっぷり濡れてぐちゅぐちゅになって
ちょっとの刺激だってすごくすごく響くから、
竿の先端からは壊れたみたいにとろとろと先走りが溢れっぱなしだ

其れ以上に、自分じゃどうにもできないくらいに、
腹のナカがきゅんきゅん動いて締上げて、
まるで光忠のちんぽにむしゃぶりつくみたいに動く。
じわじわ、射精感ともまた違う快楽には余り馴染みが無くて
何処か怖くて、でも気持ち良くて、無意識に腰を揺らして仕舞う

「っぁ♡ ぁ、あぅ゛♡♡ はら、ンなか…っ熱…ぃ…♡♡」

広瀬光忠 ぐに快楽を拾い始める敏感な身体に、
甘い嬌声が混じる吐息に安堵した。

「…ん……、上手だよ、トーマ♡」

いい子、と髪を掻き混ぜる様に撫でた後、
唇も手も放して、腰を両手で添える様に掴む。

「ふふ、腰、揺れてきたね?
僕も、動いてあげるから、
沢山気持ちよくなろうね…♡」

明確に変わった内壁の動きに合わせ、
少しずつ腰を大きく動かし始める。
それに合わせ、ぐ、ちゅ、ぐちゅん と水音が響き、
お互いの熱い吐息の音が混じる。

「…んッ♡ はっ……、
トーマ、の、ナカ…熱い…♡ すごい、締め付け…」

狭いだけじゃない、
緩急をつける様に扱く動きの其れが、
半分も入っていない僕の熱杭に絡んで、
ちゅうっと吸い上げてくる。

堪らずに小刻みに吐く息が詰まり、
その度に突き入れる動きが荒くなってしまった。

長谷部 藤眞 大きな手で腰を掴まれて、光忠の手に委ねながら、
ゆすゆすと気持ちいいところに擦るように腰を己からも揺らしてしまう

「ん、んぁ♡ ぁ、ぁ…♡ 
 ん、…ぅん♡ くる、し、けど…きもち、い…ッ」

苦しい
苦しいけど、ごりゅごりゅと擦られて捏ねられて
腸壁もカリでごしごしされて、其の度にぞくぞく、ぞわぞわと
接合部よりも少し奥から堪らない快楽が生じて背が震える
己のナカから生じているなんて思えない位の粘り気のある水音が
いま、光忠に、抱かれているんだって思い知るみたいで、昂奮する。

「ん、ぁッ ぁあ♡みつっ…みつただ、のっ♡ 
 でかい、いの、きもち…い…♡♡ っぁぅ゛♡ 」

気持ちい、苦しい、気持ち良い、
弱い個所をごりゅごりゅされるのも、だんだん荒々しくなる腰の動きも
どんどん奥から響いて、ぞくぞくが止まらなくなってくる。
しがみ付きたくて手を伸ばして、光忠の肩を指先が掴む。

「っぁ、なん、か、…ックる…♡♡」

全く馴染みのない感覚ではない、けれど
追い駆けて捕まえられた事の無い、ナカだけの快楽に、
思わず腰を逃がすみたいにずり上がろうと動いてしまう。

広瀬光忠 徐々に高くなる嬌声に僕も煽られて、
遠慮がちだった腰の動きが本能に任せたものとなる。

「ふふ、んッ♡、僕も、きもちいい、よ…」

縋る様に伸ばされた手が肩を掴むのを、
身体を屈めて掴まりやすくすれば、
挿し込む角度が変わり、先端が内壁を抉って腰は跳ねた。

「あ…ッ、…っ♡ 
ほら、イって…いいよ……ッ」

限界を告げる言葉を聞いて、
追い立てる様に捏ねる動きを早める中、
逃げる様にずり上がるトーマが見えた。
咄嗟に腰を強く掴んで引き戻し、
ガツっと突き上げる様に熱杭を打ち付ける。

「…ぅッ、あ、ッ♡ くッ♡♡
ほ、ら……逃げちゃ、ダメ…だよ?ッ」

そう囁く顔はにっこりと笑っているが、
紅の瞳はぎらぎらと獲物を見る獣の光を灯しているだろう。

長谷部 藤眞 いま、一体どのくらい入っているんだろう
縋り付きたくて、光忠の肩を掴もうとして、
身を屈めてくれた動きが嬉しくて首裏に手を回して
自分からもしがみ付こうとしたけれど、
其れをするには、まだちょっと距離が遠かった。

ぐりん、と違う箇所が抉られて、眼がちかちかする。
跳ねる腰も仰け反る咽喉も背も、押さえられなくて

「ひぁ゛♡ ぁ、ぁ、ッひぁ、ぅ♡♡
 ッぁー…♡ っや、やぁ、これぇ…っ♡♡」

何度も客を取って突っ込まれて使われても
ナカだけで達せた事なんてなくて、いつも竿を扱く事で達していたのに
何度も吐き出したとはいえ、それ以降は振れてもいなくて
イケない筈なのに、光忠に抉られてぐちゃぐちゃにされてるナカが、
どうしようもなく熱くて、きもちよくって、こわい。

駄目だ、これは、しらない。
しらない、こわい、逃げたいと無意識にずり上がろうとした矢先、
大きな手に掴まれて、強く戻されて

「――――ッッぁあああ♡♡♡」

がつん!と強い突き上げで今迄にない深さを穿たれて
眼の前が一瞬真っ白になった。
がくがくと全身が震えて、絶頂を迎えた筈なのに降りられない

「っぁ、ぁ♡や♡♡ きもち♡いの♡ とま♡っぁあ…っ♡♡
 や、ぁ、みつっ みつただぁ…♡♡」

光忠を咥え込んだ儘の腹が痙攣して、
射精の快楽よりもずっとずっと強い感覚に惑いながら何度も名前を呼ぶ
滲んだ視界で見上げた紅色が獰猛に光っていても
縋り付ける先なんか、ひとつしかない。

広瀬光忠 寄せてあげた身体に伸びる手は、
僕の首裏に回された言葉嬉しくて、
少し幼げな笑顔を見せてしまった。

少し乱雑に引き寄せた腰に力が入りすぎたか、
と一瞬怯むも、絶叫の様な彼の喘ぎと、
急激に締まり、痙攣する狭い内壁に翻弄される。

「とーま……ッ!? ぅあッ… ♡ッ」

瞬時に彼が絶頂を迎えたのだと理解し、
取り乱すような様子に
この感覚すら初めてなのかもしれないと察する。
何度も呼ばれる僕の名に、うっとりと微笑んで、
安心させるかのように背に手を回し、
少しでも距離を詰めたがる。

「あ、はは…♡
そうだね、きもちいの、終わらない、ねぇ♡
でも、もっと、もっと 気持ちよくなるから、ね?♡」

くん、くん、と腰を突き上げ、
収縮が緩んだ隙を狙うかのように押し入っていこう。

長谷部 藤眞 掴んだ絶頂感は、出したら引く筈の射精と異なりすぎて
余韻というには強過ぎる後退く感覚に溺れて仕舞いそうだった
がくがくと震える身体の内側では未だ熱が暴れていて
光忠の手が背に回るのを感じて、ぎゅう、と首元に縋り付く

「っぁ…ぁ、…ぅ…♡♡
 ぁ、ぁ、いまっ、おれぇ…♡ ―――っひ……!」

ぐずぐずと甘ったれた気分が昂じて懐こうとするも、
もっと、と甘く響いた声と
ずくん、と収縮に合わせて這入り込む光忠の雄竿に息を詰める

「ぁ、や、やぁ♡いま、…ッイった、ばっかり…
 まだイってる、からぁ…♡ ぁ♡ ぁあ♡」

すっかり柔らかく蕩けた肉を掻き分けて抉じ開けて
太い、太い陰茎が俺のナカに更に更にと這入ってくる
先端で抉じ開けられて雄竿に拡げられていって

どうしようもなく、ぞくぞくが止まらない。

「っひ、ぁ゛~……♡♡
 だめ、だめ、なの、にぃ…っ♡ きもち、ぃ…♡♡ 」

イったばっかりで頭もぼんやりしているし
絶頂に近いくらいの快楽がまだ腹のナカで渦巻いてる中で、
深く、深く迄、光忠を埋め込まれて
降りきれなくって、こわくて、もっと、もっとこれが欲しくなる

「ひぁ、ぅ゛♡ っみつ、…♡
 みつただの、ちんぽ、もっと、ほし ぃ…♡♡」

広瀬光忠 「うん…♡
僕も、もっとトーマの中、入りたい…。
どろどろに、気持ちよくして、あげる」

しがみ付かれた顔の目の前にある耳に、
直接吹き込む様に囁きかける甘い言葉は、
一種の洗脳のようだ。
くすっと笑う声も、熱い吐息も、
全て真っ赤な耳へと落ちていく。

ずく、ずくと突き込む屹立を、
すうっと引いては、気持ちのいいしこりを掠め、
ぐちゅんと突き刺しつつ、その深度を徐々に深めていけば

こつ

と、先端が何かにつき当たる。
ああ、ここが…彼の最奥。
そう理解すれば、ふ、と息を付き、
彼の耳に近寄って囁く。

「…ほら、ここ……トーマの奥の、
気持ちいところだよ…?♡」

こつ、こつんっと僅かに腰を突き、
ね? と優しく問いかけるも、
吹きかける息は熱く、昂奮で荒くなっている。

長谷部 藤眞 いやだ、だめ、なんて口先ばかりの否定を甘ったるく紡いで
腰を揺らめかせる矛盾に気付けない
しがみ付いた先、光忠の甘くて低い、蜜みたいな声に
また軽く、たったそれだけで達してしまった

「ッひぅ゛♡♡ 
 ッぁ、シて、シてぇ…っ♡ きもち、いの、ほし…♡♡」

背を小さく反らして、ナカをきゅんきゅん締上げながら
首元へ縋り付く姿勢で甘ったるい声で更なる快楽を強請る
だって、ナカだけでこんなになるなんて、なれるなんて、知らなかった。

「ぁンッ っぁ、ぁう゛♡…ッッぁ、ああ゛♡♡」

太くて硬い雄竿で腹のナカを暴かれるような
何時の間にか結構な深く迄迎え入れながら、
内側をぐちゃぐちゃにされる快楽へ陶酔していた、けれど

「…… ッひ 」

こつん、と
酷く奥に『届いた』感触に、目を見開いて固まってしまった一瞬の後、
ぶわりと毛穴が開く様な 酷く奥深い場所からの震えが湧いた

「ッッゃ、だ…め ……だめ、ぇ…っ…!
 やだ、そこ、…こわいからぁ…ッ」

蕩けた内壁を抉られ捏ねられる感覚とは明らかに異なる
行き止りまで、迎え入れて仕舞ったのだと否応なく知るような
こんな奥深く迄届くような客、今まで居なかったのもあって
怯え切った眼が紅色を見上げて、泣きそうになる

広瀬光忠 囁いた途端に感じる強烈な締め付けと、
身じろぐ姿に、彼の弱点を確信して、
強い快感に眉根を寄せながらもくくっと笑った。

最奥をつつく様に揺らしながら、
彼の顔を覗き込めば、
言葉だけの恐怖ではない事が明らかだった。
ただ、最奥に達した時の身体の反応に、
混乱しているだけだと理解し、
宥める様に背に当てた手で撫でる。

「……びっくりした、かな…?
大丈夫だよ、怖くない…。」

ふわり、と笑いかけて、
その綺麗な葡萄の果実の様な瞳を見つめ、
密着できるほどに繋がった身体を抱き寄せる。
ぎゅうっと全身で包む様に抱き締め、
先端がその壁を少しだけ抉る。

「…ほら、こんなに奥まで、
ひとつになったの、わかる…?

僕は、今すっごく、気持ちがいいよ…。

きゅうきゅう締め付けるきついナカも、
震える細くて柔らかいこの身体も…、
全部でトーマを感じて…嬉しいんだ。」

長谷部 藤眞 こんな声、ずっと聴いてたら屹度おかしくなりそうな
低くて甘い声が芯まで届くようで、
大きな手で、背を撫でられながら柔く尋ねてくれるのに
逞しい腕が、抱き締めてくれるのに、
凶悪なまでの雄竿は先端を引込める所か更にと抉ってきて。
葡萄色の目がじわりと濡れる。

「ぁ、ぁ、…っぅ…♡
 ぁー…♡♡ おく、ッ…おくぅ…♡♡」

恐怖すら感じる未知の深さに怯えた時間は
きっとそう長くはなかった
己のものではないような気がする程、内壁がうねうねと蠢いて
光忠の雄竿を歓待し続け、蕩けているのが解って仕舞う。

「ぁっ、わか…る…ぅ…♡♡
 はら、ンな か、みつ…たら、の で、いっぱい…っ
 …ぁ、も、…ジンジンするぅ…ッ ♡♡」

密着すれば余計に苦しいのが解っているけれど、それでも
間近の体に抱き付いて、快楽を訴えながら頭蓋を擦り付ける

じくじく、とろとろ
腹が、熱くて熱くて、どうにかなりそうだった。

擦り付ける儘、耳朶に唇を押し当てて、
ぐずぐずの声で甘ったるく強請る

「きもち、ぃの、…もっと…♡♡」

広瀬光忠 葡萄の色が、とろんと溶けて
ワインの様に深みを増したのを見た。
にっこりと笑って、吐息で相槌を打ち、
抱き締められる身体をしっかりと抱き寄せる。
その小さい身体を抱き締めて身を屈め、
腰を奥へ奥へと進ませる動きで更に彼を追い詰めよう。

耳朶を擽る柔い唇に、
ふるっと身体を僅かに振るわせると同時に、
ずくんっと腰が疼いた。

「善く…なってきた…?
トーマは…本当にいい子だね。

ご褒美、もっと あげるから」

顔を寄せて、彼と僕の吐息を混じらせながら、
抱え込んだ腕の中で震える可愛らしい血盟に囁いた。

しっかりと吸い付かせていた腰を
ゆっくり僅かに引いていき、
とちゅん…と静かに打ち付ける。

「…ンッ♡、 ――ッ…♡」

じっと耐えていた分、その刺激が甘く腰から脳に駆け上がる。
つい、甘い声を出してしまい、
少しだけ唇を噛み、声をくぐもらせた。

長谷部 藤眞 光忠の体にぎゅっと抱き付けば、抱き付くほど、
深くにまで迎え入れる事になっても縋ってしまう

奥へ、奥へと這入り込む雄杭の逞しさに
苦しいのに、苦しいはずなのに、気持ち良い
じんじん、ぐつぐつ、熱ばっかり増していく

「んぁ…♡ ぁ、ぅ♡
 くる、し、…けど、…… 
 …光忠ので、いっぱいなの、きもちぃ…♡♡」

大きくて熱くて、逞しい其れがただ引き抜かれるだけでも
襞をひっかけられるのが堪らないのに、

「あッ!♡ ぁ゛ぅ♡
 ―――ッひぁ゛…!♡」

とろとろと熱く蕩けた肉を割拓くように押し込まれて
最奥の、わななきはじめた口をとん、と小突かれて
それだけで、びりびり、胎の奥に快楽が突き抜けて
射精を忘れたように竿の先からとろとろ垂れ流しながら
また、胎だけで小さく達してしまった。

「みつ、ただぁ…♡
 おれ、…おれ、おく、…へん…っ♡♡」
「イ、って、ばっかに なっちゃ…っ♡」

ほろ、と落ちてきた艶のある音に
きゅう、と胸が疼く様でたまらずに顔を動かしては、
光忠の唇を舐めるように唇を合わせにゆく

もっと、
もっと、これも欲しい

「…みつ、… こえ、」
「おれで、きもちい、の …ききたい…♡」

ちゅ、ちゅ、と舐めて吸い付いて
快楽の証を全部ほしいと甘い声で強請る

広瀬光忠 すっかり快楽しか感じさせない声を響かせて、
軽く突いただけで甘く達してしまった様子に、
くすり、と笑む。

一瞬切なそうな顔を見せた彼が
そっと近づいて、キスをしてくれた。
僕も合わせる様に舌を出して、彼の唇を舌を舐める。

「…ん…? こえ…?」

無意識に出てしまった声を求められてしまって、
少しだけ困ったように笑む。
腰をゆっくりと動かし、出し入れを繰り返しながら
ちゅ、ちゅ、と啄むキスをして、
その合間に彼に囁こう。

「…ッ、ふふ……少し、格好悪いけれど…、
トーマには…全部あげるって…
言っちゃったから、ね…」

とん、とん、と先ほどよりも明確に
最奥を叩く動きを始めよう。
ヒクヒクと僕を締め上げる彼の内壁が、
より一層絡みついてくるようだ。

しっかりと抱きしめたまま、
彼の耳に囁きこむように、
本能のまま小さく声を漏らす。

「…ッ、あ……、はッぁ…♡
藤眞、の…ナカ…♡ 
すごく…、きもちい…よ…♡」

じゃれる様に頬を合わせて、
口を寄せた先の耳たぶを食んでは、
はぁっと熱い吐息を吹きかけた。

長谷部 藤眞 「ん、ぁむ…♡ ぁ、ふ♡
 んッ、…ん、んぅ…♡」

光忠の声が欲しくて引き寄せられたに近い触れ合いは、
唇を舐めて、舌を舐めて合わせて擦られて、
粘膜同士で触合って融け合う様な感触が気持ち良い

何度か頷きを繰り返して肯定し
その間にも、ぐちゅ、と酷く濡れた音が響く

甘く達したばかりの蕩けた肉が震えながら雄杭を喰い締めて、
絶頂の高みから降りきれない儘、唇を離せずにいる

「ん、ぜんぶ …ぜんぶ、おれの、…♡」
「ッぁ、あぅ…っ♡
 っひ、ぁ… ぁ゛♡♡ ふか、ぃ、の…きもちい…ッ♡♡」

とん、とん、
快楽で解けて震えっぱなしの奥を何度も小突かれて
脳味噌の中をぐちゃぐちゃにされているような快楽に
ぼろぼろ、涙があふれて声までぐずぐずに濡れて崩れだす

くったりと芯を失う儘、
先端から淫液を垂れ流すだけになった竿への刺激を乞う事もなくなり
串刺しにされたんじゃないかってくらい奥深くまで受け入れて、
懸命に、目の前の男に縋り付いて泣いている。

耳元に、熱い息と、
俺のナカが気持ち良いって零す声にぞくぞくする

只でさえ弱い耳を噛まれて、チリッと走るその刺激に
ぁ、ぁ、と全身が震えて

「っぁー…♡♡
 みつ、ッ…みつただぁ…、またっ
 また、はら、だけでイクぅ…ッ…♡」

思わず合わせていた唇を外しては、
全身を震わせながら、胎で達する予感に期待と不安が綯交ぜになって
ぎゅう、とナカも、体もしがみ付くように抱き着いた

広瀬光忠 限界を伝える声と痙攣しながら
高みに登っていく彼の身体を感じて、
ぞわぞわと湧いてくる快感に似た感覚に震える。

「あぁ……
そう、…僕の、全部ッ…君のもの、だ…。

だから、――君も僕に、頂戴?」

その言葉と共に、どちゅッっと一際強く突き上げ、
それを合図に抱き着いてくる小さい身体を、
獣じみた激しい腰の動きで貫く。

「…ッ!♡ ン、あッ♡……ッ♡」

甘く抱きしめていた腕は、
僕から逃げられない様に固定する檻の様に、
彼を押さえ込んで離さない。

彼を、自分を、追い込む様な動きのまま、
彼の耳に触れるほど唇を寄せて、
甘い毒の様な声で囁く。

「僕の、でッ♡ イって…?」

ごちゅん、っと最奥を貫くほど
激しく強く、突き上げた。

「…―――藤眞ッ」

彼の名を呼んで、果てた。

長谷部 藤眞 「んッ♡おれ、も、おれもっ、みつただ、のっ…♡♡
 
 っひッ゛♡♡ っぁ! あぁ゛ー……~~…!♡♡」

どちゅッ♡と強く突き込まれて しがみ付く儘、
簡単にまた、快楽の果てを迎えて
びくびくとナカの肉が痙攣する。

「ッぁ゛♡っや、ぁッ♡ イ゛♡イっちゃ、ぁ…♡♡
 ふぇ゛♡ぅ゛♡♡ っぁ、みつ、ッ みつただぁ…ッ♡♡」

ぎゅう、と強く抱き締められて
押さえ込むみたいな力加減にも、胎のナカがびくびく悦んで
光忠へ回した腕の先、指が、膚に食いこんで仕舞う。

吹き込まれる声がとろとろ、どろりと
甘くて、低くて、何処迄も沁み込まれて仕舞いそうな

「ぁっぁ゛♡ぁあ゛ぅ♡
 イって、イ゛♡ってる゛♡♡からぁ…ッ♡♡
 ひゃ、…ッ ぁ、ぁ、みつ…ッ ひ、ぁああ゛♡♡」

揺すぶられるだけ、突き込まれるたび、
イって、イって、訳がわからない程の快楽の中で
己の名を呼ばれて呼び返そうと口を開いた、けれど、

ごちゅん♡と届いた最奥に、
雄杭の切先が僅かにめりこんだのを感じて

甘い悲鳴じみた嬌声へ変わる。

今迄触れられた事のない最奥に、精を注ぎ込まれるのがわかって
困惑よりも不安よりも、じわじわ満たされるような感覚に
ふにゃりと顔が緩んで肩口に無意識に擦り付くように懐いた

広瀬光忠 どく、どく…と、彼の最奥を
僕の欲の残滓が満たしていく。

誰も入ったことのない所まで、
僕が彼を染め上げたのだと、
やっと彼を手に入れたのだと実感する様で、
懐いてくる藤眞を優しく抱きしめた。

「は、あ…はぁ……。
…藤眞…僕の可愛い、藤眞」

切れる息のまま、細切れに彼の名を呼び、
彼の蟀谷にキスを落とす。
果てを迎え、脱力する身体を彼に預け、
抱き締めたまま、ふわりと笑った。

「……やっと手に入れた…。
ずっと、ずっと一緒だからね。」

ゆっくりと顔を離し、
力の抜けた笑みを浮かべる彼の唇に、
じゃれるみたいにキスをした。

「たくさん、気持ちよくなったね…?
気に入ってくれた…?」

彼の反応を見ればわかり切っているのに、
彼の口から甘い言葉を聞きたくて、
とろんとした顔のまま尋ねた。

長谷部 藤眞 「ぁ、…ぁー……♡ すご、ぃ、おく…♡♡」

どく、と吐き出された其れに恍惚と目を細めて、
とろとろとした声で零しながら、逞しい躰へ懐く。

壊れちゃうと怯えて強張っていた筈の体は、
蕩かされてすっかりと何もかもを委ねるように投げ出している。

「……ぁ、…ん、んン、…ふふ …きもちい…」

んん、と気持ち良さに声を漏らしながら蟀谷を小さく擦り付けて
預けられた体の重みが心地良くて、
力の入れづらい手で、なんとか、抱き締め返す。
 
「……契約、したからな。
 おまえも、ずっと俺のだろ…?」

とろ、とわらっては、光忠の唇に、口端に唇を押し当てて
其の儘すり、と滑らせて頬にも押し当ててから離れ
問われた言葉を受け、
抱き締める腕の片方を外しては、
未だ腹をみちみちに満たしている其れを皮膚越しに確かめるように
下腹を緩々と撫で回す。

「す、っごく きもち、よかった…♡ 
 でっかい、ちんぽで、されンの クセになり、そ…」

思い出すだけで、胎のナカが甘くきゅう、と締まるような
男の精液も注がれて濡れ切った媚肉が震えるような感覚は
今日はじめて知った快楽のひとつ

蕩けた顔に、また顔を寄せ ちゅ、と下唇を舐めるようにキスをして

「……きもちいの、またシたい」

強請る色で紡いでは、眼を細めてわらった。

広瀬光忠 「うん、僕は藤眞のもの、だよ。」

じゃれ合うようなキスに、くすくすと笑って、
伸ばされた手の先を見ようと僅かに身体を離そう。

「……そう…。
僕なしじゃ、いられなくなっちゃうね。」

クセになる、と言った言葉を証明するように、
切なそうに締め上げる内壁に、
ひくん、と僕の熱塊も震えた。

「僕は一向にかまわないけど」

くすっと笑って、優し気に彼を見つめる。

「でも、もう疲れたんじゃないかな。
こんなの、初めて…だったんだろう?」

甘いけれど、穏やかに囁いて、ゆっくりと彼を撫でる。
目許に、頬に、口に、と、顔中にキスを降らせ、
包む様に彼を抱き締めよう。

長谷部 藤眞 「……ん-……ふふ、… おれの、
 はじめてだ、…俺の、―――……俺だけ、の?」

自分のもの、なんて初めてだと
嬉しくなってふわふわ笑って
…ほろ、と零した其れは単純な連想からの疑問
離された体を見上げて
有得ない形に膨らんだ儘の下腹部を撫ぜてから
するりと甘えた仕草でまた光忠の体に絡め直しにいく

「ん、… そうかもな、
 そうなったら、困るなァ……仕事も出来なく、なる」

フリーランスと言えば聞こえはマシだが
依頼の数が不安定なその日暮らしは、もうひとつ仕事を持たないと
生きていくのも難しい。
困る、と口では紡ぎながら、顔を寄せる儘
すりと懐く甘えた所作を止められずにいる

未だはらのナカを満たす光忠自身が、ひくんと震えるのを感じて
ぞく、と甘い痺れを生むけれど
もう指先を動かすのも正直難しいくらい、へとへとになっていた。

「……んん…
 あちこち痺れてる、みたいな感じがする……」

初めての事が多過ぎて、傷は無くなった筈なのに
甘く怠くて重たい身体がうらめしい
沢山、甘いキスを降らされて、擽たげに音なくわらっては
抱き締める腕に少しだけ身を寄せるようにして
倦怠感と安堵に重たくなった瞼をゆるりと閉じる

広瀬光忠 「そう、君だけの…」

その疑問を搔き消す様に耳元に囁いて、
絡めなおされた身体をしっかりと抱き締めよう。

…仕事。
彼の仕事はよく知っている。
こんなに心を赦し懐いてくれる彼に、
もうこれ以上誰も寄せ付けたくはなかった。
想像をはるかに超える彼の可愛さに、
僕は打ちのめされっぱなしだ。

「…なら…僕と一緒に、
違う仕事をしようか…」

ね?、と優しく声を掛ける。
いまいち僕には合わないな、とも思ったが、
彼の為なら…いくらでも頑張れる気がした。

そんなことを考えているうちに、
彼が微睡に飲まれていく。
身を寄せる彼を守る様に包み込み、
小さく、おやすみ と囁いた。

彼の身体が完全に癒えたら…、
もう一度あの騎士団に行ってみようかな…。
そんなことを考えつつ、彼が寝付くまで優しく頭を撫でていた。