GM
刀剣ブラッドパス 第一話 「幸せな日々」
では始めるぞ。
今回GMを務める山姥切国広だ。
よろしく頼む。
霧長 光忠 よろしくね
長谷部 切重 よろしく頼む。
GM
2人には、軽い自己紹介をしてもらいたい。
名前、年齢、性別、性格あたりがわかればいい。
長谷部から、頼む
長谷部 切重
では、俺から。
長谷部切重(ハセベ キリエ)
22歳 男
異端改宗室で武装改宗官を務めている。
職務に忠実、主への奉仕活動へ勤しむ敬虔な神父だ。
物事に執着心が薄く、最低限のもので済ませる傾向があるかもしらん。
性格については動く前だからな、多少変わるかもしらんがこんなところか。
GM
ありがとう。長谷部。
次、光忠、頼む。
霧長 光忠
霧長 光忠(キリナガ ミツタダ)
年は21歳の男だよ。性格は明るくて前向きで世話焼きで、いつもの僕みたいな感じ。
孤児院をやっているから、長男気質が激しくて、甘えるたりするのは慣れてなくて苦手かな。よろしくね。
GM
ありがとう。
光忠。
では、二人とも、カードを3枚ずつ山札から引いて、手札に加えてくれ。
長谷部 切重 承知した。
霧長 光忠 長谷部くんジョーカーすごくない?
長谷部 切重
序盤から来るとはなあ
正直持て余すぞこれ
GM
長谷部、今日の引きはトントンか。
光忠は…人の心が残っている手札だな。
確か夜叉だったな?
霧長 光忠
うん、そうだよ
ぴちぴちのなり立てだよ
GM
今日は、シナリオが変則的とのことだった。
光忠のシーンから、マスターシーンとして始まる。
留意してほしいのは、まだ、お前たちは血盟を組んでいない。
霧長 光忠 了解したよ
長谷部 切重 承知した。
GM
このシナリオ内で、血盟を組んでもらうことになる。
シナリオの目安時間は6時間くらい。RPによってはさらに長くなるだろう。
シナリオトレーラーを提示する。
霧長 光忠 うん…わかった
GM
次いでハンドアウトだ。
舞台は東京UTMをセットして使う。
長谷部 切重 東京・アンダー・ザ・ムーンだったか
霧長 光忠 えっなにそれエモい
長谷部 切重 略してUTMだ、確か
GM ブラッドパスの基本ステージセットだな。
霧長 光忠 ちゃんと読んでみよう、ありがとう
GM
年代は2020年前半、俺たちより、200年弱ほど前の時代だな。
東京は、比較的吸血鬼が暮らしやすい場所らしい。
最初はマスターシーン
シーン登場プレイヤーは光忠。
霧長 光忠 はい
GM
場所は東京郊外、八王子にある霧長孤児院。
オレンジ色の太陽の光が窓から差し込む台所で夕食の材料をそろえる為に、冷蔵庫や食糧庫の確認をしている。ふと時計を見るとそろそろ夕方のセールの時間だ。
今日の子供たちは、なんだか一日そわそわとしているようだった。
竜伽もどことなく落ち着かないような感じで子供たちと話している。
今日は、僕の誕生日だったな、と思い少しだけ嬉しさがこみあげてくる。毎年子供たちは僕の誕生日を祝ってくれるんだ。手作りのプレゼントは形がいびつだったり、大きすぎたりするんだけど、それも可愛くてうれしい。
「みつにいちゃん!仕事終わったのか?」
霧長 光忠
かっわいいなぁ
「今から買い物に行かないと。今日はお肉が安いから、唐揚げだよ」
頭を撫でながら優しく声をかけるよ
GM
「からあげ!やった、俺唐揚げ好きなんだ!」
頭を撫でられて嬉しそうにはにかむ、国俊。
ぬ、っと頭を差し出して剣が笑う。
「ぼくのあたまも、なでてください!みつにいさん!」
「きょうはぼく、おにわのはきそうじをしたんですよ!」
霧長 光忠 「偉いね!自分からお手伝いしたの?」なでこなでこ
GM
「はい!りゅかにいさんが、おにわのはきそうじをしていたので、てつだったんですよ!」
撫でられると、とてもうれしそうにして、手が離れるとぴょん、と跳んではしゃぐ。
扉の方からは彪五が、おず、と顔を出して光忠の方をちらちらと見つめているぞ。
霧長 光忠
かわ
「剣はお利巧さんだね。また手伝ってくれると僕ももっと嬉しくなるよ。
彪五?どうしたの?」
GM
「まかせてください!」
トン、と胸を張りこぶしで一つ叩いた剣は得意げにしている。
「あ・・・あの、みつにい、さん。これから、お買い物ですか?」
霧長 光忠 「うん、そうだよ」
GM
「あ、あの。ぼく、植物の図鑑が欲しいんです、あの…、買ってきて…貰えませんか?」
ちょっと、照れくさそうに、最近発売されたばかりの図鑑が欲しい、とおねだりする。
普段あまり物をねだることのない彪五にしては珍しい。
図鑑は、ちょっと遠くの本屋にならば売っているだろう。
霧長 光忠
突然のおねだりに少し驚くけれど、ふわっと笑って近寄るよ
「そっか、彪五はいつも頑張り屋さんだもんね。いいよ買ってきてあげる。その代わり、今日のご飯を作る手伝いをお願いしてもいいかな?」といって頭を優しくなでる
GM
頭を撫でられて、おねだりを聞いてもらって、嬉しそうにはにかむ。
「はい、ありがとうございます。僕、ご飯作るお手伝い、頑張ります!」
霧長 光忠
「ふふ、じゃ急いで買ってこないとね!」
よしっと立ち上がる
GM
立ち上がったところで、扉の方にまた人影が立つ。
「光忠。そろそろ買い物に行かなくてもいいのか?」
竜伽が、なかなか出てこない光忠を案じて声をかけて来るぞ。
「あ、そうだよ、みつにい!はやくいかねーとタイムセール?終っちまうぞ!」
国俊もせかすな。
霧長 光忠
「ああ!そうだった!あのお店すごい混むからね、急がないと。ありがとうみんな、行ってくるね!」
ノシノシ
GM
いってらっしゃーい、と子供たちは笑顔で見送る。その中には、普段はぶっきらぼうに見送りなんて最近はしていなかった竜伽の姿もある。
そうして光忠は買い物へと出かける。
霧長 光忠
「竜伽と話したの…久しぶりだったな。機嫌がいいのかな?帰ったら話してくれるかな」
すこし嬉しくなりながら、みんなの笑顔を思い出して向かおうかな
GM
彪五へのお土産の約束もした。竜伽とも久しぶりに話せた。今日の晩御飯も、ちょっと豪華なものにしようかな、と考えながら空を見上げれば太陽が、赫く眩しく輝いている。良い、誕生日になりそうだ。
マスターシーン終了だ。
お疲れ様、光忠。
霧長 光忠 お疲れ様!もうしんどいよ!!!
GM
今回は通常の日常パートをすべてマスターシーンにしてある。
もう暫く、子供たちの笑顔を浮かべて、待っていてくれ。
次は長谷部のマスターシーンだ。
長谷部 切重
哀れな…
…ああ、俺の番だな。
GM
長谷部は施設内にある道場で、真剣を持ち素振りを行っている。
90回ほど振りぬき、あと10回素振りをしたら、今日は巻き藁を10体切って、午前の鍛錬は終了だ。
毎日、朝早くから走り込みをして、剣の鍛錬を怠らないことは、心身を強く鍛え己の人生を豊かにするものだと敬愛する父たる神父は仰っていた。
鍛錬場には数人、同じように鍛錬している者たちもいる。長谷部は15歳くらいだ。
長谷部 切重
最初は我武者羅に振るっていただけの剣も、今では己の意図した動きに随分と沿う様になった。
表皮が固くなった手を握りしめ、開いて頷く。
祈りを捧げ、奉仕活動へ勤しみ
剣の腕を鍛えることが、己の務めだ。
滴る汗を手の甲で拭い、一息つく。
「……強く、なりたいな。主のために。」
GM
一息ついたところで、同輩がタオルを持って差し出してくる。
「お疲れ、キリエ。今日も鍛錬、頑張るなあ」
長谷部 切重
「ああ、……と、有難う。お前も、鍛錬だったんだろう?お疲れ様。」
乾いた風が汗に心地よい。タオルを受け取って、目を細めて礼を言う。
GM
「まあな。でも俺はほら。そこそこやればいいからさ」
根詰めすぎると体によくねーし、とカラッと笑う同輩。
「キリエも、あんま無理してっと、倒れちまうぞ。今朝はこれで終いか?」
長谷部 切重
「こら、怠慢だぞ。目安と言えども、手を抜いていては鍛錬にならないだろう」
「俺はあと巻藁10体で一区切りだ。今日こそ連続斬りの本数を更新出来れば良いんだが」
そこそこ、とわらう同輩に眦を吊り上げてみせるが、手抜きではない事も知っているだろうからな。直ぐに表情は緩む。
今は腰へ戻している刀の柄へ触れ、大丈夫だ、と案じる声にわらってみせる。
動いているのは好きだ。一心に祈る心地と似ている気がするから。
只管に剣の腕を磨くのも好きだ。切っ先を研ぎ澄ませた刀になれる。
GM
「まだ、やるのか…まあ、そこがキリエらしいな」
キリエの笑う顔が好きだ。キリエの実直さも、素直さも知っている。だから、
「そうだ。終わったら、礼拝堂に行けよ?神父サマがお呼びだぞ」
笑って要件を伝える。
長谷部 切重
「神父様が?――そうか、では早々に片付けてから向かうとお伝えしてくれ。」
汗を拭うのもそこそこに、タオルを片付けて鍛錬へ戻る。
集中して行えば然程の時間はかからないかもしれないが、お待たせして仕舞うのは申し訳ない。同輩へ伝言を頼んでから鍛錬へ戻って行くだろう。
GM
「おう、まかせとけ」
同輩はキリエの片すタオルを取って笑顔で去っていく。
その後巻き藁10本をいつも以上の集中力で切り伏せ、汗をぬぐうと、正装に着替えて礼拝堂へと向かう。
ステンドグラスの光がきらきらと降り注ぐ礼拝堂のなかで、父と慕うこの教会の神父は真面目な顔をして、一人の教徒と向き合っている。
長谷部 切重
見慣れた礼拝堂の扉は、迎え入れるように開かれていた。
邪魔とならぬよう、遣り取りへ被せぬ様にそっと声を掛ける。
「お待たせして申し訳ありません。長谷部切重、参りました。」
GM
声をかけられれば神父と、男はキリエの方へ向く。
「ああ、キリエ、来たかね。紹介しよう。―――さんだ。今日からお前がお世話になる方だ。あいさつしなさい」
手で、キリエに対し男の方を示してから、男の名を告げると、神父は男にも向き直り、
「こちらが、お話ししていた、キリエ・ハセベです」
と紹介された。
長谷部 切重
神父の言葉が咄嗟に理解できず、はつ、と瞬きが挟まるも
理解が追いつくよりも前に紹介され静かに頭を下げる。
「……長谷部切重と申します。」
鍛錬の師が変わるのだろうか、などと呑気な頭で挨拶を述べた。
GM
「よろしく、長谷部切重。では、ついてこい」
あいさつをかわすと、男は神父に礼を捧げて長谷部に背を向ける。
神父の方を見てもにこやかに頷いているだけだ。
「荷物などは持たなくても良い。すべて用意してある。お前は身一つで来れば良い――…何をしている?ついてきなさい」
しばし、固まったように動かないキリエに男はせかすように言葉をかける。
長谷部 切重
何処へと問う言葉は、神父の顔を見て咽喉で留まった。
用意された場所へ
この身一つ。
――――嗚呼。
「……承知、いたしました。」
引き留める言葉など、あろう筈もない。
全てが予定通りで進んでいると悟るには十分だった。
改めて頭一つを下げ、男の後を追うように歩き始めた。
GM
連れていかれた先は、予想通り、聖字教会の小さな礼拝室。そこで初めて、盲目のシスターと対面した。
―――この日から、キリエの人生は変わった。
ジリリリ、という目覚ましが、起床時間を告げる。ずいぶんと懐かしい夢を見ていたような気がする。
今日もまた、いつもと変わらない一日が始まる。
マスターシーンの終了だ。
長谷部、お疲れ様。
長谷部 切重 ああ。
GM ここから、ちょっと休憩をはさんで次のシーンに行きたいがいいか?
霧長 光忠 構わないよ
長谷部 切重
休憩は問題ない。
俺も、…珈琲でも淹れるか。
GM
ありがとう。
その前に、手札を回そう。一枚捨てて、一枚山札から引ける。
長谷部 切重 さして変わらんかったな。
霧長 光忠 うわ…赤を捨てたい衝動がすごいんだけど、どうしよう
長谷部 切重 お前は、吸血鬼だろうが!
GM 数字が強くなったな。
霧長 光忠 絵札だしもったいないのはわかるんだけど!!!
GM 光忠はおとなしく5を捨てればいいと思うぞ
長谷部 切重 スペードの5を捨てろ5を。
GM 人間でいたい、わかる。
長谷部 切重 なんだこれ。
霧長 光忠
ふええ
しんどいよぉ!
GM まだ、光忠は人間だからな。
霧長 光忠 僕には薄く吸血鬼の血が混じってるからね…
GM
そうだったな。祖父に交じっているのだったか。
…夜叉になる素質が十分にあったのか。
霧長 光忠
黒よりはるかに赤が高いの……
しんどい
長谷部 切重 ジョーカーの札色的に俺の方が吸血鬼味あるな
霧長 光忠 確かにそうだね
GM 目覚めかけている感じがする<赤の数字が高い
霧長 光忠 ジョーカーなんて似合いすぎだよ
長谷部 切重 ハハッ
GM
では、休憩に入ろう。
13:00再開を目処に戻って来よう
長谷部 切重 ああ、ではまた。
霧長 光忠 うん、それじゃぁね
GM
時間を少し過ぎてしまったな。
待たせた。再開しようか
長谷部 切重 食事も休息もとれた。改めて宜しく。
霧長 光忠 よろしくね。
GM
マスターシーンが終了して、いよいよ導入に入る。
シーンプレイヤーはふたり、だが。
まずは光忠から。長谷部は指示を送ったら入ってきてくれ。
長谷部 切重 ああ
霧長 光忠 うん、わかった
GM さて、光忠。
霧長 光忠 は、はい…
GM
光忠が買い物から帰ったとき、そこにあったのは子供たちの明るい笑顔でも、竜伽のはにかんだような照れたような笑みでもない。
ただ、あるのはそこにあるのは、一面のおびただしいほどの、紅と赤――。土産を待っていると笑っていた彪五の姿も無残に裂かれ、腸がでろり、と出ている。その顔は怯えと恐怖に固まっていた。
耳に聞こえるのは子供たちのはしゃいだ声でも、竜伽の静かな温かい声でもない。助けを求める声も、逃げ惑う声も耳の奥に聞こえる気がするのに、そんな声よりも何かをしゃぶる様な、じゅぷじゅぷとした厭な音が鼓膜をくすぐる。目の前の「ナニカ」が子供の首に口付けていた。啜っていた。
目の前の光景に、何が起きているのか、理解できない―――。したくは、ない。
霧長 光忠
飛び込んできた光景に絶句する。ただ茫然と立ち尽くす僕の瞳に、目は正確に情報を伝える。ひゅうひゅうと息が浅くなる。声が出ない。瞳が足が身体が震える。恐怖と絶望がこみ上げてくる。
耳に嫌でも入って来る酷く耳障りで悍ましい音に僕の脳みそが真っ白になる。
「ぅ、あ…、なん で」
がちがちと歯が合わさる口からそんな言葉が零れ落ちた。
GM
がちがちと歯が合わさる口から絞り出したその声に、どさりと落とした買い物袋のその音に、気が付いたのか、何かをむさぼっていた「ナニカ」がこちらに目を向けた。
「目」をむけたのだ。赤い、紅い目を。ニタリと愉悦に歪んだ血に染まるその口を見てしまったのだ。
目が合った、と思った時には、ふつり、と意識は途切れていた。
気が付けばあたりはとっぷりと陽が落ちている。照らしているのは、満月と、街灯。なにかが頬にあたり、撫でている。夕方のあれは、夢だったのかもしれない。目が覚めれば、誕生日を祝う子供たちの笑顔が、目の前にあるのかもしれない。そう思って、目をうっすらと開ける。
ゆっくりとあたりを見渡せば朱殷(しゅあん)に染まったその中に無造作に投げられるように重なった子供たちの骸。恐怖に引き攣れ、驚愕に目を見開いた子供たちの、貌。頬を撫でていたのは、深く暗い赤に染まった服だった、もの。
最愛の弟も、その中に、いた。逃げた子供を庇ったんだろう。背中はずたずたに引き裂かれていた。/
霧長 光忠
見た見てしまった。夢であれと思ったものが目の前にある。あるだけではない感じる。五感全てがそれが事実だと脳髄に直接叩き込む。
「あ"あ"ああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
これは僕の声か、獣のような声が出た。
「なんで!どうして!!国俊、剣、彪五…竜伽…!!!!」
ひとりひとりに縋りつくように、確かめる。息があるかもしれない、その身体はまだ暖かいかもしれない。
揺さぶり、目開けて返事をしてと抱き起す。だがそれに答えるものはない。
「ごめん…ごめん!みんな!!」
その先は言えなかった。
守れなくてごめん、僕だけ生き残っていてごめん、同じ苦しみを味合わなくてごめん。
「…殺す、殺してやるあの化け物許せない許せない許せないぃ!!!」
目の前が真っ赤になる。血管でも切れたか、そんなことどうでもいい。僕がどうなろうと、あいつだけは許せない。
顔を覆う手に力がこもる。食い込むほど力を入れると、皮膚を突き破る感覚がした。
苦しい、息が苦しい。何かを欲して荒い呼吸を繰り返し、めまいがする頭を覚醒させようとする。動かないと、誰かに知らせないと。あいつを殺さないと。
………鼻が おかしい、生臭いく鉄くさい…部屋に充満するそれは、不快な匂いのはずなのに、とても……。
気が付けば、竜伽の血だまりに口を付けようとしていた。
「!?!?!?!?!?!?」
思いっきりのけぞり、尻もちをつけそこには子どもたちの遺体。ぬるりとした固まりかけた血の感触。
沸き立つ頭に浮かんだのは、子どもたちの首から血をすするあの化け物。
内から湧き上がる何かも合わさって、狂ってしまいそうだった。
「あ…あ…うあ…ぁああああああああっ!!!!!」
そうだ、あの後僕は化け物に食われた。腹を切り裂かれ、眼をつぶされて、首に噛み付かれた。
死んだ…はずだ、僕は。なぜ、今、ここで、息をしてい る ?
目の前が真っ暗になる。身体が震えて、崩れ落ちた。
『ここ』から逃げたい、もう見たくない、感じたくない。気付きたくない。
目を閉じて、首を掻きむしる、頭を床に打ち付ける。
「あ"ぁ!!うあぁあ!!!ぁがああああ!!!!!!」
死にたい、死んでしまいたい。誰か誰かだれかだれか、僕を殺して。
GM
おぞましい、「ナニカ」になってしまったのだと、同じくしてしまったのだと。気付きたくはなかった。
呆然と、自傷行為を繰り返しているそこに、かつり、と硬質な音を立てて誰かがやってくる。
男は、月明かりを背にして、光忠に向き合った。
長谷部、登場していいぞ。
長谷部 切重
業血鬼の築いた屍の山には、吸血鬼が蘇る事がある―――
シスターの命を受け、俺は一人孤児院へ訪れていた。
噎せ返る程の鉄錆、何処も彼処も赤く染め上げられた凄惨な地
生存者など一人とて期待できぬその地へ月明りを背に立つ。
「……派手に食い散らかしてくれたものだ。」
獣の如き咆哮も嘆きの声も耳にすっかりと馴染んで仕舞った。
然した感慨も浮かばぬ儘、現場を見渡してから緩慢に歩みを進める
カツ、と靴音が響いては消え来訪を報せただろうに
蹲った儘悶え苦しむ影を見据え、愛刀の柄に手を掛ける。
「――――”蘇り”は貴様だけか?」
霧長 光忠
鋭くなった耳にかつりという音ははっきり聞こえた。頭を打ち付けるのをやめて、音のする方を虚ろに見やる。
掻きむしっていた手をだらりと垂らす。
ああ
「僕を殺してくれるの?」
長谷部 切重
明かり取りの高窓から射し込む月灯に照らされた男の顔を見下ろし、薄く息を飲んだ。
その儘、唇を薄く歪ませる。―――嗚呼。
「死にたいのか?―――折角蘇ったのだろう。」
霧長 光忠
刀に手をかけた音を僕は聞き取るだろう。
その音を聞いて、救われたような無垢な笑顔を浮かべる。紅くなった瞳からは涙が流れた。
「死にたい」
長谷部 切重
乾涸びた様な呼気が漏れた。
この かつえた感覚は何だろうか。
乾いたわらいへとすり替えて、一つ零す。
「死に損なって、死にたいのか。哀れな奴だ」
ゆっくりと身を屈め、
「哀れなお前に選択肢をやろう。
―――誰彼と構わず襲う鬼と化すか、
俺と契約をして、其の力を振るうか。」
そうだ
これは全て主の為。
「仇を、討ちたくはないか?」
「苦しめ殺された大事な者たちの無念を晴らす気は無いか」
緩慢な程の調子で言葉を連ね、柔い笑みを敷く
白手袋に覆われた手を差し伸べる。
「俺と一緒に来い。―――俺が、お前をすくってやろう」
とびきりの甘い声を乗せた。
霧長 光忠
ころしてくれない
霞む頭にその事実だけが入って来る。絶望に顔を歪めて声をかけてきた男を見る。
「すくう…?」
鬼、契約、『誰彼と構わず襲う鬼と化す』、其の力?
仇をうちたくないか
何もわからない頭にその言葉だけが残る。
「僕は何が出来るの、こんな僕に」
長谷部 切重
夥しい朱に塗れた床
未だ凝固に至らぬ滴りは、屹度今の此奴にとって
酷くおぞましい程馨しい誘惑となって蝕んでいるだろう。
「お前に、力を与えてやろう。
お前に、生きる意義をくれてやろう。
お前は主のため、俺と組んで業血鬼どもを浄化すれば良い」
迷える子羊へ説く時にすら、此処まで柔い音は出さない。
俺の仕事は、導きではない。
ひそめた声が 月明りの中で、やけに響く
「かつての仲間を喰らいたくは、ないだろう?」
霧長 光忠
最後の言葉に身を震えさせて、自分で自分を抱きしめる。先ほどの悍ましい自分の思考が頭をかき乱して、ふつふつとあの感覚が襲ってくる。
甘く甘美なあの香りと味を、僕は…
「…っぼくは!!!!あいつとは違う!ちがう!!!」
頭を振りかぶり、目の前の男を睨みつける。そうしていないと、自分を保つことが出来なさそうだったから。
長谷部 切重
未だ自我を強固に持てている様子を意外な思いで見返す。
差し伸べた手をひらと振って
「違わないさ。」
「貴様は、もうヒトではない。
記憶は失せていようが、既に其の身は死んだんだ。」
「あいつ、とやらと直ぐにに同じになる。――少なくとも、今の儘ではな」
屈めていた身を起こして緩く息をつく
柔さを意識して敷いていた笑みを歪ませた。
「今のお前へ赦されているのは、俺と共に来るか、
この儘、此処で身も心も鬼になるか だ。」
霧長 光忠
立ち上がる男を目で追う。
睨みつけた目が絶望に変わるのはすぐだった。
『あいつと直ぐに同じになる』
嫌だ嫌だ嫌だ、いやだそれだけは
恐怖と絶望で動かない身体を引きずって、這うように男に縋りつく。
「それだけは…嫌だ。お願い僕を殺して!!」
長谷部 切重
踵を返しかけた己の身へ縋り付く姿を視界端へ捉え
笑みへ歪みかける顔を取り繕うのに寸時、労を要した。
振り返り、冷えた目で男を見下ろす
「……与えてやった選択を何度も教えてやる程、俺は優しくないんでな」
霧長 光忠
彼の拒絶の言葉に涙があふれる。
なんで、どうして、僕は生きていないといけないの。死にたい、もう逃げたい……。
でもこれを受け入れなければ、僕はあいつと同じになるとどこかで気づいていた。そしてもうその衝動に耐えられそうにない現実も。
「わかりました。僕を…連れて行って…ください……お願い、しますっ」
嗚咽しながら涙でぐしゃぐしゃな顔を彼に向けた
長谷部 切重
冷えた目、何も乗せぬ表情の裏で
心は歓喜に震えていた。
ぐしゃぐしゃになりながら縋り付く男に向き直り
先程よりも近しく、身を屈める
「そう、――――良い子だな」
柔く蕩ける様な笑みと
泣き濡れた頬へ触れに行く手
「餓えて渇いて、苦しいだろう」
「可哀想に。
可哀想に。」
「お前を、俺のものにしよう。」
「もう、誰彼の血を吸わなくとも済むように、してやろう」
頬を撫で、髪を慈しむ様に撫で
できるな、と問わうよりも確認の響きで向ける。
霧長 光忠
突然の彼の変貌に戸惑い、瞳が揺れる。反射で後ろに引こうとした頭を、頬に手を当てられて止められた。
飢える。渇く。苦しい。血、血血血血血血
彼の甘く優しい声色に乗せられて入って来る単語が、僕の脳みそをぐらぐら揺さぶる。
「くる、しい…たすけて…」
こんな言葉が出るのを僕は止められなかった
長谷部 切重
「ああ、……助けてやろうな。」
何からとは明言せぬ儘、触れぬ方の手で懐から小刀を取り出す。
縄を切ったりする用途の殺傷能力に乏し過ぎる獲物が、丁度良い。
こんな玩具では殺されない事も、十分に伝わるだろう。
男の片手を、そうっと掬い上げるかの仕草で取る。
霧長 光忠
小刀を見ただけで、それを使って肌を傷をつける想像が頭に浮かんで、反吐が出る自分と恍惚を覚える自分がいることに気付いてしまう。
掬いあげられた自分の手を、そんな感情が入り混じった瞳で見つめる
長谷部 切重
了承を得ぬ儘、男の掌へ 小刀で浅く傷を付ける
そうして、己の頬にも壱文字に刃を滑らせ赤を溢れさせた
赤がしたたり落ちて仕舞うよりも前に、互いの傷が重なるよう
男の掌を己の頬へと宛がわせる。
「今から唱える聖句を繰り返せ。
お前の力を、俺に流すイメージで唱えろ。」
霧長 光忠
彼の肌が傷つくのを見て、ああ!っと感嘆の声を上げそうになったのを必死に抑えた。
「っわかりました」
長谷部 切重
視線を、赤い瞳へと据えて見詰めた。
一度細めてから、そっと伏せる。
【紅き血は死銭の銀貨】
【縁を糾う金の糸】
【我は星を弑す者】
【汝は人を殺す者】
――嗚呼。
己が、この誓詞を唱える日が来ようとは!
霧長 光忠
至近距離で見た彼の瞳は、竜伽と同じ色だった。
目が細められて、すぐ伏せられてよかった。そうじゃなかったらこの手を振り払っていたかもしれないから。
【紅き血は死銭の銀貨】
【縁を糾う金の糸】
【我は星を弑す者】
【汝は人を殺す者】
暗記した単語を口にするように、無感情な声で紡ぐ。
長谷部 切重
【死が二人を分かつまで、刃となり、盾となり、楔となり、七天を滅さん】
死が、分かつ迄。
……嗚呼、嗚呼、これで、此奴は。
―――【血の軛こそ、我らが宿命】
最後の誓詞を唱えながら、片手でカソックの襟を寛げる。
スタンドカラーのボタンを幾つか外し、布地を掴み横へ引けば
首筋が露わとなる。
「……御出で」
手を伸ばし、頭蓋へ添え
迎え入れの言葉と共に抱き締める意図で身を引き寄せる。
霧長 光忠
【死が二人を分かつまで、刃となり、盾となり、楔となり、七天を滅さん】
【血の軛こそ、我らが宿命】
言い終えた後に彼が取った行動を戸惑いの表情で見つめるが、その首筋を見てあの恐怖がよみがえる。
はあはあと呼吸が荒くなるのは、恐怖か憎悪かはたまた欲望か
固まっていた僕の頭を彼が引き寄せた。
目の前に、あの首筋がある。歯を立てればすぐにこの飢えが落ち着くことを僕は知っていた。その事実に愕然とした。
唇を引き縛り、歯を食いしばって耐える。
「……ふぅっ…!」
長谷部 切重
「餓えて、渇いているだろう」
あえかな理性を手放さぬ様子に、そっと囁きを落とす。
血契を交わす際に傷付けた頬からは、未だに赤が滴り落ちて
男の鼻腔に惑香を届かせているだろう。
「……俺は、お前を赦してやる。」
「此からお前は、誰彼ではなく
―――俺からしか、飲めなくなるんだよ」
霧長 光忠
わずかな理性を甘い言葉が引き千切っていく。
あの甘い香りが漂う中、彼は信じられない言葉を囁いた。
(僕の為になんでそこまで)
言葉にしたかったが口を開けたら噛み付いてしまう。必死に食いしばって、代わりに涙があふれだした。がくがくと顎が震え、嗚咽が出てしまう。
「…ぅっう……ふ、ぅう…!」
長谷部 切重
過分な誘惑は、逆効果だと
昂揚する頭蓋の中の己の何かが冷えた声で漏らす。
『これじゃあまるで
まるで悪魔の所業だ。』
肩口へ埋めさせるように抱き締めた男へ
首を巡らせるよな僅かな動きで顔を向ける。
すれば、頬の血が食い縛る彼の唇を濡らすだろうと、知っての上で。
霧長 光忠
必死に耐えていると彼が動いた。あの香りが強くなる。欲望に染まった目を開けるとあの赤い血が、自分が欲してやまないものが目の前にあった。
「……あ」口が開いてしまった
長谷部 切重
思惑、通り。
男が口を開いた其の瞬間、
顔を元位置へ戻し、首筋へと其の歯牙を半ば以上無理矢理に埋め込ませる意図で以て、慈しむよう頭蓋へ添えていた掌へ力を籠める。
霧長 光忠
視界が揺れる。
気が付いたときには、鋭くなっていた僕の歯が彼の柔らかな首筋に入っていた。
口の中に広がった甘い耽美な味。もうそれは僕のなにもかもを消し去るのに十分だった。
小さな傷口に乱暴に舌を這わせ、唇できつく吸い、次の雫を欲する。
よだれがだらだらと垂れるのも気にならないほど夢中になっていた。
足りない、もっと、もっともっともっと!!!
自分から口を開き新たな傷口を作りに行く。
ああこの血管だ、狙いを定めてもっと快感に溺れることが出来る場所に牙を突き立てた。
溢れてくる大量のその味に僕は必死にしゃぶりつく。自分の飢えが満たされていく快感と、もっと欲しいという欲望が支配する身体は夢中でそれを吸い続けた。
長谷部 切重
ソレは、想像していた以上に苛烈で甘美な感覚だった。
埋め込ませた歯牙が喰らい付く激しさで肉に埋まる。
予想していた激痛は齎されずに、甘やかな程の痺れが全身へ回るようで
「……ぅ、ッあ 」
己の中の何かが奪われて
奪われて喰らわれてなのに満たされてもゆく
酒を飲んだ時よりも強い酩酊感
男の口が離れたと同時に安堵の息を逃し―――
「っ、ぁア゛……ッッ」
終わったと思った途端の、先よりも強い歯牙の埋め込みに躰が跳ねた。
同時に、如何仕様も無い愉悦に心が震える。
嗚呼
嗚呼、嗚呼
これで、此奴は 俺の物だ
俺の血だけで、生きてゆかねばならない
その事実を実感するには十分で
無我夢中に己の血を啜り喰らう男の背を、力の入らぬ指先で必死に掴む。
霧長 光忠
その血が噴き出る傷を唇で優しく覆い、入って来る甘い蜜を口の中で転がすように舌を回す。
美味しい…おいしい……
そんな甘美で罪な味をむさぼっていると、次第と自分の意識が覚醒してくる。
覚醒した頭でとらえた光景に目を見開いた。
「!!?!?!?」
首筋と血、それを認識して口を離し、頭をはがそうとする。
長谷部 切重
頭蓋へと添えていた手はいつしか力なく落ち、どちらの手も男の背を握り込むのが精々となっていた。
熱い粘膜が、舌の軟体が膚を滑る都度、引き攣れた様な呼気が漏れる。
甘い痺れに脳髄迄侵されそうで眉根を寄せる。指先が冷え始める。
目が眩む。生理的な涙で視界が滲む。
「……ッは……、 」
終わりは唐突に訪れる。
口を剥がされ、男の唾液で固まりかけた傷口は其れでも
未だ尚とろりとした赤を漏らし続けるだろう。
力の入り難い唇を震わせて、息を緩く逃し
「――――終わっ、たの、か……?」
余韻の様な痺れに、足が崩れそうで、背中の布地を解放出来ぬ儘
男の視界へ映る己の顔は随分と呆けているものだっただろう。
霧長 光忠
僕には彼が突然襲われて、呆然としていると見えただろう。
「ごめんなさいごめんなさい!!!
ああ、どうすれば!て、手当しなきゃ…!」
口を離してもなお流れる、その欲望を掻き立てる甘い赤い筋を隠すように、片手の服の袖で押さえる。
長谷部 切重
「ッはは、……莫迦、喰い過ぎだ」
血気の交換とは言えども、物理的に少々失い過ぎている。
手当、と狼狽の声を上げる様子に、思わずわらいを零すも
「……止めろ、汚れる」
構わずに服の袖で押さえようとする動きを、
緩慢ながら止めようと手で払い落そうとする。
「お前しか、塞げない。」
「気を、流し込むように…傷口を舐めてみろ、
俺も詳しくはないが、……おそらく、それで塞がる、筈だ」
霧長 光忠
「僕が……?」
嫌でも自分の存在がどんなモノなのか知らしめられた。こんなに傷をつけてまで僕に気を遣ってくれた彼の言葉を信じて、ゆっくりその傷口に唇を付ける。
首筋に顔を寄せることにとても嫌悪感を抱くが、そんなことを気にしている場合ではない。
今度は歯が当たらないように、大きめに口を開き、舌を傷口に添わせる。甘い欲望を掻き立てる味が広がる。舐め続けたいという反射をぐっと抑えて、震える舌を留めて、彼の言ったとおりに気を流し込む。
長谷部 切重
「…、ンッ……」
身構えてはいたが、過敏になっている傷口へ
熱を帯びる軟体が触れ思わず身を竦めそうになる。
傷口から、己の血を介して気が送り込まれる不可思議な感覚に
口を押え耐えている内に、傷口は塞がり、歯牙の痕跡など全て消えてゆくだろう。
霧長 光忠
ぴくりと震えた彼の身体が苦痛の為だろうかと心配になるが、それと同時に舌の感覚が傷が塞がっていくのを感じる。
ぴったりと閉じたのを感じ取ると、そっと口を離す。
「ごめんなさい、痛かったですよね…」
長谷部 切重
口を塞ぐ儘、首を横に振りかけて、口許から掌を外す。
「――痛くは、ない。 ……変な感じだ。」
気遣わし気な声に否定をするが、だからといって感覚を説明しきる事も出来ずに薄く眉根を寄せる。
「……腹が満ちたなら、行くぞ。肩を貸せ。」
貧血に陥っている己とは異なり、
力も血気も何もかもが満ちているだろう相手の手を、肩を借りるくらいは
屹度許されるだろう。戸惑う声が返ってくるなら、責任を取れと全てを棚に上げてわらう心算で手を伸ばした。
霧長 光忠
「……!
はい、ごめんなさい…僕のせいで」
眉根を寄せるその顔を見て、罪悪感に襲われる。
認めたくないが彼をこんな風にしてしまったのが他でもない僕なのだから。
肩を貸せと言われて、とっさに肩を腕の下に入れて支える。しっかりと腕を背中に回して、脇腹を掴む。
あれ、僕こんなに力持ちだっけ…
やせ形で、力仕事が苦手だった僕には初めて感じた力だった。
GM
長谷部に肩を貸し、長谷部に言われるがままにたどり着いたのは教会だった。
執務室の一室に血盟を組んだ報告をするために二人は並んで立っている。
「血盟を結んだので、俺がこいつを専任で監視します」そう告げる長谷部の言葉を光忠は戸惑いながらも黙って聞いている。
上司であろう男は「承知した」と淡々とした声で告げ、今の住居では不便だろうから、と用意された新居は2LDKのマンションの一室だった。
着替えも、家具や家電も、食器も、必要最低限の備品の備え付けられたその部屋で二人は一夜を過ごすことになる。
翌朝、長谷部の電話にシスター・ウェンディから着信が入る。曰く、光忠を連れて、礼拝堂へ赴け、とのことだった。
長谷部 切重 承知した。俺は身一つで異動する事に慣れているからな、特に何も持たずに居を移すだろう。
霧長 光忠 僕は…何も持ってくれる状況じゃないし、罪悪感と戸惑いで部屋にこもってるかな
長谷部 切重
吸血鬼の扱いについてや諸々は説明がなされているだろうから、俺から光忠へ説くことは特になさそうだな。
そして俺等まだ名乗り合ってすらいないんだが。
霧長 光忠
そういやそうだったね
刻印とかも
GM 教会で、一方的に長谷部の名前は光忠の知るところになりそうだな。
霧長 光忠 長谷部 という名前だけかぁ
GM あ、いや…登録するのに、名前が必要じゃないか?その時に名乗ったか?
霧長 光忠 名乗ってないよ!w
長谷部 切重
書類が必要になるだろうからな、署名はさせたんじゃないか。
知らんが。
GM じゃあ、必要な書類はマンションの一室で、長谷部が書くということでもらってきたのかもな>名乗ってない。
長谷部 切重 だろうな。
GM 今から名乗り合うか
長谷部 切重
「お前、……ん、そういえばお前、名は何と言うんだ。」
書類書きながら尋ねるやつだな
霧長 光忠 「…霧長 光忠、です」
長谷部 切重
「そうか。」
書類に記入し、己の名も書き添えてから書類を見せて
「長谷部切重だ。」と名乗ろう
霧長 光忠
「キリエ?」
日本語らしくないその発音をする名前に、弟の名前を思い出して、少し顔を歪める。
「長谷部さん、とお呼びしてもいいでしょうか…?」
長谷部 切重
「キリエ。――”主よ”という意味だ。」
「どうとでも好きに呼べ。俺という個体を識別できるものなら何でも良い。」
霧長 光忠 「ありがとうございます」
長谷部 切重
其々の部屋に寝台もあるだろう。
一晩明けての呼び出しには応じる。
もう呼び出されているんだったな、言わば回想か。
霧長 光忠 長谷部くんがいくなら僕も付いていくよ
長谷部 切重 では揃って礼拝堂へ行く。
GM ああ。二人は荘厳な大聖堂とは別にある、小さな礼拝堂へと来ていた。中ではシスター・ウェンディが跪き祈りを捧げている。彼女は振り返ると、包帯に覆われた両目で、お前たちを見据えにっこりとほほ笑んだ。
シスター・ウェンディ 「兄弟(ブラザー)を迎え入れたのですね。切重」
長谷部 切重
声を聴いた俺は、静かにこうべを垂れる。
「お待たせいたしました、シスター・ウェンディ」
「長谷部切重、参りました。こちらが、俺の――”兄弟”です」
隣の光忠を一瞥してから向き直ろう。
「兄弟となった事で、より一層主の御役に立てることでしょう」
GM
見えない目で二人を慈しむように笑みを浮かべて、シスター・ウェンディは一つ頷く。
そうして、きり、と表情を真面目なものにすると口を開く。
シスター・ウェンディ 「早速ですが、君たちに、初の務めがあります。先日、我が聖字教会の運営する孤児院が襲撃されました。」
霧長 光忠
「!!!」
びくりと身体を震わせる
シスター・ウェンディ
「子供たちはみな殺され、血を啜られた跡があるということもわかりました」
「とても悲しく、痛ましい事件です。事件の前後に血戒も確認されていますし、業血鬼の仕業とみて間違いないでしょう」
GM 震える空気の、感覚に気づきながらもあえてそこには触れず、シスター・ウェンディは言葉を続ける。
シスター・ウェンディ 「この事件の犯人を追いなさい。これ以上の罪を重ねる前に、その魂を"救済"するのです」
長谷部 切重
「―――拝命いたしました。この長谷部、必ずや救済してまいります」
胸に手をあて、静かに一礼する。
霧長 光忠
「…僕も頑張ります」
ぐっと唇を噛みしめて、握りこんだ拳が震える
シスター・ウェンディ 「では、行きなさい。主はいつでも、キミたちの働きを見ていますよ」
長谷部 切重 ではシスターに挨拶を述べて礼拝堂を出る。
GM そういうと、シスター・ウェンディはまた跪き祈り始める
霧長 光忠 僕も長谷部くんに続くよ
GM ああ、では情報項目名の開示だ。
長谷部 切重
ああ
手札はこの儘、日常シーン用のカードを引くのだったか?
GM 日常の時は手札そのまま、日常用のシーンカードは引いても引かなくてもいい。引くなら、その数字を参考に日常表を参照してくれ。
長谷部 切重 折角だ、引いてみるか。
霧長 光忠
会話が足りて無さ過ぎるから、なにからやったらいいかわかってない
うん
長谷部 切重 お前赤ばっかりだな…
霧長 光忠 目覚めちゃった…
GM
資料室で趣味
公園で訓練
長谷部 切重 ……趣味、なあ。
霧長 光忠
趣味なんていえる関係なんだろうか…
公園で訓練は僕はやっちゃダメな奴では(武器が銃)
長谷部 切重
あくまで参考だからな
訓練室で行っても良いし、他の内容でも良い。
霧長 光忠 訓練は必要だと思うかな…僕は何もしらないから
GM 訓練室で訓練とか?私室で訓練とか
長谷部 切重 では光忠は、改宗室所属の吸血鬼から血奏法を教わって戻ってくるとかもありだな
霧長 光忠
ああ、そうだね
吸血鬼としての術を知らないし
長谷部 切重 俺は、そうだな…今では巻藁ではなく木偶人形や対人で剣の鍛錬を行っているだろう。それぞれ終えて合流で如何だ。
霧長 光忠 いいと思う!
長谷部 切重
では、訓練を終え、シャワールームで汗を流して
カソックの上着を脱いだシャツとカマーバンド、スラックスといった服装で訓練室に横付けされた休憩所に行こう
糖分や塩分、タンパク質等も摂れるように甘味や軽食の自販機、珈琲マシン、茶を淹れるセットなどがあるような場所だ。
霧長 光忠
それじゃ、僕は長谷部くんのところに帰るのが当たり前だろうし、戻って来るのかな
「長谷部さん、終わりました」
長谷部 切重
俺は備え付けのマシンで淹れた珈琲の紙カップを片手にテーブルへついている。
光忠の姿に軽く片手を挙げてから、其の手で向かいの席を示そう。
「ああ、御苦労だったな。……コツは掴めそうか?」
霧長 光忠
向かいの席に座るけど、目線は少し下。目が合わないようにしながら結果を報告する。
「コツは…まだよくわかりませんが、あいつらを殺すのに役に立ちそうな力は使えそうです」
長谷部 切重
「そうか、……やはりお前は随分戦えそうだ。」
上機嫌に目を細め、椅子に座る儘、珈琲を啜る。
そういえば贖罪者たる吸血鬼達も食事を摂る――嗜好品としてだが――者が多い事を思い出した。
「……お前、食の好みはあるのか。」
「糧にはならずとも、食えはすると聞くが、どうだ。」
霧長 光忠
そんなことを聞かれるなんて思ってもいなくて、えっと顔を上げて彼の瞳を見てしまった。
竜伽と同じ菫色の目…。
すぐにぱっと目線を伏せて話だす。
「僕は…人間…だったので、好みはそれなりにあります。甘いものが好きだし、食事も揚げ物とか…子供たちが…好きなものをよく作っていたので…」
唐揚げ という単語は出せなかった。
長谷部 切重
吸血鬼の、食の好み。
そんなもの、今まで考えた事もなかった。
不要だと猜疑的に考えてすらいた己からすれば、随分な変化だ。
甘い物が好き、と目を伏せる様子に、浅く肯いて。
「そうか、……珈琲は飲めるか?」
霧長 光忠 「砂糖とミルクを入れれば…」
長谷部 切重 「……なんだ、紅茶派か?」
霧長 光忠 「………紅茶も砂糖とミルクを入れれば…その…」
長谷部 切重
「……なんだそれ、子供のような舌だな」
はは、と思わずといったわらいが漏れた。
紙カップの中身を干して、席を立つ。
「なら、今度からは甘いカフェオレと菓子を用意してやろう」
「調査に行くぞ。――休憩は終わりだ」
霧長 光忠
ははっと笑う彼が、第一印象と違いすぎて目を見つめないように注意しながら見る。その笑顔は自然で、思ったより怖い人ではないのかもしれないと、少し思った。
「ありがとうございます。うれしい…です。
わかりました、行きましょう。あいつを殺せるなら僕は…。」
長谷部 切重 ――といったところで日常シーン終了で如何だ。
霧長 光忠 はい!お疲れ様でした
GM
ああ、いいだろう。日常シーンかこれで終了だ。
シーンカードを捨て札に、手札を一枚捨てて山札から引いてもいいぞ。
長谷部 切重 赤しか来ん
霧長 光忠 www
GM 下がった。光忠のこと考えているんじゃないか?
霧長 光忠 僕は赤が増えてく…
GM 光忠は、吸血鬼であることを受け入れ始めている、といったところか
長谷部 切重 そんなものは常に考えているだろうから理由にはならんだろう
霧長 光忠 光忠って尽くされる属性持ちなの?
長谷部 切重 次は調査だな。
GM
かもしれないな。
ああ、調査シーンに移るぞ。
まずはターンテーマを決める。今回の題目表はいろいろ弄ってみた。初めての仕事なんでな。
長谷部 切重 ドローかチョイスか。参考に引いてみるか?
GM 引いても、選んでもいいぞ
霧長 光忠 引いてみたいな
GM では1枚引く前に、ちょっとまってくれ
長谷部 切重 ん?
GM 日常シーンが終わったから、捨て札を山札に戻す。
霧長 光忠 はーい!
GM
よし、引いてもいいぞ。
1枚な
霧長 光忠 僕がひいてもいい?
長谷部 切重 ああ
GM 素敵な一面、だな
長谷部 切重 難易度高いんだが。
霧長 光忠
さっきそんなことRPしてしまったよ
長谷部くんに他に素敵な一面なんてあるのかな
長谷部 切重
期待してくれるな。
俺も参考に引くか
霧長 光忠 うん!
長谷部 切重 ”協力”だな
霧長 光忠 うん、なんだかまだ出来そうな気がする
長谷部 切重 そうだな、こちらにするか。
GM では「協力」を念頭において、これから先のシーンを演じてくれ。シーンは3回。それぞれの調査シーンと、交流シーンだ。
霧長 光忠 了解したよ
長谷部 切重 承知した。
GM
調査シーンはどちらから始めても構わない。
朝呼び出されて、ちょっと訓練して、昼間くらいか?
長谷部 切重
調査シーンはカードを引けば良いのか?
そうだな、そのくらいか。
霧長 光忠 現場検証は、僕が狂っちゃいそう
長谷部 切重
選んでも良いんだぞ
カードは引くが、内容はお前が決めて良いんだ。
霧長 光忠 もうお腹いっぱいだから大丈夫です!
GM 調査シーンはカードを1枚引いて行う。
霧長 光忠 運任せにしよう、そうしよう
長谷部 切重 では光忠からやってみるか?
GM どちらが先にする?
霧長 光忠 うん!
GM
では、光忠の調査シーンだな。カードを一枚引いてくれ
「過去の洗い流し」か「血の代償」だな
長谷部 切重 ”過去の洗い流し”、…は、似たようなケースを探るということか。
霧長 光忠 えぐい
長谷部 切重 選んでも良いぞ?<内容
霧長 光忠
血の代償はもっと無理なので、せっかくだから鬱光忠やります
過去の洗い流しをやってみます。これは資料を見る感じかな?
長谷部 切重
では、先に判定するか?
今引いたダイヤの9でも、手札にあるハートの7でも、判定は成功する。
あえて演出上失敗をしたいというのなら、スペードの9を用いて失敗し、
ダイヤの9を手札に加えるという手もある。
どうする?
霧長 光忠 ああーーなるほど
長谷部 切重 まあ、手札の調整の仕方と演出だな。
霧長 光忠 いや…長谷部くんの手札がひどいから、今成功させた方がいい気がする
長谷部 切重
言っておくが、
俺はスペードの4で判定は成功するぞ?
霧長 光忠 あ、そうなの
長谷部 切重 ああ、能力値が11あるからな。
霧長 光忠 本当だ!
長谷部 切重
判定の目標値15に届く。
だから、お前のやりたいようにやれば良い。
霧長 光忠
でも黒捨てたくない(どうでもいい理由)
でも失敗しておきたい(これもどうでもいい理由)
長谷部 切重
どうでも良いとも言えないだろう。
お前が迷っているのは、手許の人間性の象徴と、
過去の洗い出しを平然と行えるかどうかの不安なんだから。
其れを踏まえて、好きにしろ。
霧長 光忠
多分自分より、子どもたちに感情移入するから失敗させよう…うん
?9を使うね
長谷部 切重
ああ
捨て札へ移動させ、新たに一枚ひいてくれ。
霧長 光忠 あっ
長谷部 切重 手放さなかったな。
霧長 光忠 みっちゃん…
長谷部 切重 では、調査は失敗だ。演出を。
霧長 光忠
僕は孤児院襲撃事件に似た事件を探るために、資料室に訪れた。僕自身の仇の事もあるけど、長谷部さんの仕事を手伝えたらと思ったから。
吸血鬼の僕を受け入れきれないけれど、あんなになってまで僕に血を与えてくれた彼の役に立ってあげたい。
その資料はあまりにも残酷で、僕たちの孤児院を襲った悲劇と似通いすぎていて、とても中身を見れなかった。読み込もうと思っても、目から情報を拾えない。体が拒否してしまう。
ダメだ、僕は仇を取るのに、こんなんじゃ……。
そう自分を叱咤しても、時間だけが過ぎていく。
長谷部 切重
調査をしに消えた光忠が、戻ってこない。
居場所を探れば資料室に居ると言う。――嫌な予感がした。
足早に資料室へ赴き、中を確認すれば
其処には、半ば呆然とした姿が在った。
「―――其処迄だ。」
己の配慮の無さを噛締め乍、後ろから手を伸ばす。
其の目元を覆う様掌を宛う。
資料の文字列も、凄惨な写真からも遠ざけるように。
「……後は、俺の仕事だ。」
「戻って、別の作業を頼む。」
霧長 光忠
突然後ろから聞こえた声にびくりと身体を震わせる。
残酷な資料を隠すように伸ばされた手が視界に入る。瞳からあの光景が離れるような感覚がして、知らぬ間に力が入っていた肩から力が抜けた。
「わかりました……役立たずですみませんでした」
長谷部 切重
掌を宛がう儘、呼気でわらう。
莫迦だな、とは柔い音で
「役に立とうと、資料を捲ったのだろう」
「それだけで十分だ。」
書類ではなく己の方を振り向かせる様に掌へそっと力を籠め、
互いの視線が交わるだろう角度で漸く手を外す。
ごそ、と取り出したカードを握らせて
「すまないが、食事を適当に買って置いてくれるか。」
「仕事を終えたら家に戻る。
……必要な物があるのなら、序に買っておけ。俺ではわからん。」
そう告げて書類調査を交代すべく席を変わろうとする。
此処で俺の調査判定に繋げることは可能か?>GM
GM
ああ、それでいいぞ。
その前に、光忠は、シーンカードを手札に加えることができるし、長谷部も手札を捨てることができる。
長谷部 切重 そうだな、まずその処理を行うか。
霧長 光忠
じゃ…貰っておこかな…
はあああああああどうしよう!黒!!
長谷部 切重 特技で何を使うかを考慮して、選ぶと良い。
GM 今のところ、ダイヤ9は次の調査判定成功になるくらいか?
霧長 光忠 そうかハートは使うんだ
長谷部 切重 ハートの札を使うのだろうし、ダイヤはなくても構わないというなら、今の手札の儘にするのもアリだな。
霧長 光忠 なら今回はそのままいこう!
長谷部 切重
ああ。
RP返すか?
GM RP返してもいいぞ、光忠
霧長 光忠
わかった!
力が込められて、掌をよけられた先にあるのはあの瞳。突然現れた瞳をとっさに綺麗だと思ってしまった。
けど後から追いついてきた悲しい感情が目を伏せさせた。
かけられた言葉に答えなければ
「わかりました」
出来るだけ感情を殺して、はやくちに答えた
長谷部 切重
(スペードの4 +【技】11 = 15 /目標値達成)
硬質な響きの声には片手を軽く上げる事で応じて、
席を交代し、俺は其の儘資料を探る。
過去の事件、近年の傾向等を洗い出し、整理する。
「―――……成程な」
一区切りをついた頃には既に光忠の姿は無いだろう。
時計を確認し、情報をまとめた物を手に俺も資料室を後にしよう。
成功で+2 開示値達成だ。
GM
そうだな、達成だな。
長谷部はシーンカードを手札に加えることができるぞ。光忠は手札を捨てることができる。
長谷部 切重 俺は要らんな、今の方が良い。
霧長 光忠 僕はこのままで大丈夫だよ
GM
では、シーンカードは捨て札に。
情報の開示をする。
交流シーンだな。
情報1
情報項目名:孤児院を襲う鬼
開示値:3
内容:調べていくと、教会の孤児院だけではなく、寺や病院、個人で経営しているようなところまで、さまざまな孤児院が襲われているということがわかった。大人も襲われてはいるものの、血を吸いつくすほどの無残な姿は幼い子供たちばかりのようだ。浮かび上がってきたのは、"子供好き"のバンビーノ。これ以上放置しておけばまた幼い命が多く失われてしまうだろう。
長谷部 切重 カードを引けば良いのか?
GM
交流シーンカードを2枚山札から引いてくれ。
1人1枚ずつでも、2枚そのまま引いてもいい
引いたな。
長谷部 切重 俺赤札ばかりだな
霧長 光忠 愛が重い
GM
病院で被害者か
カフェでひと休みだな
長谷部 切重 チョイスでも良いのだったか?
GM
昨日のRPを受けて自宅でもいいかもな?
チョイスでももちろんいいぞ
霧長 光忠 なんかごはん買っといてって言われたよね
長谷部 切重
食事を買って来てもらうよう頼んであるんでな
ああ
家で飯にしようかと思ったんだが。
霧長 光忠 僕は買い物してお家にいるのかな
長谷部 切重
そうだな、先に戻って貰っているんじゃないか?
同居だから、鍵は各々所持しているだろう。
霧長 光忠 これってお昼ごはん?夜ごはん?
長谷部 切重
朝呼び出しを受けて訓練と調査を行って、
遅い昼餉か?
霧長 光忠 なるほどね、わかったよ
GM 14-15時くらいじゃないか
霧長 光忠 ならあんまり重いものじゃ夜ごはん食べれないし、軽食買っていこう
GM 自宅でひと休み、か?
霧長 光忠 そうなるかな!
GM では、交流シーンを始めてくれ
長谷部 切重
おそらく本部と近い距離にあるんだろうな。
いつでも呼び出しを受けられる距離だ。
霧長 光忠
じゃ、僕が先に資料室をでて、近くのスーパーで買い物しよう。
サンドイッチとスープとサラダ、夜にはお腹がすくような軽いもの。
一応、僕の分のサンドイッチも買っておく
てくてくお家に帰ります
長谷部 切重
では、俺は光忠が買い物を済ませて家に居る位のタイミングで、書類仕事を終え、休憩のために家へ戻ろう。
新しい鍵、未だ少し慣れぬ道程。何れも直ぐに馴染むだろう。
鍵を差し込み開錠し、家へ入る。
己の物ではない靴を見て、ああ居るのかと不思議な感慨がわく。
「……居るか?」
所在を確認する声を投げ、ダイニングの扉を開く。
霧長 光忠
僕はダイニングテーブルの上にすぐに食べれるよう、買ってきたものを並べる。
お皿もあるから袋から出そうかな。
そんなことをしていると、玄関から音がする。
声がする方に駆けて行って
「お帰りなさい、先ほどはありがとうございました。
ごはん用意してありますので、どうぞ」
長谷部 切重
姿が見えた事で、薄く力を抜く様な息をひとつ。
久しく耳にする事の無かった挨拶へ応じる迄、数拍も間が空いた。
「―――ああ。」
「食事の調達を任せてすまなかったな、
手を洗ってくるから先に食べていて構わない。」
上着を脱ぎ、手袋を外し乍洗面台へ向かう。
口を漱ぎ手を洗って、序に冷水で顔を洗ったのは
落ち着かなさを払拭する為だ。
霧長 光忠
その姿を見送って、ダイニングに戻る。
目の前に並ぶ食事を立ったまま見つめる。
長谷部さんは『吸血鬼も食事ができる』と言っていた。僕も…出来るだろうか。
つい最近まで、普通に美味しそうと思っていた食事を見ても、身体が必要としていないのがわかった。
認めたくない、でも感じてしまう。顔面が歪み、口を食いしばる。
長谷部 切重
顔を拭って手を拭って、新しい手袋を填める。
ダイニングの扉を開けば、食事を開始している様子がなく
「どうした、喰え無さそうか」
向かい側の椅子を引き、腰を下ろし乍、
何とも言い難い表情を眺める。
霧長 光忠
「いえ、食べれます」
いつの間にか戻ってきていた長谷部さんに声をかけられ、自分の抱える不安を跳ね除けるように答えた。
「いただきます」
手を合わせて、サンドイッチに手を伸ばす。今のとこ不快感は無い。少し震える手でそれを口に運ぶ。
鋭くなった歯でそれを噛みちぎり、咀嚼する。
「……美味しい」
口の中に広がるその味は、昔と変わらなかった。
酷く懐かしいような、安心するような心地に、僕は泣きそうな笑顔を浮かべた。
長谷部 切重
嗜好品程度の事しか知らぬ其れも、
屹度、必要な事なのかもしれないと思える程度には
眼の前の存在に対して寛容になれているのだろうか。
何処か恐々と食事を摂るその様子を暫し見詰めていたが、
己も食事をするのだったと思い直し、視線を引き剥がす。
意識していなければ屹度、また彼是と手出しをするだろう自覚があった。
胸元のロザリオを握り、口許へ寄せ
「父よ、あなたのいつくしみに感謝してこの食事を頂きます――」
食事前の祈りを済ませ、サラダ、スープにサンドイッチといった
軽食を腹へ収めていく。
正直、味は余りわからない。腹を満たす為に摂る食事が常だった。
視線を引上げ、向かい側の様子を見る。
味は余りわからずとも、この男が幸福そうに食事をしている様子が見れるのならば、十分な気がした。
霧長 光忠
懐かしい味をちょっとずつ惜しむように食べていたら、目の前の長谷部さんと目が合った。
菫色の瞳…そうだ、僕は自分の仕事を彼に任せてしまっていたんだった。
大丈夫だっただろうか…、聞いてもいいだろうか?
そんな不安がよぎるが、資料室での彼を思い出して勇気を出して聞いてみた。
「……あの…長谷部さん、調査はどうでしたか?」
長谷部 切重
話しかけられるとは予想をしていなかった為、
応じる迄に亦、少しの間を要した。
咀嚼を終え嚥下してから浅く肯く。
「……ああ。
調査は無事に終わった。」
「どうやら、孤児院を無差別に近く襲っているようだ。
"子供好き"のバンビーノ……巫山戯た通名がついていた。」
「名も知れた事だからな、調査をより進めれば
バンビーノとやらの所在も知れるだろう。」
「……量は、足りているのか」
人間たる自分と同量程は必要がないのだろうが、
少量を大事そうに食べている様子が気懸りで
情報の共有中に、つい差し挟んで問うて仕舞った。
其れ、と相手の持つサンドイッチを視線で示す。
霧長 光忠
うっとこみ上げてくるものを、口に手を当てて必死に我慢した。
耳から入るその言葉が脳みそを揺さぶりあの怒りが瞳を震わせる。目の前が紅く霞む。
「……バンビーノ……」
低い冷えた声が響いた。
憎しみに頭がいっぱいになってしまいそうになったが、僕を心配する声が耳に飛び込んで、はっと彼を見た。
彼と僕のサンドイッチを交互に見る。
あははっと気が抜けた笑い声が出てしまった。
「ありがとう、大丈夫です」
長谷部 切重
「……、食事時に行う物ではなかったな。」
未だ此奴は、怨嗟に拠って立っているのだと
忘れていた訳では、無い筈であるのに。
気分を害している様子に眉根を寄せ、すまない、と短く詫びる。
つい昨日の事であるのに、何処か浮ついている事を自覚し眉根を寄せた。
「神よ、あなたに感謝します。
今いただいたこの食事が、善を行うための力となりますよう――」
眼の前に並んでいた品々を全て腹に収め、
食後の祈りを澄ませる。
卓上を片付け、先に戻る旨を告げ席を立つ。
「調査が済めば、救済に向かわねばならん。
その時は、お前の力を頼りにさせて貰う。」
霧長 光忠
彼が申し訳なさそうに謝ったのを聞いて
「いえ!!僕が聞いたことに答えていただいただけですから、気にしないで。
こちらこそごめんなさい、僕も配慮が足りませんでした。」
僕も残っていたサンドイッチを詰め込み、
ごちそうさまでした、と手を合わせて片付けを始める。
彼の言葉に
「はい、僕に出来ることがあるなら。
これ以上の犠牲が出る前に、奴を止めたい。」と返すよ。
長谷部 切重
謝罪を述べる姿に、半ば無意識に制止の掌を向けていた。
「――お前は、配慮される側でもある自覚を持て。」
「お前の悲嘆は未だ色濃く
怨嗟は其の脳を焼くだろう。
俺は、其れを消せと命じる心算はない。」
向けた掌を緩慢に戻し、
食事の為脱いでいた上着を羽織る。
「弔いだろうが仇だろうが、好きにしろ。
憎しみを研ぎ澄ませ、業血鬼共を血祭りに上げる事が、
―――お前と、俺の仕事だ。」
踵を返し、本部へと戻る。
――といった処で交流シーン終了で如何だろうか。
霧長 光忠 かっこいいね!長谷部くん!!
長谷部 切重 切国の布ばりに上着翻しておくか
GM では、交流シーンを切ろう。
霧長 光忠 キャーカッコイー
GM 光忠、RP返すか?
霧長 光忠 いや、いいです!なんかすっきりしてるから!
GM
わかった。
交流シーンカードをそれぞれ1枚ずつ手札に加えることができる。捨て札にしてもいいぞ
霧長 光忠 僕はいらないので捨て札にしたいかな
GM 長谷部はどうする?
長谷部 切重
そうだな、俺もスート指定のコストはないが
数字だけ少し増しておくか。
ああ、しかし…
調査にスペードが有用だからな。すまない、この儘で。
GM
では二枚とも捨て札にしてくれ
インタールードだ。ターンテーマの達成を確認する。
テーマは協力だったな。
これは、よくできていたと思う。
霧長 光忠 ありがとう!
長谷部 切重 そうだな、互いに調査を進める心算もあったからクリアしていると思う。
GM 強度を1上げて、手札を1枚増やしてくれ
霧長 光忠 紅くなってゆく
GM だんだん、染まっていくな…
長谷部 切重
頼りにしていると告げた心算だからな。
応じる気になったのなら重畳。
霧長 光忠 こわいよぉ
GM
手札を2枚まで捨てることができるが、どうする?
1枚ずつ2回、な。
長谷部 切重 俺は現状維持で良い。
GM 光忠はどうする?
霧長 光忠
僕はさっき引いた2を捨てよう
ううーん
長谷部 切重 武器攻撃時に必要にはなるから、良いんじゃないか。
GM 6を捨てて、もう一回引くこともできるが…
霧長 光忠 じゃもっかい!(ガチャ中毒)
GM ああ、捨てて、引いてくれ
霧長 光忠 ?…
GM お、いい手札が来たな
霧長 光忠 そうだね!(心情的には白目)
長谷部 切重 次は再び調査だったか?
GM
ちゃんと長谷部の言葉に応えようとしているように思えるが。
インタールードの終い。2回目の調査フェイズ、ドラマターンに入る。
ターンテーマを決めてくれ。
カードを引いてもいいし、選んでもいい。
長谷部 切重 引いてみるか?
霧長 光忠 そうだね!決められないし
GM では1枚引いてくれ
霧長 光忠 長谷部くんどうぞ!
長谷部 切重 では今回は俺が引こう。
霧長 光忠 エースだ!
長谷部 切重
こんな時にこれか。
約束、なァ
霧長 光忠 約束ってなんだろう…
長谷部 切重 お前も一枚引いてみるか?
霧長 光忠 いや、このままでいいよ
長谷部 切重 承知した。では、調査へ移ろうか。
GM 調査シーンだな。どちらからやる?今は軽食を済ませて15時くらいか。
長谷部 切重
手札としては、俺も光忠も問題ないな。
光忠から動くか?
霧長 光忠 そうだね、なんか僕やらかしそうだからね
GM では光忠、1枚シーンカードを引いてくれ
長谷部 切重 専門家を訪問、または力試し、か?
霧長 光忠
はぁ〜〜どうしよう
訓練受けたし力試しでも面白そうだなぁ
でも僕、こういうことするかな…
GM
選んでもいいぞ?
専門家だと、プロファイリングのプロとか
長谷部 切重
組織の中にいてもおかしくないな、外部でも良いだろうが。
内容を変更するのも手だが、如何する?
GM
力試しなら、お前の力量を示せ、さすれば情報をやらんこともない、だな。
もちろん、別のを選んでもいい
霧長 光忠
あっ吸血鬼に聞き込みにしようかな
僕は吸血鬼の常識は知らないだろうから、仲間からどういうものか聞いてみたい
GM 吸血鬼の常識の手ほどき+情報収集したい感じか?
霧長 光忠
うんうん、
基本情報収集で話しているうちに違いに気づくって感じがいいな
GM わかった。どこで聞き込みしたいとかあるか?
霧長 光忠
バンビーノについてどう思うかとか、自分がバンビーノだったらどう考えるかとか…
あ、違うわ
GM ん?
霧長 光忠
えっと組織の吸血鬼が集まるところで
聞き込みしたいです
GM
ああ、わかった。
異端改宗室の吸血鬼ラウンジあたりでいいか
霧長 光忠 はーい!
GM それじゃあ、ラウンジに入ると、幾人かの吸血鬼がくつろいでいる。
ラウル
「やぁ、新入りくんかな?」
気さくに片手を挙げて声を掛けてくる。
霧長 光忠
吸血鬼
自分がそうだと認識したことはしたけど、他の吸血鬼はまだ緊張する。
人見知りとかそういう類ではなく、あの場面が頭を掠めるから。
でも吸血鬼だってひとりひとり違う。
そんな動揺を押し込めて、一歩足を踏み出した。
「こんにちは、今お時間ありますか?
お聞きしたいことがあって…」
ラウル
「随分緊張してるじゃあないか、リラックスリラックス」
「力が入り過ぎちゃ、なんでも上手くいかないぞ。」
「おじさんで答えられる事であれば喜んで。
どうだい、御茶でも一杯?」
休憩所には自販機などもあるのに
男の手許にはピクニックバスケットが展開されている。
わらいながら、手許の紅茶セットにカップをひとつ追加した。
霧長 光忠
見た目に反して気さくなその吸血鬼にあっけに取られて、
差し出されたカップを見て自然と笑ってしまった。
「ふふ、ありがとうございます。いただいてもいいですか?」
そう言って男性の向かいに座る。
「バンビーノという業血鬼を知っていますか?」
先に判定してもいいかな。
?の7+血が10で17 成功
ラウル
「本当はワインをご提供できればよかったんだけどねえ」
「アフタヌーンティーというのも、中々だろう?」
「砂糖とミルク?蜂蜜、それともジャムかな」
上機嫌で紅茶を高い所から注ぎいれ、様々な物をバスケットから取り出す
その手が、ふと止まっては霧長へ視線が向く。
「あーあ、彼奴ね彼奴。知ってるとも知ってるとも。」
「―――お前さん、少女趣味だったりするのかい?」
揶揄の軽薄さでわらい雑じりの問いかけは
探るように眇めた眼と共に。
霧長 光忠
優雅な手つきに目を奪われて、流れるように紅茶が出来上がっていく様を見つめる。
それが止まって、あれ?と彼を見ると、先ほどまでの柔らかな雰囲気はなりを潜めていた。
そこから発せられた言葉を僕は理解できなくて
「え?どういうことでしょう?」
GM
ここで判定しておくか。
光忠、ハートの7捨ててくれ
霧長 光忠
はい!
一枚引くんだっけ?
GM
ああ、手札の補充だ
ありがとう。
霧長 光忠 絵札こない…
GM 2人ともRPを続けてくれ
霧長 光忠 わかりました
ラウル
「生憎茶菓子が切れていてなあ、紅茶だけで我慢をしておくれ」
一瞬の緊張などなかったように朗らかなわらい声が響く。
「いやぁ、食に煩いやつってのは何処にでもいるからな――」
GM そう言って、ラウルはバンビーノに関しての情報をいくつか教えてくれる。
霧長 光忠 「紅茶だけでもとっても美味しいです。貴重な情報、ありがとうございます」
GM
これで、光忠の調査シーンが終わる。
シーンカードを手札に加えることができる。捨て札にしてもいいぞ
霧長 光忠 捨て札にするね
GM
ああ。
長谷部は手札を捨てることができる
長谷部 切重 そうだな、現状維持で。
GM わかった、ではこのまま長谷部の調査シーンに移ろう
長谷部 切重
ああ。
俺は光忠とは別行動と考えた方が良さそうだ。
取敢えず引くか。
GM
わかった。ではシーンカードを引いてくれ
文献調査課、色仕掛けだな
霧長 光忠
長谷部くんの色仕掛け?
長谷部 切重
……文献調査の文字を見ろ、文字を。
書類仕事は得意なんでなァ
霧長 光忠 あ、そっちもあったね
GM 犯人について、古い文献を調査する、というやつだな。
長谷部 切重 ああ。昼前に訪れた資料室へ再び足を踏み入れる感じだな。
GM
第一の調査シーンに引き続き、昔の文献も紐解いてみるか、というところか。
では、資料室、文献調査だ。
長谷部 切重 では、先に判定しておくか。忘れそうだ。
GM ああ。いいぞ
長谷部 切重 スペードの5を使用、【技】11+5=16で達成だ。
GM ああ。
長谷部 切重 赤しか来んのか。
GM 光忠が恋しいのか?
長谷部 切重 常にな。
霧長 光忠 怖い…僕はラウンジで悪寒を感じてるよ
GM
午後の日差しが窓から差し込む資料室で、昔の古い文献も確かにあったはずだ、と資料の入っている書架を見て回る。
背表紙にそれらしいものを見つけ、引っ張り出し、閲覧机に座って読み始める。
RPをしていいぞ
長谷部 切重
食事休憩をとる前にも詰めていた資料室へ再び訪れる。
洗い出しを行ったが、別の視点からも調べる必要があるだろうと
今迄、孤児院――年若い被害者ばかりの事件を調べる事にした。
「……、まさか、とは思うが……」
脳裏に過る仮定に小さく顔を顰める。
然し、頁を捲る都度に、其れは裏付けされてゆく様だった――――
といったところか。
GM
ああ、では紐解いていくうちに、疑念は確信に変わって行く。よい情報を仕入れることができた。
シーンカードを手札に加えることができる。
長谷部 切重 黒札と交換しておくか。
GM 光忠も手札を捨てることができるぞ
霧長 光忠 ?の7を捨てるね
GM ああ
長谷部 切重 …ああ。
霧長 光忠
うわ
うわぁ
長谷部 切重 ……良い札だろう。
GM
強い引きだな…ラウルとの話に、怒りが再燃したか…
では、調査シーンが終了したので、進行度の確認…7で開示値は超えているな。
それでは情報を開示する。
そういえば、情報2についてと開示値を宣告してなかったな…すまない
長谷部 切重
そういえば開示値出ていなかったな。
共に成功すれば開くだろうと思っていたが。
情報2
情報項目名:バンビーノの居場所
開示値:6
行動範囲などを総合して考えると、次に襲われる孤児院が浮かび上がってきた。
郊外にある聖字教会の運営する孤児院。奴が来る前に子供たちは退避させ、そこで待ち伏せれば迎え撃つことができるだろう。
GM
ああ
つぎは、交流シーンに入る。
シーンカードを2枚引いてくれ
霧長 光忠 はい!
長谷部 切重 だからどうして俺は…
GM
オフィスで調査の手順
車内で敵 か
霧長 光忠
ごめん長谷部くん…
約束についてちょっとやりたいことがあるから、また家でひと休みでもいいかな?
長谷部 切重 俺は構わないが。
GM もちろん、構わない
霧長 光忠 ありがとう。じゃあ、それぞれ調査を終えて帰ってきたことにしていい?
長谷部 切重
ベースキャンプじみてきたな
まあ、塒だから違いはせんだろうが…
霧長 光忠 僕たち、約束について話してなかったから、それをやろうと思うんだけど、GMはいいかな…
長谷部 切重 ああ、そういえば血盟を組んだだけだったな。
GM
ああ、もちろんいいぞ。そういえば約束事決めていなかったんだな。
存分にろーるぷれいしていいからな。
霧長 光忠
わかったよ
じゃぁ僕は吸血鬼と話をして、
吸血鬼から人間にひとつ約束事を出来ることを知った
ということにして帰宅する感じかな。
GM ああ、いいと思う。
長谷部 切重 そうだな。では光忠からか。
霧長 光忠
ラウンジで他の吸血鬼たちと話が出来た。
みんなやさしく、気さくなものもいれば、少し変わったものまで様々。
その中で僕は『人間と吸血鬼の間で交わされる約束』について聞いた。
長谷部さんとはそんな話していない。
彼と約束したいこと…それを考えてみたが…浮かばない。
ただ、僕が嫌で嫌で仕方がない事、拒否したい事があった。
それを伝えようと、急いで帰宅し、長谷部さんを自宅で待って居た。
長谷部 切重
調査仕事を終えて、顔の無いシスターや神父へ其れでも普段通りの挨拶を交わしてから帰路へつく。
真直ぐ帰れば然程の距離が無い家ではあるが、商店へ立ち寄ってからの帰宅となったため既に陽は暮れ始めていた。
玄関扉を開錠し、中へ入る。
灯の点る、己以外の気配がある状況に未だ少し落ち着かずに
靴を脱ぎ、手を洗い、手袋を交換してからダイニングの扉を開く。
「……居るか?」
帰宅の挨拶めいて、存在を確認する。
霧長 光忠
控えめの声を聞いて顔を上げる。
少し緊張しながら「おかえりなさい」と告げる。
答えたはいいが、ん?と思って彼に問う。
「ただいまって、あまり言わないんですか?」
長谷部 切重
迎える挨拶を受け、頷きに留めかけるも、
続く言葉に、ああと狼狽の声が薄く洩れる。
「―――……、ただ、いま。」
酷く、言い慣れない。
口許へ手を宛がい、空咳を一つ。
すまない、と小さく零してから其の手を外す。
「……挨拶を、怠っていたな。
これからは善処しよう。」
「―――土産だ。」
施設からは少し離れた位置にある、ドーナツショップの紙袋を手渡して。
霧長 光忠
ぎこちない挨拶に、
ああ この人はそうだったのか と悟る。
そういう子は多く見てきた。
「おかえりなさい。」
少し表情を和らげて、あの子たちを思い出しながら、
もう一度挨拶を返す。
土産、と手渡されたそれを見て、僕は昼間の会話を思い出す。
びっくりして見返して、もう一度袋を見る。
ただの社交辞令かと思っていたのに、こんなにすぐ買いに行ってくれるなんて。
「ありがとう…ございます…!」
にっこり笑って、感謝を伝える。
長谷部 切重
「ああ、……ただいま。」
先程よりは、淀みなく紡げた其の言葉は
今迄生きてきた中で、馴染みのない響だった。
実感を伴うには遠い。未だ違和感の方が勝る其れを
確かめる様な緩慢さで述べる。
本日はもう本部で成すべき事も無い。
上着を脱ぎ、ハンガーへ掛け
襟元のボタンを一つだけ外す
嬉し気な響に、ふと目許を緩ませ
「……甘い物、とは聞いたが細かい好みは知らんからな。
好きな物を選んでくれ。残ったら、……冷蔵庫の電源、入っていたか?」
普段使う事も碌にない為、
新居となれば数日電源を入れる事すら忘れる設備を見遣る。
適当に保管して喰え、と言い添え
自室へ引き上げようとするだろう。
霧長 光忠
自室へ向かおうとする彼を引き留める。
「あっ長谷部さん待ってください!
少しお話したいこと…というか相談したいことがあって。
血盟を結んだ吸血鬼と人間の間で交わす約束の事についてなんですが…。」
長谷部 切重
「ん、……約束?」
呼び止められると其の儘立ち止まっては向き直ろう。
相手の言葉に暫し思考を挟んだ後、ああと思い当たった声を漏らす。
「そういえば、お前から約束を強制出来るのだったか。
すまない、失念していた。」
”約束”は血盟を解消する事は出来ない
そう、知識にばかりあれど、胸中がざわつく。
視線をそっと伏せ
「……望みは、何だ?」
存外に、呻く様な低い声となって落ちただろう。
霧長 光忠
「首からの吸血をしたくないんです…。
僕が死ぬ直前に見た光景
孤児院の子の首から血を啜る業血鬼が甦って、
いろんな感情で頭が沸きそうで…自分が自分で無くなるような…
そんな感覚になるんです。」
長谷部 切重
何を、言われる物か。
何を、拒まれる物であるのか。
罪過を咎められる者の気持ちで待つ数秒が、厭に長い。
「……首、から。」
告げられた言葉に視線を引上げ、幾度か瞬く。
言葉を噛み砕き、脳へ届かせる数瞬の後に
強張りを解く様な呼気が、細く長く洩れた。
「―――……吸血の、作法についてか。
別段、その程度であれば俺は構わないが」
「……首以外、となれば
何処から啜る心算なんだ?」
霧長 光忠
彼の答えを聞いて、ほっと胸を撫でおろす。
長谷部さんに意見を言うのは緊張する。
肩の力を抜いたところに、彼からの質問。
何処?何処からとは考えていなかった。首筋以外ならどこだって構わない。
「何処…がいいんでしょう…?他の吸血鬼に聞いておけばよかったな…。背中…とかでしょうか?」
長谷部 切重
背中。
その単語を耳にして、此奴が己の視界から消える状況を想像し、思わず眉根を寄せそうになる。
「……背後に回られるのは、……その、
抵抗感があるので、出来れば前からにしてくれないか。」
歯切れ悪く述べる言葉は、決して嘘ではない
嘘、ではないが視線は自然と伏せる形となる。
霧長 光忠
え、と声に出そうになる。
僕の提案にそんなに不安そうにするとは思わなくて、酷く動揺してしまった。
自分が血を吸われる場面など見たくないだろうと思ったし、僕自身が血を吸っている事実を確認されるのも少し抵抗があった。
でも、いけないことをして大切なものを没収された子供のような声色で言われた提案を、無下にも出来なかった。
もしかしたら、とても鍛えているようだし、背後という急所を吸血鬼に見せたくないのかもしれないな…。
そう思い当たって、僕は恥ずかしながらも答えることにした。
「…あの…長谷部さんがそれがいいのなら、前から…吸わせていただきますね…。」
長谷部 切重
「……俺は、刃を振るう武官だからな。
余り、背後からというのは、……落ち着かない。」
尚も、要らぬ言葉を重ねて紡いでしまう口が止まらずに
また、そんな己を自覚して自己嫌悪の息を緩く逃す。
嗚呼、
約束を行使する権利は、吸血鬼たる此奴こそが持つ権利だと
そう、頭では嫌という程理解をしているというのに。
戸惑っているだろう相手の声が、
受け入れの言葉を紡いだことに、思わず伏せていた視線を上げる。
気恥ずかしげな紅い眼を見詰め、呆ける様に、ああと返した。
GM
このまま吸血シーンに行けそうだし、インタールードの処理などを挟むためにいったんの区切りとしよう。
シーンカードをそれぞれ手札に加えることができるが、どうする?
霧長 光忠 ?のキングをもらいたい
長谷部 切重 俺は…この札であれば未だ現状維持だな。
GM
わかった。
2の札は捨て札にするぞ
インタールードだ。題目の達成は、文句なしに上出来だろう。
霧長 光忠 ありがとう
GM 強度を増やして、手札を1枚引いてくれ。
長谷部 切重 良い引きだ。
霧長 光忠 長谷部くんと交換できるね
GM もし、手札を捨てたい場合は2回までできるが、どうする?
霧長 光忠 僕はいいかな…
長谷部 切重 黒札ばかりだからな、…俺も良いか。
GM
わかった。それじゃあこれでインタールードを終了する。
題目も捨て札にして…、
次は吸血シーンだな。先ほどの続きから、RPするか?
長谷部 切重 そうするか。
霧長 光忠 そうだね!
GM
ならば、自宅で吸血シーンだ。
俺はまた潜っているから、好きにろーるぷれいをしてくれ
霧長 光忠
わかった、かっこよく出来るように頑張るね
僕が長谷部くんに返すところからか
長谷部 切重 そうなるな。仕切り直しても良いが、いけるか?
霧長 光忠 そうだね…ちょっとどうしようかと思っていたから、仕切りなおしてもいいかな?
長谷部 切重 ああ。勿論。
霧長 光忠
そのあと引き留めてしまった彼を部屋へと見送って、ドーナツの袋を見やる。
そういえば長谷部さん、自分のご飯買ってきてないな…
そう思い当たって、僕は急いで買いだしに出かけた。
戦いの前なのに何も食べないつもりなんだろうか?
それはダメだろうと、保護者意識が働いでタンパク質多めの総菜を買ってくる。
鶏肉のソテーと揚げ出し豆腐、ちょっとしたサラダとインスタントの豚汁。チンするごはんも。
どれも作った方が美味しいけど、今はそんな時間もない。
急いで帰宅して温めなおし、食卓に並べて彼の自室の扉をノックする。
「長谷部さん、夕飯一緒にどうですか?」
長谷部 切重
ダイニングで別れてから、
自室で愛刀の手入れを行っていた。
丁子油、打ち粉、懐紙を用意し
鞘から抜いた刀身を見分する。
支給品といえど、随分長く戦いを共にしている。
単騎で駆ける事は多くとも、
今宵からは二人だと思うと
やはり少々落ち着かぬ心地がした。
如何にか気を集中させ、手入れを終えた所で
戸を叩く音が響く。
少し待て、と言い置いて
手早く道具を片付けてから扉を開けば、
「―――夕飯?」
勿論、食事が必要という意識はあるが――本日に限っては完全に頭の中に無かった物で。
何だそれは、といったような反応になってしまったかもしれない。
「……ああ、夕飯まで用意してくれたのか。
では、……相伴にあずかろう。」
霧長 光忠
最初の反応に、余計なお世話だったかな…と思ったが
後の返事で安堵する。
「よかった、すぐに食べれるのでダイニングにどうぞ。」
既にダイニングには長谷部さんの食事と
僕のドーナツが置いてある。
先に自分の席に着き、彼を待つ。
長谷部 切重
「ああ、……すまないな
買い出しに出て貰った事も気付かないでいたようだ。」
ダイニングに行けば其処には一人分の食事と、
「……何だ、夕餉も甘味で済ませるのか?」
其処迄の甘党だったのかと思い掛けて、
己が単に買い過ぎたのだと思い当たる。
「……無理に消費する事は、ないからな。
俺も、多少為らば消費も出来る。」
席について、ロザリオを握り
何時も通りに、食前の祈りを捧げる。
祈りを終えて、箸を手にした所で一度動きを止め
「その、……
食事の用意を、感謝する。」
神ばかりではなく、目の前の男に告げてから夕餉へ手を付けた。
霧長 光忠
「折角買ってきてくれたんですから、
早く食べたかったんです。
僕、お土産を買ってもらうなんて無かったから、嬉しくて。
………子どもみたいですね、すみません。」
嬉しさをにじませた声で続けてしまい、
はっと気づいて謝罪する。
21歳にもなって、舌だけでなく心情まで
成長していない自分に腹が立つ。
もっと大人で強ければ…なんて暗いことを考えていると、
彼からの感謝の言葉が掛けられた。
ぎこちないそれに、僕は笑って答える。
「いいえ、召し上がれ」
そう言ってから、僕もいただきますと挨拶して、
ドーナツをちまちま食べる。
うん、美味しい。
口に広がる味を記憶と示し合わせながら、それを楽しむ。
長谷部 切重
「――俺も、土産を買うなんて無かったからな。
量が多くなってしまった。
どれが一番お前の好みに合ったか、後で教えてくれ」
次に買う時の参考にする、と述べて豚汁を啜る。
品目を見れば、蛋白質多めの構成に目を細め
「食事についてだが、…此処迄考えて買うのは大変だろう。
動ける程度に揃えてくれれば十分だ。
お前が忙しい様であれば幾つか俺も買い備えておく。」
幸いに、今回の住処はコンロに薬缶等、湯を沸かす道具もあるようで
湯さえ用意出来れば食える物も増える等考える。
用意された温かな食事は良い物だが、
己には過分な物にも思えてならなかった。
霧長 光忠
好みを聞いてくれるのか、と少し驚いてから
「……僕は生クリームが入ってるのが好きです…」
とあまり買わないので商品名もわからないが、
子どもの頃から好きだったドーナツを示した。
続けて食事についての彼からの提案に、今度は驚く。
身体を鍛えているのに、栄養学について興味もないのか。
「ダメですよ、しっかりした食事は身体を作る元です。
栄養が偏った生活では真の力は発揮できませんよ。
それこそ主の意思に反します。」
そうだ、この言葉を使えば彼も納得するかもと
あまり意味を理解していない言葉を付け足してみた。
長谷部 切重
「では、覚えておこう。」
正直、入店する事すら初だったドーナツショップの品揃え等
己にとっても未知の領域である故、
また眉根を寄せ悩んだ挙句店員へ尋ねる事になるのだろうが
眼の前の男が喜ぶのなら、苦にもならぬ事だった。
然し、続く言葉には言葉を詰まらせる事となる。
「……摂ってはいるさ。食わないと、力は出ないからな。」
コンビニ、スーパーといった商店で適当に食事を買うか、
買い置き品で腹を満たす日々を顧みれば、
決して強い反論の言葉は出てこない。
『主の意思』
一番耳に痛い言葉を出され、緩く息をつく
「とはいえ、何を食えば良いのか…
余り品数が多くとも勿体無いだろう」
どの道、永く御役に立てるとは思っていなかった
正直今も其の考えは変わらない。
動けなくなる時迄、剣を振るうだけだと、
其れでも
我欲を昂じさせた挙句、手に入れたものがある今
「……差支えが無いのであれば
食事を、お前に一任しても良いか?」
霧長 光忠
「ええ、いいですよ。
慣れていますから、
献立を考えるのは苦じゃありません。
それに僕も、以前の味を味わえるのは
とても嬉しいんです。
例えそれで満たされなくても、
心は満たされます。
もう少し、心に余裕が出来たら、
料理もしてみたいんです。
苦手な物や、嫌いな物はないですか?
もしあったら配慮します。」
長谷部 切重
「……お前の、やりたい様にやってくれ。
心が満ちる、其の一助になるというのであれば
過分な食事も、多少は赦されよう。」
仮令教義に反する事であろうとも構わないさ、と
呼気の淡さでわらう。
「苦手な物はないし、
食えない物も、おそらく無い。」
食後の祈りを済ませた後、
席を立つ前に、ああと男の顔を見遣り
多少ぎこちなくも、眼を笑みへ細めた。
「……食事を、有難う。」
「戦いの前に、身を清めてくる。」
「準備が何かあるのなら、お前もやっておくと良い」
そう言い残して、ダイニングを後にする。
霧長 光忠
ちまちまドーナツを味わっていると彼が席を立つ。
ぎこちない笑顔と共に述べられた感謝の言葉に
心が温かくなる。よかった。
「はい、わかりました」
そう答えたけれど、特にやることもわからずに
まずは片付けだと慣れた食器洗いと掃除をする。
そのあとの時間は、支給された銃を整備してみる。
使い方は大丈夫かな、どうやったらいいんだっけ。
習ったことを反芻して、血戦に備えよう。
長谷部 切重
――といった処で区切るか。
吸血シーンではなかったが。
霧長 光忠
うん、そうだね
これは…そうだねぇ…
長谷部 切重 日常シーンおかわりだな。
GM
吸血シーンはまた今度だな。
これはマスターシーンにしておく。
続いて吸血シーンの演出に入ってくれ
長谷部 切重
該当の孤児院には避難指示が出されている。
通常であれば子供たちが寝静まった深夜を過ぎてから
例の業血鬼が現れるとの事だった為
時刻を確認し、段取りを頭の中で組み立てながら身を清めた
シャワールームを出て、
バスローブを羽織り、タオルで濡れた髪を適当に拭く。
着替えは部屋のクローゼットに用意されているのを思い出し
其の儘脱衣所を出て、自室へと戻るその途中、
「――ついでに喰うか?」
夕餉がドーナツだけだった男を見て、
本来の糧も必要だろうとの其れは、存外に軽い響となった
霧長 光忠
ダイニングテーブルに、手入れ道具を並べ、
自分の銃を一度分解して、掃除して元に戻す。
習った通りに出来た…とホッとしているところに、長谷部さんが現れた。
お風呂上がりのバスローブ姿。
バスローブなんてテレビの中の世界なのかと思ってた。
鍛えている身体なのに存外細いシルエットがとても似合っていて、
一瞬呆けてしまった。
そのせいで、軽く言われたその言葉に反応が遅れてしまった。
「え?喰う?」
自分で言って、はっとする。
そうだ、僕の『食事』はまだだった…。
嫌だと思っても、前みたいに欲望に囚われて暴走したら迷惑をかけてしまう。
そのくらいもう理解した。
「すみません…、お願いしていいでしょうか?」
すぐに謝罪して、道具たちを片付けてダイニングの隅に置き、
僕も立ち上がる。
長谷部 切重
「お前も、食事が必要だろう。」
相手が武器を片付けているのを見遣り、
髪を拭っていたタオルを洗濯物へと片付け
己はその間に新しい手袋を用意し手に填めた。
「そうだな、着替えも必要だ。俺の部屋で良いか?」
返答を待たずして、先に立ち自室へと向かう。
前回は――否、つい昨日の事だったと思い当たる。
多量の血を飲まれた事を考えて、寝台へ腰掛け相手を待った。
「……御出」
前から、としか決めていなかった吸血箇所。
ローブ姿の儘、両の手を広げ
何処からでも来い、という様に迎える姿勢。
霧長 光忠
僕の事を考えてくれている言葉に嬉しさを感じているのだが、
そのことよりも気になることがあって反応できなかった。
「はい、どこでも…」
彼が自室に入っていくのを追いかける。
目に入ったのは寝台に腰かけた彼。
掛けられた声は甘ったるくて、絆す様な声色で、僕は俯いてしまう。
だが目に入ったそれを、どうしても疑問に思ってしまって…
「あの……手袋、外さないんですか?」
聞いてしまった。
長谷部 切重
指摘されて己の手を見る。
常に身に着けている物。白い、手袋。
緩く広げていた手を戻し、ああと薄く漏らす。
「外すんじゃなく、……填めたんだ。
汚れてしまうだろう。」
当然の事を聞かれる不可思議さで応答する。
何でそんな事を問われているのかと、赤色を見上げた。
霧長 光忠
「―――ッ!!」
さも当然の如く返された言葉に僕の瞳が揺れる。
やっぱり…そうか
そう冷静に思う頭と、カッと顔に血液が集まる感覚が、
とてもちぐはくで心が乱れる。
「汚れる」
「僕はそんなに汚いですか」
俯いていた顔を上げて、震えて興奮で掠れた叫ぶ。
「ならどうしてっ、僕を赦すなんて言ってたの?
どうしてあの時殺してくれなかったの!?」
涙が 零れそうだった
長谷部 切重
「―――何の、事だ?」
静かに、然し確かな苛烈さを滲ませて落ちてきた言葉に
思いもよらない其れへ、瞬時の間が空いた。
「ッ!?、……、待て、一体何を」
雨が激しさを増す様に、
静かに落とされた言葉が悲鳴の様な響きとなって
部屋の空気に割れて消える。
「―――ッ待てと言っているだろうが!」
聞き流せない言葉の中で、一際。
悲鳴染みた其れを受け、思わず手を伸ばし掴みに掛かる
「お前がッ汚い筈が無いだろう……!!」
霧長 光忠
いきなり掴まれた手と、最後の彼の声に動揺し、
びくりと身体が震えて、押し黙る。
目の前が一回転したような混乱が襲う。
僕が汚くない?ならどうして。
そう言葉にしたくても、興奮で震えた唇は動かなかった。
彼の菫色の瞳を震えた瞳で見つめ返す。
長谷部 切重
手袋越しに掴んだ服の布地を握り込む。
衝動の儘に捕えた其れを、意識して解き、放してやる
「……――お前が、汚い筈、ないだろう。」
「そんな、……そうであったら、
誰が、血を与えて迄囲う、ものか。」
一言一言噛締める様、呻く様な言葉が漏れる。
自然、今度は此方の視線が下がりゆく事となった。
「……お前が、汚れるだろう。」
当然の事を、改めて紡ぐ事になろうとは。
緩々と呼気を逃して、力を抜き
其の儘寝台に倒れ込む様身を預けた。
何処からなりとも飲めば良い。
そんな、半ば自棄染みた思考で視線を逸らす。
霧長 光忠
彼から漏れるひとつひとつの言葉が頭で繋がっていく。
次第と形になるなる事実に僕は泣きそうになった。
今度は自分の為の涙じゃない、彼の為の。
ああ、なんて僕はひどいことを言ったのか。
疑惑を押し付け、彼を傷つけてしまった。
後悔に潰されそうな心を叱咤して、動く。
ベッドに倒れこんだ彼の上に跨る様に馬乗りになり、
彼の左手首を取る。力なら僕に勝てるわけない。
彼が抵抗しようとも、手袋を外して投げ捨てる。
彼に見せつけるように、掌に小指側から噛み付いた。
溢れだす血を啜る。唇を付けて漏れ出さないように慎重に。
長谷部 切重
嗚呼、――泣く、気配がする。
そんな気配にばかり聡くなったとしても、
如何にも為らぬ現実が酷く恨めしい。
ギ、と安物の寝台の軋音を伴って
己の上へと乗りあげてきた其の動きに――安堵を得た。
そうだ、俺の血を
俺の血だけ、其れでしか糧を得られぬ様に
他でもない、己が縛った。
そんな、安堵と悔恨にも似た思いを綯交ぜにして
思いもよらぬ行動を、止める事はかなわず
目を瞠って、己の上に乗り上げる男を見上げる顔は
屹度驚愕に染まっていた事だろう。
「ば、ッ、……莫迦、止めろ!」
「お前、人のはな、し ッ聞いて……ッッ」
じくり
痛みとは亦異なる様な痛痒にも似た刺激に身が跳ねる。
嗚呼、駄目、駄目だ
薄布一枚だろうと、隔てていなければ、
「汚れるから、ッ、……其処、は厭だ……!」
汚れる
汚してしまう
己が生きていた中で、一番綺麗と感じた物を
己の手が、汚してしまうという酷い焦燥に拒否を紡ぎ身を捩る。
びくりとも動かぬ程、抑えられた手の、指をも動かして。
嫌だ、厭だと思うのに視線が其処から引き剥がせない。
霧長 光忠
口の中の甘い血を啜って、
ある程度その勢いが弱くなった頃、口を離す。
小さな穴から、ぷつりと紅い雫が膨らんで―零れた。
それを下から掬い上げるように舌を這わせる。
ゆっくり視線を菫色に合わせて、
優しい、心からの笑顔で囁く。
「汚くない、貴方は 汚くない。綺麗だよ」
目に溜まっていた涙が、ひとつ零れた。
長谷部 切重
「……ッ、……ぅ」
指先から、血気が流れ相手へ取り込まれてゆく
失ってゆくばかりの筈が、融け合って混ざりゆく様で
酩酊に似た感覚にゆる、と首を横に振って耐えようと試みる。
その間ですら、視線を引き剥がせない。
「……綺麗、な」
「綺麗な、ものか、……」
綺麗な物はお前だと
お前こそが、そう続けようとした唇が震えて
言葉にならない。
否定をしなければいけない
嘘はいけないことだ
頭で幾度繰り返しても、眼の奥が
熱を持つのを止められない。
じわりと込上げる歓びを誤魔化せない。
せめてもの抵抗に、首をまた横に振る動きが駄々のようで。
霧長 光忠
長谷部くんの声が震えていたのがわかった。
自分に言い聞かせるようなその言葉に、
胸が締め付けられて、身体が咄嗟に動いた。
持った左手に力を込めて、彼を引き起こし、
驚く彼の顔をちらりと流し見て、抱きとめる。
温かい体温がしっとりと伝わる。
どくんどくんと心臓の音がする。
僕より少し小さい彼はすっぽり収まった。
その感覚をしっかり確かめた後、
彼の耳に唇を近づけて、子どもに言い聞かせるように
優しく、包み込む声でもう一度。
「貴方は 汚くない 綺麗だよ。切重。」
長谷部 切重
血気の交換ばかりが故ではなく、思考が鈍くなってゆく
否定をしなければと、どんどん遠くなる考えが
抱き起された動きで一瞬で霧散する。
「な、 」
何を、と
そんな言葉すら満足に紡げぬ儘、男の腕に抱かれて
体勢を自覚した途端、鼓動が倍かと思う程に早鐘を打つ
なんだ、これは
兎にも角にも、離れなければと右手を間へ入れ込んで
懸命に押し返そうとするも
耳元に響く甘やかな声に身が跳ね、
押す力は瞬時に失せ、咄嗟、服の布地を握り込んで仕舞った。
「ッぅ、ぁ」
ぼろぼろと耐え切れなくなった熱い雫が溢れ出す
嗚呼、眼の奥が熱い。
鼻腔の奥が、つきんと痛む。
泣いたのなんて何十年振りの事だろうか。
そんな事を考える余裕も、今は無く。
「ッ、みつ 、ただ」
「みつ、……光忠、……ッ」
幾度も幾度も名を確かめる様に呼んでしまう。
離れなければいけない
なのに、離れたくない
押し戻す筈だった手は、縋る様に握り込んだ儘
赦された気持ちになって身を震わせていた。
霧長 光忠
抱いた身体が震えて、肩に濡れた感覚がする。
嗚咽が聞こえて、
ぎゅっと先ほどより強く彼を抱きしめる。
身を震わせて、泣き出した彼の背中を
「いいんだよ。僕が いるからね。」
繰り返しながら、とん とん とゆっくり叩く。
僕の名前を繰り返す彼が心底愛しかった。
何があったのかは知らないし、
あまり…聞かない方がいいだろう
落ち着くまで、話してくれるまで、
一緒にいるからね。
そう伝わる様に、左手を掴んでいた手を頭に回して、
ゆっくり、ゆっくり撫でる。
長谷部 切重
綺麗なんて言われるのも
何もかも赦すよう抱き締められるのも。
初めてだった。
見っとも無く泣きじゃくって
布地を握りしめていたのは数分なのか、其れ以上か。
呼吸すら困難になりそうな程の泣き方で
肩で息をし、意識して深く呼吸を繰り返し
漸うと嗚咽も漏れなくなってから、身を引き剥がそうとする。
掌底で目元を無理矢理にも拭い
嗚呼、屹度、何処も彼処も朱に染まっているんだろう。
「――――すま、ない。」
「なんでも、ないんだ。」
取り繕いの稚拙さには、どうか触れないでほしい。
人へ迷惑を及ばせぬ様に暮らせていた筈なのに、
蟀谷がずくりと疼く。
腕の中、近い距離の顔を見上げ
眉尻を緩く下げる
「……まだ、足りない、だろう?」
俺が与えられる物。
何も持たぬ俺でも、確かに渡せる物があるなら。
もっと俺から奪って欲しいと、
伺う言葉の癖、強請る様な色が滲んでしまっただろうか。
霧長 光忠
しばらくの間、そうしていると、
次第と彼も落ち着いてきたようで、
身を剥がそうと動いた。
だけどしっかり腕の中に閉じ込めて、
すこし隙間を空けてあげる。
ごしごし目を擦り、さらに真っ赤になった顔で
なんでもないなんて、そんなわけないでしょう。
「うん、まだ足りない」
彼の言葉に答えて、動く。
目じりに浮かぶ涙を吸うように、キスをする。
涙の痕をなぞる様にゆっくりと舌を這わせて、舐めとる。
頬には唇を合わせて少しその弾力を味わうように吸って。
満足したころ顔を上げて、にっこり笑いかける。
「血も、吸ってもいい?」
長谷部 切重
声が酷く近くで響く事には、未だ身を震わせてしまうも
足りない、と紡がれた言葉には、
瞬時、安堵を得た。
「ん、ッ」
「―――……、……ッ!?」
乱雑に擦ったせいでひりつく目許に受けた感触へ肩が跳ねる。
なんだ今の、と考える間もなく、軟体の熱さを受けて
小さく、呻き声が漏れた。
目尻、頬へと順に受ける唇の感触に頭が混乱から戻ってこない。
否、是は、
幼子に、母がするようなものなのだろう、けれど。
母子の触合い等それこそ縁が無い己には、
我欲で染まりあがって仕舞っている自覚のある、身には
過ぎた刺激に他ならなくて。
「ッや、……血を、……血を吸うん、だろうッ」
嗚呼
視界が回るような錯覚すらする。
上擦った声で否定の様な肯定を紡いで
ああもうと、耐え切れず目を強く閉じて仕舞った。
「良いから、……早くしろ!」
霧長 光忠
目を閉じてしまった彼を見て、
少し呆れたような慈しむ様なため息を漏らす。
顔を背けたなら、僕の目の前の愛らしい耳元にそっと甘く囁く。
「血だけじゃない、その声も、瞳も、唇も、…身体も。
僕が全部欲しい、好きだよ、切重。愛してる。」
背けた頬に手を当ててこちらを向かせてー
その柔らかで少し震えた唇にそっと口付けた。
長谷部 切重
溜息に、
収まった筈である目の奥の熱がぶり返す心地だった。
逸らした顔に、
低音がそっと囁き込まれて、 ひ、と上擦った音が漏れる。
「そん、な 」
「おま、お前が、……ッ」
嗚呼
―――駄目だ。
抑えきった筈の雫はまた壊れた様にほろほろと流れ落ちてゆく。
堪えた筈の感情がまたぶわりと湧き上がって仕舞うのを止められない。
一つ一つ紡がれる其れが嬉しくて、
脳髄から痺れる様な歓びを得て仕舞う。
欲しい。
この男が、欲しい。
血で縛り付けて囲い込んで己の物にした筈の男が
如何仕様もなく欲しくて堪らなかった。
「お前、は……俺の物だ、
一生、俺の物だ…!」
血で縛り付けて血契で縛り付けて尚
口に出せば不安しか無かった。
伸び上がるような動きで以て
己からも唇を押し当てにゆく
押し当てるだけの稚拙さが、精一杯で。
霧長 光忠
彼から押し当てられたその柔い唇を受け止める。
じっくりとそうしてから、
自分のそれで彼をやわやわと食む。
きつく結んでいるかもしれない唇を、
ゆっくりと解す様に。
緊張がほぐれた後、そっと唇を離す。
名残惜しいけれど、言わないといけないことがある。
抱き起した震える身体を、背に手を当てて、
そっと優しく、横たえる。
顔の脇に肘をついて、額と額とこつんと付ける。
僕の想いが伝わりますように、と。
「そう、僕は君の物。一生、君の物だよ。
だから、君は僕の物。一生、僕の物。
血盟で縛れないものも僕が縛ってあげる。
僕は欲張りだから、君の心も、欲しいんだ。君はどう?
長谷部くんは聡いのに、自分の事はさっぱりみたいだから
言葉にして、沢山わからせてあげるね。」
彼はきっと、心と頭の向いている方向が
ちょっとズレて居る。
僕が一緒にゆっくりゆっくり、歩いて行こう。
そう心に決めた。
長谷部 切重
合わせただけの唇を食む動きにまた肩が跳ねた
固く閉じた唇が解されて開いて
無意識に詰めていた息が漏れる
離れゆく唇を名残惜し気に視線が追ってしまった。
再び転じる視界
身体をこれ以上離したくなくて
手が、また男の服を掴もうとするも失敗に終わる
詰められた距離の至近さに今更頭が煮え立つようで
壊れて仕舞った様に雫を零し続ける目許を
拭う事も出来ぬ儘、男の言葉を聞いていた。
「……俺、も」
先は、服を握り込もうとするばかりだった手を
恐々と男の体へ添える
「俺も、お前のものに、なれるのか」
「俺、……俺は、何も、ないのに?」
わななく唇で紡いだ言葉は
其れでも近しい距離であれば届いただろうか。
身体に添えぬ方の手を擡げ、男の頬へそろりと、
布地越しではない膚同士、思い切って指先が頬の稜線を辿る。
「俺の心なんて、
……そんなもの、お前を見た時から
お前が欲しい、ばっかり、だ」
霧長 光忠
延ばされたその控えめな手に頬を摺り寄せる。
その素肌はとても柔らかく暖かく心地よかった。
その感触を感じ取って、顔がふわりと緩む。
彼の瞳を見返しながら、愛おしそうに頬を押し付ける。
そのまま
「君は君のまま、そのままでいいんだよ。
僕はそのままの君が好き。
優しくしてくれた、心配してくれた、見守ってくれた、
本当の君が好きだ。」
最後の言葉を聞いて、少し驚く。
でも、ああと頬を緩めて、僕の手も彼に添える。
「そう…だったんだね。
とても、とても嬉しい…!」
滲んできた涙を湛えた瞳を細めて、心から笑いかけた。
長谷部 切重
頬を押し当てる様な動きに、手が震えた。
反射で引き戻しそうになる其れを意識して留める。
俺が、触れても
俺が触れても
―――――此奴は、変わらずに居てくれるのか。
日向に咲く花の様にわらう顔へ
返す笑みは眉尻の下がった情けない物であったけれど
此奴が赦してくれるのなら
罪であろうとも
「……好きだよ、光忠。」
漸く涙が収まりつつあつ目許は
其ればかりではなく熱を帯びて、あつい。
蟀谷を頬を摺り寄せに顔を寄せて、
その熱を分け合って仕舞いたかった。
「もっと、……なあ、
―――俺の、…飲んでほしい」
飲んで啜って奪って
此奴の中に取り込んでほしくて
同時に融け合うような
ひとつになれるような感覚を思い出して
必要な事と言う理由ではなく
我欲から、あからさまに強請る声で向けた。
霧長 光忠
好き
その言葉が耳に飛び込んできて、
眼の奥が熱くなって涙が溢れてしまった。
彼の要望に、吸血鬼に聞いた言葉を思い出した。
悪い笑みが浮かびそうになるのを堪えて、
優しい笑顔で耳に顔を近づけて、
その輪郭を舐めてから、甘い声で囁いた。
「血を吸うと、人間も気持ちよくなるんでしょう?
溶けあうような、混ざり合ってひとつになるような感覚。
いいよ、僕が与えてあげる。」
すぐに顔を離して、少し下に移動する。
右手でバスローブの胸元をさっと寛げて、
鍛えられた彼の胸をちろりと舐めてから、
彼の顔を見ながら、
大きな口で牙を突き立てた。
じっくり、ゆったりと、衝撃を与えないように…。
長谷部 切重
「ッゃ、……お前の、声、は
響……――――ッッ! 」
柔い笑みに力を抜いた途端の、
耳朶に受けた濡れた感触に身が跳ねる
鼓膜を震わせる深い響に、ぞくりと
甘い痺れが生じるのを散らす様、首を振って逃れにかかる
「……ん、お前と、融け合いた い。」
吸血をされると聞くだけなら
奪われるばかりに感じるのに
「……お前が、なかに入り込むような、
俺の中に、注ぎ込まれるような感じが、……好きだ」
血気の交換
傷口を通じて意識が拡散するような
混じり雑ざり合って融けてしまう感覚
言葉で表すのが難しい不可思議な其れ
首が嫌だと苦し気に漏らしていた男
何処からでも幾らでも食って良いんだと、示す様に
強請る響の声と共に、
ローブの隙間、胸元に掌を宛って膚を撫でた
視線が絡む事が嬉しくて
とろと双眸を細めやる
歯牙を突き立てられる瞬間も、
ゆっくりと白色が埋まってゆく瞬間も恍惚と見詰め
歓喜に躰が震え、湿った息が は、と落ちる。
霧長 光忠
彼の吐息と、溶けるような眼差しが、
僕の理性を追い詰める。
このまますべて奪ってしまいたい気持ちを、
どうにか抑え込んで、溢れてきた血を吸う。
なんて甘やかで熱くて脳髄に響く味なんだ。
一瞬味に溺れた瞳を上げて、彼を見やると、
とろんとして、悦びを湛えた瞳と目が合った。
これは だめだ
このまま見ていたら絶対に僕の欲望を押し付けて、
彼の望むことが出来なくなる。
血に夢中になる振りをして、がむしゃらに
甘やかな血を啜って、舐めて、味わった。
長谷部 切重
手に入れた、などと
傲慢で野蛮な歓びが躰中を支配する様で
細めた眼に熱がどろりと滲むのを止められない。
もっと
もっともっともっともっと血を啜れば良い
動けるだけ残れば良いと浮かんだ考えは
動けなくなっても良いという
己自身から生じる囁きに塗り潰されて仕舞いそうだ。
己に是程の執着があったなど
己に是程に欲望を燃せるなど
懲りずに際限なく強請ろうと
唇を開いた
その時
着信を告げる音が部屋に響き渡る。
霧長 光忠
初めての時は、飢えて血の充足感だけしか
感じなかったけど、今は血気というのを感じる。
長谷部くんの温かいそれが入って来る。
同時に彼の中に、入っていく僕も感じていた。
混じり合って溶ける…なるほど。
でも僕は、どうしても彼を支配できているという
少し歪んだ、そしてとてつもない愉悦を感じていた。
これが吸血鬼になったことで得られたことならば、
夜叉というこの身体を受け入れてもいいと思えるほどに。
その感覚に溺れているうちに、耳障りな音が響く。
僕はあえてそれを無視して、長谷部くんを抑え込んで、
なおも吸い続けようとする。駄々をこねる子どもの様に。
長谷部 切重
登録された番号は一つ
履歴も其れだけ
狗を呼び出すベル
着信音
イコールで其れは仕事の報せだ。
歓びに蕩けていた目の色が瞬時に塗り替わる。
悦びへ弛緩していた身体へすぐに芯がはいる。
「―――仕事だ」
抑え込む手を半ば払う様に除けて
枕元のサイドテーブル上へ置いていた端末を手にする。
この辺りで吸血シーンを終えて血戦で如何だ。
霧長 光忠
うん、わかった
僕は名残惜しそうに見てるだろうけど、すぐに準備する
長谷部 切重 手札の交換だったか?
霧長 光忠 か、な?
長谷部 切重 俺からは、これをやろう。
霧長 光忠 ひえ
長谷部 切重 黒の絵札と交換だ。
霧長 光忠 僕の手持ちがスート的に不穏
長谷部 切重 はは、強くなったなァ?
霧長 光忠
もう完全に吸血鬼だね!RPでもそうだったけどね!
貰ったのがジョーカーなのがまた…
長谷部 切重 二度も俺の血を啜ったんだ、覚醒してもらわなければな。
霧長 光忠 うん、頑張る…でも戦闘が自信がないからな
長谷部 切重
お前の攻撃力に掛かってるからな。
頑張れ。
さて、…切国は離席中か?
霧長 光忠 か、かっこよく決めたいよね(白目)
長谷部 切重 安心しろ、守ってやる。
霧長 光忠 きゅうん
GM すまない、待てせてしまったな。
長谷部 切重 吸血と手札交換を済ませたぞ
GM ああ、ありがとう。
長谷部 切重 終わらせにいこう。
霧長 光忠 うん…
GM
では血戦の舞台を用意する。
各自、駒を血戦台に配置してくれ
霧長 光忠 こう?
長谷部 切重 そうだな
GM
ああ、ありがとう。
子供たちも非難させ、此処に居るのは武装改宗官と血盟のみとなった。
敵を待ち受けるキミたちの前に、高級なスーツに身を包み、整えたひげを蓄えた壮年が姿を現した。
全身から放たれる威圧感は、間違いなく業血鬼のものだ。
”子供好き”バンビーノ 「ん?何だね、キミたちは。まさか、私を邪魔するつもりかね?」
長谷部 切重 バンビーノという割りにおっさんだったな
霧長 光忠
僕はその悍ましい姿を目の前にして
目の前が真っ赤になる。
頭に血が上り、憎しみに支配される
長谷部 切重
「主命なんでな」
「貴様を”救済”してやる」
霧長 光忠 「殺す」
”子供好き”バンビーノ
「はっはっは、そうかそうか。しかし、私は君たちになど、そう簡単に殺されてやるつもりも、救済などというものをされるつもりもない」
「私は、これから食事の時間でね?早いところ用事を済ませたいものだ」
霧長 光忠 「食事なんて必要ないだろ、お前は今日死ぬんだ。」
”子供好き”バンビーノ 「んん?おかしなことを言うねえ。生きていくためには食事が必要だ。それは人も我々も変わらないと思うが、違うかね?」
長谷部 切重
日本刀を腰元からすらりと抜いた
「飢えも乾きもなにもない場所へ連れて行ってやろう」
冷えた眼で紡ぐそれは
隣の男へ向けた物とは似ても似つかぬ凍て付きと共に。
霧長 光忠
長谷部くんの言葉に、自分を取り戻す
彼を一瞥して、自我を保つ努力をする
「罪のない子どもたちに絶望と苦痛を与えたお前に生きる価値はない。」
長谷部 切重
常纏っていた色付きのカソックではなく
夜色の司祭服が風に靡く
胸元のロザリオが、手に持つ刃が月明りを集めて散らした。
”子供好き”バンビーノ
「本当におかしなことを言う子だね?人の子であることに一体何の問題や罪があるっていうんだい?」
「キミたち人間も仔供ばかりを食べる者がいるではないか。仔牛然り、仔羊しかりだ」
「食の好みは人も我々も変わらぬはず。私以外にも、仔供の血が好きなものは、大勢いる。人だけが良し、とはおかしいとは思わないかね?」
霧長 光忠 「吸血鬼に肉は必要ない。命を奪う必要はないはずだ!」
GM
”子供好き”バンビーノ 「それがわからない。おいしいものは骨の髄までいただきたい、そのような欲動に駆られたりはしないのかね?」
霧長 光忠 「ならお前はもう異常だ。この世にいてはいけない。さぁ、死んでもらうよ、業血鬼」銃を構える
”子供好き”バンビーノ 「まあ、いい。私はいささか腹が減っている。邪魔をするというのならば仕方がない。身の程を知り、引くがいい」
GM
ぶわり、と大きく膨らん威圧感に血戒が展開されたことが知れるだろう。血盟を組んだお前たちにはそのような威圧感は何の脅威にもならない。
平然と立っている姿を見て、僅かに驚愕に目が見開かれる。
”子供好き”バンビーノ
「んん?なんだね、立っていられるとは…ああ、そうか。キミたちは[ブラッドパス]とやらを結んだのだね?」
光忠を見て、ため息を一つ。
「…同じ吸血鬼なのに、嘆かわしい。人間に飼われるなど」
長谷部 切重 バンビーノの言葉に、俺は只口端を歪めるだけだ。
”子供好き”バンビーノ 「その軛、私が断ち切ってあげても良いのだがね」
霧長 光忠
長谷部 切重
一瞬、
業血鬼の顔を見る。
霧長 光忠
「お前を殺すことが出来る力の、どこが嘆かわしいのか僕には理解できない。
飼われているなんて考えしか浮かばないお前は本当に低俗だね。
ふたりで共に貴様を殺してあげよう。」狂った笑顔を浮かべるね
”子供好き”バンビーノ 「そうか、哀れな同胞よ。ならばせめて、苦しまないように殺してやろう」
長谷部 切重
ボスの先制値は出されるのか?
同値か
ボスが先だな
GM
ああ、今出した。
まずはボスの生命値分カードを引く
霧長 光忠 え
長谷部 切重
どうした。
またヤバい札引いたのか、切国
GM
えー…と。つぎは、今回はモブはいないから、血戦の開始、だな。
まず、ボスの開始特技を発動する。
長谷部 切重 ああ
GM
ボスが、指をパッチン、と鳴らすと、小さなグールが召喚される。
改めてボスの[開始]特技だ。
”子供好き”バンビーノ
<根源解放>
他の「タイミング:開始」と同時に使用可能。山札からカードを[PC人数]枚引き、1枚を選択。すべてのPCに[選択したカード+5]点のダメージを与え、残ったカードをスタックする。
GM これは山札に戻す。
長谷部 切重 またジョーカー引きやがって
霧長 光忠 はい(白目)
GM 攻撃をするぞ
長谷部 切重
ああ、来い。
13点だな
GM 8+5で13点ダメージを2人に、だ
system
[ 長谷部 切重 ] HP : 39 → 37
[ 長谷部 切重 ] HP : 37 → 25
[ 長谷部 切重 ] HP : 25 → 24
[ 長谷部 切重 ] HP : 24 → 26
霧長 光忠 いだい
長谷部 切重 バンビーノはどんな攻撃を飛ばしてくるんだ?
GM
そうだな…ぶわりと膨れ上がった威圧感はバンビーノの装束を食事時のものへと変えよう。ナフキンを首に、ナイフとフォークを装備する。
そうして、手に持ったナイフをお前たちの方へと投げる。
”子供好き”バンビーノ 「食事も、戦闘も、優雅に美しくなくては」
長谷部 切重
「ッハ、食い意地の張った奴だ」
頬に赤い筋を拵えてわらう。
開始は終わりか?
GM
ああ、こちらの[開始]は終わりだ。
次はそちらの[開始]になる。
長谷部 切重 では、俺も<開始>しようか。
GM ああ、こい!
長谷部 切重
『余所見をするな』コスト黒一枚 スペードの3を使用
「貴様が、この同胞を哀れと思うのなら」
「俺を殺してみるんだなァ?」
不敵に笑って親指で己の心臓をト・と示す。
俺以外を狙えなくなる。
GM ああ、承知した。以降長谷部を狙い撃ちにする。
長谷部 切重 ああ、来い。
霧長 光忠 長谷部くん…!
長谷部 切重
光忠に開始は無い筈だ。――始めようか。
挑発しながら、俺は『闇明視』を発動させる。
GM ああ、わかった。
長谷部 切重 コスト黒絵札一枚。伏せられている右側二枚を表にさせよう。
GM 今下にした、これでいいか?
長谷部 切重 ああ
system [ 長谷部 切重 ] 闇明視 : 1 → 0
GM することがないなら、次はこちらの手番になる。
長谷部 切重 御出で。
”子供好き”バンビーノ
<根源技:美学>
タイミング:準備
[生命カード]2枚を捨て札の任意のカードと入れ替える。入れ替えた[生命カード]は表でセットする。
GM
明かされた2枚を入れ替えよう。
そして、攻撃
”子供好き”バンビーノ
<強者の一閃>
タイミング:攻撃 対象:単体 条件:なし
対象に[山札1枚+5]点のダメージを与える。
GM 狙うのは、長谷部だな。
長谷部 切重 何処からでも御出で。
GM 15点だめーじ
system [ 長谷部 切重 ] HP : 26 → 11
GM
戦闘描写をしておこう。
ひたり、と向けたナイフの切っ先はまっすぐに長谷部へと向かっている。ダーツの矢のようにまっすぐに構えて、眉間を狙ってナイフを放つ。
軌跡を描く中で、鋭い刃がさらに研ぎ澄まされて、長谷部へと吸い込まれていく。
長谷部 切重
弾雨の如く降り注ぐカトラリーが肉を貫く
口端からゴボリと赤が溢れる
「ッ ―――ハハッ」
「こんな物か?」
GM
バンビーノは、にっこりと笑みを絶やさない
こちらの手番は以上だ。
後手手番はどちらが先に動いても構わない
霧長 光忠
では僕から動きたい。
長谷部くんがやられて、僕はもう憎悪と殺戮に支配されてると思うから。
GM
ああ、いいぞ。
かかってこい
霧長 光忠 準備で絶望をお前にもを発動するね。代償はハートの9だよ。
GM
ああ。
攻撃力に+3か。
霧長 光忠 うん
GM 他に使う技はあるか?
霧長 光忠
攻撃で
武器攻撃 コストダイヤの3
+自棄戦法 コスト耐久4
+百華斉砲 コストダイヤのキング
を使いたい。
GM ああ、どのカードを破壊したいか、宣言してくれ
霧長 光忠 ボスのAとモブエネミーだね!
GM
承知した。
今、全部で破壊力いくつだ??
霧長 光忠 7+2+3=12?
GM
ならば。
光忠、描写をするか?
system [ 霧長 光忠 ] 百華斉砲 : 1 → 0
霧長 光忠 うん!
GM 存分に、演出してくれ
霧長 光忠
長谷部くんの傷つく様を見て、僕の怒りは頂点に達した。
内から悍ましいほどの憎悪が溢れ出る。
殺す殺す殺すころすころすコロス!!!!
持てる全てを出し切って、あの反吐が出る宿敵に銃を向ける。
自分の事など顧みず、様々な方向から乱射したそれは相手を容赦なく襲う。
system
[ ”子供好き”バンビーノ ] 生命力 : 5 → 4
[ グール ] 生命力 : 1 → 0
[ 霧長 光忠 ] 耐久値 : 17 → 13
GM
光忠の放った銃弾は、散弾し、バンビーノと幼きグールを灰とした。
さらさらと、崩れていくその灰は、バンビーノと幼きグールの死を物語っていた。
やった、か。そう思ったのも束の間。
崩れた灰はぐんぐんとその質量を増し、紅き血煙が周りを覆っていく。その煙が晴れた時、ぴしりとスリーピースに身を包んだ男が平然と立っていた。傍に小さな灰の塊だけを残して。
霧長 光忠
はあはあと荒く息をしてそれを認識する
幼い グール
あの子たちと重なって、僕は狂ったように叫んだ
長谷部 切重
では、俺の手番タイミング<攻撃>で
血威<戦刃の技>を使用。
コスト:黒絵札一枚(クラブK)
対象の[生命カード]1枚を、スートと数値を無視して破壊する。
スタックの二枚一組を指定。
何処も彼処も皮膚は破れ
夜色の司祭服が一層濃く濡れる。
命が逃れてゆく
指先が冷えて頭の芯も冷えてゆく
そんな中で、
愛しい男の放つ銃弾は泥人形も
業血鬼をも貫いてゆくのを見て
ニィ、と歪んだ笑みを敷いた。
孔傷だらけの躰をふらりと寄せて
抜き身で持つだけだった刃を横に振りぬく
――――返す刃の勢いは、突風の如く。
「俺の刃に斬れない敵はなし!」
GM
一太刀、返す刃でもう一太刀。
パッと散る紅い鮮血が長谷部の服を尚赤く染めただろうか。
ざらっと灰となり崩れていくその男は、まだ笑みを崩さない。散った己の命すら、かき集めてまた形を成していく。
紅い赤い血煙に灰は人型をなしていく。
”子供好き”バンビーノ 「ああ、痛いではないか。甘美な痛みだ。さて、まだまだやり足りないだろう?こんなものでは、ないだろう?」
GM
第一ラウンド終了。
ボスは「終了」の特技を使用する。
”子供好き”バンビーノ
<生奇た芸術>
タイミング:終了 対象:単体 条件:血戦1回
[戦闘不能]のモブエネミーに使用。[戦闘不能]を回復し、生命カードを1枚表でセットする。
「さあ、お前も、まだやりたいことがあるだろう。おいで、一緒に彼らと遊ぼうね」
GM
ボスの指先から一滴。血がポタリ、と小さな足元にある灰の塊に落ちていく。
ぶわり、と質量を増した一滴の血液が、灰を包み込み、小さな体を作り上げていく。
モブエネミーの復活だ。
霧長 光忠
僕は信じられないといった表情でそれを見る。
復活した小さな身体に顔をしかめる。
この子は、何度、同じ苦しみを味合わないといけないのか…
バンビーノへの憎悪が膨れ上がり、壊れそうだった
GM
ラウンドの開始に戻る。
駒を戻すぞ
長谷部 切重 ああ
GM [開始]特技。こちらは特にない。
長谷部 切重 では
GM そちらの開始があれば使ってくれ
長谷部 切重
『余所見をするな』コスト黒一枚 クラブの5を使用
「どうした?
―――俺は未だ生きているぞ、業血鬼」
”子供好き”バンビーノ 「はっはっは、いいねえ。その威勢の良さはとても好ましい、ならば私も、本気で行こうか」
GM 開始特技、ほかにないなら、ボスのターンに入る
霧長 光忠 僕は無いよ!
GM それじゃあ、こちらの手番から行くぞ
”子供好き”バンビーノ
<死飾の美>
タイミング:攻撃 対象:場面(選択) 条件:なし
対象に[山札1枚]点のダメージを与える。この<特技>の効果で出したカードが赤色だった場合、与えるダメージに+5する。
GM
場面(選択)だが、ここは長谷部に集中砲火する。
光忠は狙わない
霧長 光忠
GM
赤絵札A(11点)として扱う。
+5点で長谷部に16点ダメージだ。
霧長 光忠 ひどい
GM
バンビーノがナイフを一振り、二振り。
無数の見えない刃が長谷部の服を切り裂き、肉を裂く。
ちらちらと赤く染め上げるその肢体に満足そうな笑みを浮かべる。
”子供好き”バンビーノ 「大人の肉は好まない。しかし、死ぬ時くらいはきれいに着飾らせてあげようね」
霧長 光忠
「!?!?!!?
…っ長谷部くん!!!」
system [ 長谷部 切重 ] HP : 11 → 0
長谷部 切重
血威<忠の歯車>
コスト:黒絵札一枚 クラブJ使用
刃持つ手は其れを握り込む儘
両の手を、緩く広げ
狂おしい程に降り注ぐ虚の刃を浴びる
「はッハハ ……ははははッッ!!」
血は流れ肉が裂け傷が花開こうと
零れる命はひとつとて
俺の物では ない
――――この躰は。
神によって与えられ
神のために育てられ
神の障害を排する為に
主の代わりに刃を持つ
嗚呼神よ
あなたのしもべは、今此処に
「俺を、殺しきれなかったなあ?」
傷口も塞がれ血は乾き
菫色が狂信の光に濡れる
抱擁の如く広げていた両の腕を緩々と閉じ
月光を跳ね除ける白刃をまた構え直した。
system [ 長谷部 切重 ] HP : 1 → 39
system [ 長谷部 切重 ] 戦刃の技 : 1 → 0
GM 甦ったことへ、驚くバンビーノだが、相変わらず笑みをその顔へと張り付けたままだ。
”子供好き”バンビーノ 「はっはっは、いやいや、まったく。楽しませてくれるじゃあないか。少し、見くびってしまっていたようだね?もっと楽しもうか」
GM
パンパン、と手を合わせ、大仰に腕を広げる。
こちらのターンは終わりだ。
後手手番に入る
長谷部 切重
俺は戦力にならんからな
光忠、頼んだ。モブを救済してこい。
霧長 光忠
はい!!
準備で絶望をお前にもを発動
コストはハートのクイーン
GM ああ
霧長 光忠 ぴえん
GM 人に近づいてきたか…?
長谷部 切重 真逆だなあ。
霧長 光忠
攻撃で
武器攻撃 コスト クローバーの2
+自棄戦法 コスト耐久4
system [ 霧長 光忠 ] 耐久値 : 13 → 9
霧長 光忠 モブエネミーに攻撃するよ!
GM ああ、破壊値は12か?
長谷部 切重 そうだな
霧長 光忠 うんそう!
GM
では、幼いグールは光忠の放った銃弾で心臓を打ち抜かれる。灰と帰すその刹那。
光忠にはその幼い子供が微笑ったように見えた。
「ありがとう、おにいちゃん」
そういっているかのような、そんな微笑だ。
幼い体はすぐに、さらさらと灰となって積もっていく。
霧長 光忠
ごめん、ごめんね
甦ってしまったあの子に銃口を向ける。
せめて、楽に…。そう願って眉間に狙いを定める。
撃った瞬間のあの子の顔。
ああ、なんて、ひどい…ひどい…。
あの子が僕に感謝を願うなんて、なんて残酷な。
許せない、絶対に、あいつは、あいつだけは!!
憎悪が何倍にも膨れ上がる。
GM 手番は長谷部にまわるか?
長谷部 切重
では俺は<武器攻撃>だ
コストは手札一枚、ハートの3を使用。
ヒュ、と刃を振りぬいて
業血鬼を切り裂きにゆくが――ーさて。
GM ああ、どれを狙う?
長谷部 切重 一番左だな
GM
これだな。
破壊値は?
長谷部 切重
俺は何も乗らないからな、7の儘だ。
破壊出来ない場合でも表返るだろう?
GM わかった
”子供好き”バンビーノ 「はっはっは、そんな甘い太刀筋じゃあ、私を傷つけることなどできないよ。どうしたんだい?先ほどまでの勢いは」
GM こちらは10で、破壊できず、だな。
長谷部 切重 「生憎と、俺の刃は別にあってなァ」
”子供好き”バンビーノ 「そうかい?ではその刃、見せてもらおうか」
GM
ラウンド終了だ
「終了」特技がなければ次に進む
ボスにはない
長谷部 切重 こちらも無いな。
霧長 光忠 ないよ!
GM
では「開始」だ。駒を所定の位置に戻す
何か使う特技はあるか?
霧長 光忠 ないです!
長谷部 切重
『余所見をするな』コスト黒一枚 クラブの9を使用
「そう焦るなよ、……それとも」
「俺を殺せないと、漸く理解ってきたか?」
菫色を細め、歪な笑みを敷く。
何処からでも御出
お前は俺以外を見れないのだから。
”子供好き”バンビーノ
「ふふ、まあそう焦らないことだ。一人で逝くのが哀しい、そうだろう?」
<死飾の美>
タイミング:攻撃 対象:場面(選択) 条件:なし
対象に[山札1枚]点のダメージを与える。この<特技>の効果で出したカードが赤色だった場合、与えるダメージに+5する。
GM 今度は2人に攻撃するぞ
長谷部 切重
範囲であれば仕方ないな。
来い。
霧長 光忠 こい!
GM
おっと。よかったな?
10点ダメージを2人に、だ
霧長 光忠 (死)
system
[ 長谷部 切重 ] HP : 39 → 29
[ 霧長 光忠 ] 耐久値 : 9 → 0
霧長 光忠 此岸回帰を使います。コストはダイヤのエース
GM
承知した。
最後の一枚、引いてくれ
霧長 光忠 ハートだ!
GM
おお、引けたな。
後二回は攻撃が通りそうだ
system [ 霧長 光忠 ] 耐久値 : 8 → 30
霧長 光忠
ナイフが僕の頸動脈に突き刺さる。
その血の勢いは、ナイフの刺した傷口を押しのけて噴き出す。
ああ、この感覚。『前』にも感じたこの…。
慣れてしまったこの感覚。 死 だ。
目の前が暗くなり、膝から崩れ落ちた。
長谷部 切重
倒れ伏した男の躰を
黒濡れた革靴のトゥで表返す様、足蹴にする
光の失せた眼を見下ろす菫色がにんまりと撓る
「とっとと起きろ」
「―――俺の男が、この程度で死ぬものか」
「起き上がって御出で 光忠」
其の声音は
いつぞや屍の山で嘆きに暮れていた男へ向けたと同じ
甘い 甘い響きを以て。
霧長 光忠
甘い…甘い 声が、する。
甘美で背徳的な声。僕が愛する、そのひと。
そうだ、僕はまだこれを受け入れるわけにはいかない。
自分の身体に未練はないけど、
遺してはいけない人が、いるから。
一度止まった全身の血が、熱く、巡るのを感じる。
そうだ、この血は、僕と彼の 血。
「長谷部くん、ただいま」
ゆらりと立ち上がって、彼に向けた顔は 笑顔。
長谷部 切重
「ああ、――良い子だ」
ふわと狂信の光は其の儘
菫色を笑みへ細める。
「お帰り、光忠」
system [ 霧長 光忠 ] 此岸回帰 : 1 → 0
霧長 光忠
えへへ、と笑顔を崩して少し笑う。
そのままぐるりと頭を巡らせて、
今度は少し傾げて憎い相手を冷えた目で見据える。
「次はお前の番だね?」
GM
ではこちらの手番は終了だ。
後手手番だ
長谷部 切重 では俺から。
GM ああ、こい
長谷部 切重
<武器攻撃>を使用 コスト:手札一枚
ハートの5を支払う。
先程と同じように白刃を振りぬいて斬り付けよう。
伏せられている其の一枚を狙うぞ。
攻撃力は修正なしの値、7だ。
”子供好き”バンビーノ 「ふふ、はははっ 君は本当に、その太刀筋をお勉強してきたんだねえ。いやあ、良いことだ。これからもちゃあんとお勉強して、強くなろうね」
GM
――生きていられたらね?
そう笑うバンビーノの数値は10、破壊できないな。
長谷部 切重
「……此から、お前がじっくり味わう刃は別だ。
つい先程の言葉すら、思い出せない脳になったか?」
厭な手札だな相変わらず。
霧長 光忠
強いよぉ!
では僕かな?
GM ああ、光忠の手番だ
長谷部 切重 「御出で、―――俺の刃」
霧長 光忠
長谷部くんに向かって飛び切りの笑顔でその言葉に答えよう。
準備で絶望をお前にもを発動
コストはハートの10
武器攻撃 コストクローバーの3
+自棄戦法 コスト耐久4
system [ 霧長 光忠 ] 耐久値 : 30 → 26
GM どれを破壊する?
霧長 光忠 じゃあ一番右?
GM クラブのQか
霧長 光忠
うん!
冷えた目のまま、無言で銃を叩き込む。
憎い憎い憎い憎い!!
憎悪を弾丸に込めて、撃ち続ける。
たとえその身がどうなろうと。
GM
光忠の放った銃弾はまっすぐに、確実にバンビーノの肢体を打ち抜く。
一発が心臓を打ち抜けばさらさらと灰となっていくのも束の間。すぐに赤く飛び散る血が、灰を集めあの憎き男の姿を構成していく。
これで、皆の手番が終わったか?
霧長 光忠 うん
GM ラウンドの終了。終了<特技>があればここで使えるが、ないな?
長谷部 切重 終了はないな
霧長 光忠 ないよ!
GM
では、ラウンドの「開始」だ。
使用する特技があれば宣言してくれ。
こちらは特にない。
長谷部 切重
『余所見をするな』コスト黒一枚 クラブのAを使用
「人間一人、まだまだ殺せないなァ? 業血鬼」
GM ではこちらの手番だな
”子供好き”バンビーノ
「そうだなあ、いやあ実に楽しい。このような余興はとてもいい」
<死飾の美>
「一緒に飾ってあげるからね」
タイミング:攻撃 対象:場面(選択) 条件:なし
対象に[山札1枚]点のダメージを与える。この<特技>の効果で出したカードが赤色だった場合、与えるダメージに+5する。
GM 5点のダメージを2人に、だな
system
[ 長谷部 切重 ] HP : 29 → 24
[ 霧長 光忠 ] 耐久値 : 26 → 21
霧長 光忠
「あはははは!ホント、素晴らしい余興だ!」
狂ったようにその刃を受けよう
GM
ずいぶんと小さなあたりだ。
ナイフの切っ先は、ほんのわずかに二人の体をかすめたに過ぎない。
長谷部 切重
弾丸は憎しみも何もかも込めて
業血鬼の命を着実に蝕んでゆく
業血鬼――バンビーノから放たれる一撃が
今となっては酷く弱々しいのも、
また其れを示しているかのようで
その姿に恍惚ともいえよう笑みを浮かばせて
「まだだ。
まだ、とてもとても足りないだろう?」
「たらふく撃ち込んで、
憎悪も嫌悪も殺意もまだまだ浴びせてやれ」
「出来るな? ―――俺の、光忠。」
霧長 光忠
どんどん追い詰められるたびに
僕の中の何かが壊れていく感覚がする。
それを保つのは
…ああ、そうだ、この 声
「うん、もちろん ボクの キリエ 」
もう優しい、甘い笑顔ではない狂ったような狂気の笑み
彼に向けていいものではないのに、止められない。
あいつを、殺せる!!
その歓喜と憎悪と快感とをのせた笑みだ。
準備で絶望をお前にもを発動する。
代償はハートの7。
攻撃で
武器攻撃 コストスペードの5
+自棄戦法 コスト耐久4
system [ 霧長 光忠 ] 耐久値 : 21 → 17
GM どれを破壊する?
霧長 光忠 スペードのクイーン!
GM わかった
霧長 光忠
「あはっあははは!!
痛い?苦しい??そうだよねぇ!
だって死ぬんだもんね!」
さらに激しい銃撃。
跳ね返った弾丸が僕を貫くのも快感に思えた。
ああ、僕は化け物。
でもそれでも彼は赦してくれる。だから―
GM
ばす、ばすっと打ち抜く銃弾はバンビーノの命を削っていく。灰になってまた蘇る。
わずかながら、息が上がっているようだ。
余裕の笑みを崩す素振りはないが、もうあと一撃、残りの命も多くはないことを物語っているようだ。
さあ、ほかにやりたいことはあるか?
霧長 光忠 絶命共撃を発動するよ!
長谷部 切重 では、俺は光忠の代わりにコストを支払おう。
GM ああ、こい
長谷部 切重 吸血鬼の【想】―――ダイヤのQを使用する。
霧長 光忠
長谷部くんの考えていることが、
頭に入って来る。
何処に撃てばいいか、わかる。
憎い業血鬼の太腿を撃ち抜き、
移動を制限してから、腕を撃つ。
赤い赤い血が流れる。
震えるほどの快感が襲う。
首、頭、耳、脇腹を弾丸が掠める。
殺さないように、慎重に。
愉悦が浮かぶ顔は悪魔の様だったろう。
ちらりと長谷部くんを見る。
長谷部 切重
寄越された一瞥にとろりと笑った。
血の楔
互いに果てる迄、解けぬ朱の鎖
血と引き換えに得た想いを
練り上げ纏わせて、己が持つ白刃へと絡ませる。
其れは、闇夜を柔く照らす月光ではなく
あかあかと周囲を苛烈に照らす地獄【ゲヘナ】の焔
「―――死ね。
主に歯向かったというだけで、理由は十分だ!」
ゴウと燃え盛る音と共
振りかぶった刃を脳天から圧し切りにかかる。
A+Joker 22点だ
GM 2人の息の合った攻撃がバンビーノへと突き刺さる。がふっと口から血を吐いて、それでもうっすらと笑みを浮かべて。
”子供好き”バンビーノ 「…ああ、…最期に美味いものを、戴きたかった……」
GM
最期に一言だけ、残し灰となり積もっていく。その灰はもう二度と彼を形作ることはない。
お疲れ様、戦闘終了だ。
system [ ”子供好き”バンビーノ ] 生命力 : 4 → 0
長谷部 切重
灰塵となり果てた業血鬼を前に
焔刀を鞘に納め
ロザリオへ口付ける様に短い祈りを挟む。
「塵は、塵に。」
「―――”救済”完了だ」
霧長 光忠
憎き業血鬼が灰になった瞬間、
脚ががくんっと折れた。
どさっと座り込んで、
銃を掴んでいた両腕がだらりと垂れる。
カタカタと興奮と安堵と恐怖で震えていた。
彼の言葉にハッとして、見上げる。
長谷部 切重
任務を終え、狂信の光は失せた菫色で男を見る。
熱狂が嘘の様に静かな声で、
だが、口許にははにかみが薄く滲んだ。
「……帰るぞ、光忠」
緩く、手を差し伸べて。
霧長 光忠
彼の綺麗な菫色。
甘く優しく響く声が懐かしく感じた。
はにかんだ笑顔に、僕もつられて笑う。
のばされた手を取って、
「うん、帰ろう。僕らの家に。」
GM
使った手札を捨て札に、新しい手札を山札から引いてくれ
で、駒をもう引いていいぞ。
場面を切り替える。
長谷部 切重 ああ
system [ 霧長 光忠 ] 絶命共撃 : 1 → 0
GM
業血鬼を打倒し、二人の初仕事は終了した。
ずいぶんと長く戦っていたような、一瞬であったような。後のことは教会の武装官らが始末をつけるという。二人は教会の手配した救急車に連れられてまずは手当、と付属の病院へと運ばれることだろう。
終幕フェイズだ。
ここでは、業血鬼を倒した後の血盟2人の日常を演出する。
やりたいことがあるなら言ってくれ。
ない、わからない場合は、日常表を参照してくれ
長谷部 切重 俺は数日入院かな
GM 入院だろうな。
霧長 光忠 僕は先に退院して、長谷部くんのお見舞いに行きたいな
GM 長谷部もそれでいいなら、場所は病院にするか
長谷部 切重 ああ、じゃあ都合よく個室にぶち込まれてる事にするか。
GM 内容はどうする?
霧長 光忠 僕が甘いもの買っていくかなぁ
長谷部 切重
内容はそのまま見舞いじゃないか?
見舞い序に表から足しても良いが。
霧長 光忠 お見舞いはお見舞いでいいと思うなぁ
GM
では、「病院で見舞い」
演出をしてくれ
霧長 光忠
僕は長谷部くんより早く退院した。
吸血鬼なんだから当然なんだけど、
なんだかちょっと、寂しいと思ってしまう。
けど、僕が吸血鬼だからこそ、
長谷部くんと出会えて、過ごせて、戦える。
それを実感した今は、それほど悪くない。
甘いものを買っていこう。
彼は食の趣味がないらしい。
色々食べてもらって、趣味を知っていこう。
というのは半分建前で、僕が楽しみにしてるだけだけど。
近くのケーキ屋さんで、
ちょっと高目の卵たっぷり使ったプリンを
僕と長谷部くんの分を買って、
ブラックのコーヒーと甘いカフェラテを買って
長谷部くんの病室に向かった。
長谷部 切重
初の業血鬼戦を終えた俺は
数日の療養を言い渡され、
個室へと入院する事になっていた。
今迄とは異なる回復力に
己の躰が作り替えられている事を実感する。
運び込まれた直後は多少痛みや動きづらさがあったが
今となっては問題なく動く程、恢復をみせていた。
付属のテーブルを寄せて
寝台上へ長座の姿勢となり報告書等の書類を片付ける。
放たれた技の特徴、威力、
後へ繋げる為には、必要なものだ。
個室であることも幸いだった
静かな病室に、ペンの走る音が響く
霧長 光忠
コンコン
病室のドアをノックをして返事を待つ
長谷部 切重
ふと、手を止めて顔を上げる
病室にノックを響かせる相手のあては――ひとり。
「……、どうぞ。」
どう、返したものか言葉を探す間が空いて
短い許可の言葉を扉へ向ける。
霧長 光忠
「長谷部くん、体調はどう?」
と笑顔で声をかけて…目に映る光景に、
僕はわなわなと震えて、つかつかと詰め寄る。
「長谷部くん!仕事はダメって言ったでしょう!」
荷物を持ってない方の手の人差し指で、
長谷部くんの鼻をグイっと上げる。
ぷふっと笑ってしまった。
長谷部 切重
「ああ、もう随分動くようになったぞ。」
「今日にでも退院が出来ると思うんだが、
もう少し入院が必要らしくてな……どうした?」
調子を尋ねる声に目を細め応じるも、
一転して詰め寄る調子に、え、と狼狽の声が漏れる
「否、しかし俺はもう何ともなくてだな
……止めろ!」
鼻を押し上げられて、首を横に振って外させる
ベッドの上で、ずり、と心持後退するが
元々背には枕とベッドヘッドなので余り意味のない抵抗だった。
「仕方ないだろう、書類は待ってくれないんだから」
言いつつ、来訪を迎えるため、テーブルの上の書類を纏めて
端へ寄せ、其処の椅子を使え、と寝台脇の折り畳み椅子を示す。
霧長 光忠
「本当に異端改宗室はブラック企業すぎるよね。
血戦だって深夜じゃないか。」
勧められた椅子に腰かけてぶつくさ言う。
僕を受け入れてくれるのは感謝しているけど、
長谷部くんの様子を察するに、非人道的なことも
行われている組織なのは察せる。
だからこそ、僕がストッパーにならないと、
いつか彼を失うかもしれないな、と悲しくなる。
「………あ、そうだ。
お見舞いにプリン買ってきたよ。食べない?」
長谷部 切重
「業血鬼どもが活性化する時間帯が夜だからな、
眠りたいから一晩待て、なんて聞いてくれる相手じゃあない」
その分、昼の奉仕活動は
武官であれば一部免除される事もあるようだ
そう他人事の響で告げては
己以上に不満を零す顔を見て、可笑し気にわらう
「男前が台無しな顔をしているぞ。」
「――ああ、……見舞いの品まで貰って良いのか?」
そういえば何か手に持っているなとは思っていたが
己宛ての物とは思わずにいたため、
はつ、と瞬いてから嬉し気に双眸を細める。
「では、有り難く。…共に、食べてゆくだろう?」
霧長 光忠
彼が笑う声がして、顔を上げる。
長谷部くんの笑顔、好きだなぁ…
「もちろんだよ!
……長谷部くんプリン食べたことある?」
プリンとコーヒーを出しつつ、
まさかそんな事…と思って一応訊ねる。
長谷部 切重
「プリン、……は、無いな。
見た事ならあるが。」
存在を知ってはいるが
口にした事はない、甘味の名に首を傾ぐ。
珈琲も買って来てくれた事を知って
顔が小さく綻んでしまった。
「プリンが、好物なのか?」
霧長 光忠
僕は愕然として、長谷部くんを見返す。
いや…覚悟はしていたけど、なんて…
なんて勿体ない人生を歩んできたんだい!
「うん、プリン大好きだよ。
とても甘くておいしいし、くちどけが良くて、
コーヒーとも良く合うと思う。
気に入るかな…」
長谷部 切重
「……そうか。覚えておく。」
何やら愕然とした様子に傾いだ首の角度が増したが
気を取り直して、甘味の説明を聞く。
「何にせよ、初めて食べる物を
お前と共にというのは悪くないな。」
先ずは珈琲をあけて
プリンも開封する。
ふわりと昇る甘い匂い
付属のスプーンを手にして、短い祈りを挟んだ。
スプーンをさしこんだ感触が思いのほか柔く
そろりと口へ運んで、一口。
ん、と言葉を紡ぎそうになって急いで飲み込む。
「柔らかくて、甘い。
…………美味いな、これ。」
霧長 光忠
うっと彼の言葉に赤面し、少しうつむく。
彼の無意識で素直な発言にまだ慣れない
すぐ顔を上げて、彼の食事を見守る。
ちょっとドキドキしながら、感想を待つ。
美味い。その言葉を聞いて、笑顔がこぼれる。
「そうでしょう?
いろんな種類のプリンがあってね。
これは少し柔らかいけど、もっと固かったり、
とろとろで柔らかかったり…。
どれが一番好きか、今度食べ比べしようね!」
長谷部 切重
「……ふふ、……甘い物は普段買わなかったが。
偶にこうしてお前と食べるのも、良いな。」
糖分は炭水化物で摂れると思えば
甘味は過分な品と判じていたように思う。
説明に、時折頷いて
深い所から掬い上げた一口にほろ苦いカラメルが雑じり
一層好みに思えて上機嫌に目を細める。
「この、底にある…ソース?、が良いな。
……色々ある中では、お前の好みはどれなんだ?」
どうせなら、相手の好みが知りたいと
挙げられる種類のどれだと問うて
「プリンだけじゃあなく、
お前の好きな物、色々教えてくれ」
霧長 光忠
僕もプリンを口に運ぶ。
彼と食べるプリンは、とても甘くて幸せな味だった。
「そっか、長谷部くんは
ちょっと苦い味が好きなのかな。
だったら今度はティラミス買ってこよう!」
うまうまと食べつつ、彼から問われた答えを探す。
「うーーーん…
好きな物、たくさんあるからなぁ…
そうだ!今度退院したら、僕が用意するよ。
食べた方が味もわかるし、楽しいしね。
プリンみたいに、一緒に食べてくれる?」
長谷部 切重
「ティラミスか。
……ん、でも苦いとお前は、喰えないだろう?」
珈琲も紅茶も、砂糖とミルクが必須と言っていたのを思い出し
お前が食べられるものが良い、と注文を重ねる。
「なら、沢山教えて欲しい。
菓子に限らず、なんでも良いんだ。」
「食事というなら、
……こうして共に食べられるのは、嬉しい。」
気付けばプリンはすっかりと空で
名残惜しそうにカラメルを掬って一口食べてから
漸く容器をテーブルに置いて、食後の祈りを述べた。
霧長 光忠
僕を心配する一言に、えっと驚くが
そうだ、彼ならそう言ってくれるに決まってる。
にこやかに笑って、大丈夫と答える。
「うん、いっぱい知っていこう。
気付かないだけで、感動すること、
心が震えることはたくさんあるんだから。
一緒に食べるのも楽しいけど、
一緒に作るのも楽しいよ?
今度休みがあったら、ご飯を作ってみない?」
長谷部 切重
「……お前と一緒なら、其れも良いかもな。」
己一人がと思えば、何も必要ないと思うも
この男とと思えば、何もかも良いと思った
しかし、告げられた言葉には虚をつかれた様な顔となる。
「―――作る?
否、そんな手間をかける必要はないぞ
この辺り、商店は多いからな。
買ってくる方が、楽だろう? 」
「……お前、腹は減っていない、か?」
ふと、落ち着かぬ心地で添えた問い。
丸一日、以上が経過した今
餓えていないかと、思い当たっての。
霧長 光忠
「そうだねぇ、楽だけど…
長谷部くんが洗った素材を、僕が切ってさ
長谷部くんがかき混ぜてるお鍋に、僕が味付けして…
って想像したら、楽しそうだと思わない?」
人差し指を立てて、少し上を見つつ、
想像を膨らませながら…
楽しそうだなぁって思うと自然と笑みがこぼれる。
と、彼の突然の言葉に、はっと向き直る。
お腹……意識したら、その欲望が内から湧き出すようだった。
ああ…こうやって食事で満たされるならよかったのに
と思う想いと、長谷部くんに触れられる歓びが交差した。
長谷部 切重
「……しかし、
お前にそんな手間を掛けさせるのも悪いだろう。」
「俺は、調理なんて経験が無いから、
きっと、…邪魔なり足を引っ張ると、思うのだが」
孤児院を出てから
買ったものしか口にした事がない
しかし、想い巡らせている様子が、楽しそうで。
幾つか教本を探しておかねばと密かに決意して
「それでも良ければ、頼む」と小さく述べた。
「……無理に、喰う必要はないが」
「沢山頑張ったからな」
疲れて、餓えていないか?、と
菫色を柔く細めながら、テーブルを足元へ除ける
「喰いたいと思うなら、
何処からでも御出で」
緩く両の手を広げながら、どうぞ、とばかりに。
霧長 光忠
「うん、もちろん!
長谷部くんに僕の手料理食べてほしいんだ。
こう見えても料理は得意だしね!」
頑張ったから という言葉に目を細める。
僕を受け入れてくれる、
赦してくれる彼がとても愛おしく、
同時に少しいたずら心も沸いて…
少し距離を詰めて、彼の菫色を見つめながら
「長谷部くん、プリンの最後の一口あげるね。
目を閉じて、あーんって、して?」
低く甘いカラメルのような声でこう囁く。
長谷部 切重
「料理が得意、なのか。
……お願い、しても、……良いなら。」
赦されるのなら、
誰かの、ではなく、この男が作る物を食べたかった。
間近に見えた赤色に、何処から喰う気だろうと
何処からでも良い様に広げていた腕を
男の躰へ添えさせて
「……っ、?
お前の食事、じゃあないのか?」
甘く深い声にまた背筋が震える
てっきり、との思いから不思議な気分で問い返すが
大人しく目を閉じ、あ、と口を開いた。
霧長 光忠
自分の口に、プリンを入れて。
そのまま長谷部くんが、無防備に開けた口を見る。
ああ…なんて……。
長谷部くんが目を閉じていてよかった。
「……ぁ、…んっ」
少し顔を傾けて、
そっとその唇に自分の唇を合わせて、
閉じられる前に自分の舌を彼の中へ滑らせる。
引っ込まれるだろう舌を絡めとって、
プリンの甘さと彼の甘さ、とろとろに溶けて―
くちゅ ぐちゅり と湿った音が耳を刺激する。
こくんと飲み込めば、胸焼けするほどに甘く、
そして欲を刺激する甘美で罪な味がした。
長谷部 切重
そういえば俺は、己の分をすっかり食べてしまったのに
此れ以上、貰うなど、良いのだろうか。
そんな考えが脳裏を掠めたとほぼ同時
柔い感触と甘い、
其れは甘味よりも痺れを齎す感触で。
何が起こったのかを把握するよりも先、
反射で引込めようとした舌を、捉えられて
「ッぅ……う、――んンッ!」
何だこれは
こんなの、知らない。
逃げる素振りはほんの短い間
軟体同士が絡み合い、
流し込まれるプリンの甘さよりも
味蕾同士をざらと擦れ合せる刺激に夢中になった
己の物ではない熱い肉の表面を擦り
甘味よりも甘く感じる唾液を喉に流す
湿った音にすら背筋が震える
触合う箇所は口腔ばかりであるのに
全身から、力が抜けてゆく
「っふ、……ぅ、……」
喉を鳴らし飲み込んでも、
唇を離し難くて
強請る様に押し当ててゆく。
霧長 光忠
彼が夢中で返してくれているのが伝わって、
僕の中で何かがぷつんと切れた音がした。
擦り合わせるだけだったそれを、
上顎のざらつく天井を擦ってみたり、
かと思えば歯列に沿って
ゆっくりと這わせてみたり、
僕も息が続かなくて
「……っハッ…んぅ…は、ぁっ」
と吐息が漏れてしまう。
しばらくその感触を楽しみ、
彼の吐息を聞いて、幸福と快感を貪っていた。
口の中の甘い蜜を吸うように、
少し陰圧掛けて、彼の舌を刺激して、
そっと口だけ離す。
吐息が当たる位置で
「…っ美味しかった…?」
と掠れた声で囁く。
長谷部 切重
粘膜同士の接触が一層深まって
上口蓋を軟体がざらと擦りあげてゆくのに
今迄にない程の甘い甘い痺れが生じて腰が跳ねる
「んン、……――ぅ、… っふ、」
息が、追いつかない
酸素が足りない
なのに唇を離したくない
この男が、もっと欲しい。
軟体へ感じる刺激も
雑じり合う互いの唾液も
混ざり合う熱も、全て全て足りないと
そっと放される唇に
伝う細い糸をも惜しむ様、出した舌で舐め取って
「 足り、 な、い」
頭には血が昇って
酩酊のように眩んで
躰の力など疾うに抜けているけれど
荒い息をつぎながら、
もっと、と力無く零した声で強請る。
霧長 光忠
恥じらうか、困惑するか、
そう思っていたのに、妖艶に舌を出して
惜しむように蜜を追うその様と
欲望に染まった声が僕の理性を吹き飛ばす。
近くて、見えていないだろうと、
いびつに口角が上がってしまう。
傍から見れば、悪い狼に誑かされた
無垢な少年の様に見えるかもしれないほど、
僕の心はドロドロで汚い欲望に染まっていた。
「…っは、そんなに気に入った?
今度はもっと、好いと思うよ…?」
傷つけないようにと、丸くしていた牙を尖らせて
口角を引き伸ばして、にぃっと笑う。
長谷部 切重
どんなにはしたない顔を晒しているか
どんなにもふしだらに強請っているか
顧みるような余裕はひとひらも無く
ただ、
視界の中で、歪に笑んだ赤にすら、
背筋が震えて、甘い痺れが腰へと落ちた。
「……お前、が くれるのは、
全部気持ち、良 い、……」
未だ落ち着かぬ息を構わず
気に入ったかの言葉に何度か頷き乍、
顔を寄せ、
見えている歯牙を舐めにゆく。
軟体の先を尖らせる様にして
歯牙の先端を舐め、
軟体へと沈ませるよう誘う
霧長 光忠
彼の言葉に、真っ白なキャンパスを血をぶちまけて
汚してしまうような、ほんの少しの罪悪感と
優越感が身を襲う。
コクコクと自分の感情を恥じることなく伝える頷く彼と、
威風堂々とした戦場の彼との差異に、
僕はとてつもない興奮を覚える。
彼をこんな風にしているのは僕なんだ。
あはは!なんって、罪で最低な男なんだろう。
でも誰にも渡さない、死んでも僕のものだ。
激しい独占欲と弑逆欲が渦巻くのを必死に抑えていると、
誘うような彼の舌が僕の吸血鬼である象徴を舐めてきた。
そのまま突き立てたい衝動をどうにか抑え込んで、
目線だけ彼の腰を見て、両手で掴み上げる。
細い、傍から見ていて気付いていたが、それでも…
少し僕は顔を赤らめつつ、
彼を抱き上げて距離を少し離して
彼をこちらに引き寄せる。
僕はその間に膝立ちになって、彼はベットの淵。
長谷部 切重
此を、早く俺の中へ埋めて欲しい
突き立てて喰らってほしいと
歯牙を舐めあげる動きを制されて
咄嗟、むずがる様な音が漏れて仕舞った
「……ッぁ、……ん」
腰を大きな手で掴まれて仕舞えば、
途端、身動きが取れなくなる。
嫌だと示すように首を横に振って舌を伸ばすも
もう届かぬ距離となって、眉尻が下がる
為されるが儘、姿勢を直されて
力の抜けた身体がくたりと傾ぐ
ベッドの縁へ座る形となって見下ろす顔は
不安そうに泣きそうな情けなさだったことだろう
「みつ、…ただ……?」
もう、御終いと言われるのだろうか
無意識に指がシーツを握り込む
霧長 光忠
菫色の瞳を見れば、その目は困惑に揺れていた。
捨てられた子犬みたいに眉尻を下げた顔を見て
仕方ない子だな、と困った顔で笑った。
我慢させてごめんね、という意味で、
少し腰に添えた手をゆっくり撫でるように動かす。
「下を向いているんだよ?
間違って飲んだら美味しくないから。」
僕にとっては甘美な味でも、
彼にとっては血生臭い液体だ。
まだ正気ではないだろう彼を誘うように、
口を開けて、わざと牙と舌を見せつけるように揺らす。
「ねぇ長谷部くん、御出で?」
いつもの彼の、真似をする。
長谷部 切重
「……ッ、ふ……ぁ、駄目、だ」
軟体同士、離れた筈であるのに
大きな掌が腰を撫ぜる、ただそれだけで
甘い痺れがどんどん増す心地で、
逃れようと腰を捩る。
「ん、……わか、…った」
視線が、吸い寄せられる
硬い、是から俺に埋められる歯牙。
誘う様な軟体の動きに、また身が震え
先程の感触を思い出しては、
無意識に己の唇を舌先で舐めていた
甘くて低い声に従いふらりと更にと身を寄せる
シーツから指を剥がして、
恐る恐るの風情で男の肩へ手を置く。
強請る様に開いた唇から、舌を覗かせてしまう。
霧長 光忠
思惑通りに動いてくれる素直な子
自分で自分の唇を舐めるその姿は
とても背徳的で妖艶だった。
電灯を背にする彼の顔は少し陰っているのに
その唇と舌はてらてらと光っていた。
そっと合わさったそれに僕はそのまま
留まっていた。ちろりと覗いていた舌は
どうするのか少し意地悪してみたくなってしまった
長谷部 切重
御出、の声に
御終いではないと嬉しく思ったのも束の間
其の先が与えられる事はなく。
肩口に置いた手の片方を男の頭蓋へと滑らせて
後頭部の丸みを掌で確かめる様に撫で梳く動き
出していた舌を引込めて、
けれど昂揚が鎮まらないのは
間近の赤色が、酷く愉し気に見える為だろうか。
焦れる様に、頭を寄せさせようと掌に力を籠めるも
力比べは、端から勝負にならぬのを知っている。
んン、と不満の音を短く漏らすけれど
其れだけでは屹度、伝わらない。
数秒間、長く長く感じる間をおいて、
唇をゆっくりと開く。
「……欲し、い。」
「お前、が、欲しい。」
「お願い、……ちょうだい、… 光忠、……」
浮かぶ限りの懇願を重ねて
泣きそうな声で名前を呼んだ。
霧長 光忠
手が、舌が、声が僕を誘うけど、
僕が欲しい答えはそれじゃない。
目を細め、彼の動作を愛おし気に見守って…
耐えきれなくなった彼の
苦し気で心細そうな懇願に、僕はにっこり と笑って。
「…上手に、出来たね。
いい子、だね。キリエ。」
言葉だけだったら幼子にかける言葉。
でもはっきりと欲望と妖艶さと慈しみを声色に乗せて、
瞳に深い愛情を浮かべて、腰を撫でていた右手を離し
彼の後頭部に添えてぐっと近づけて、
彼の欲しかったものを与えにかかる。
唇を容易に開いて、舌を入れて、
いい子いい子とするには激しく、
それを合わせて感触を楽しんだ後、
僕の口腔に彼を招き入れるように、舌を引っ込めた。
長谷部 切重
「……――――!」
褒められた
心細さと不安で潰されそうだった心が
いとも容易く照らされた心地を得る。
肯定される悦びと
赤色に秘められた欲へ煽られる熱が綯交ぜで、酷い。
後頭部を掴むように寄せられて、
そんな強引な動きにすら生じた甘い痺れに、息が詰まる。
「ん、ぁ ……んン、…ッッ」
口を開いて、軟体を歓んで迎え入れて
表面を擦り合せ、唾液を強請る様に吸い上げる
引き戻って仕舞った其れを自然と追い駆けて、
熱い口腔内へと己の軟体を差し入れ探る
軟体の側面に歯牙が時折触れる感触に腰が跳ねる
背筋を走る痺れが止まらない
同時に脳髄を焼く様な甘さに支配されてゆく
肩口に置いていただけの手は
既に、掻き抱く様な必死さで男の頭へ、背へと回していた
霧長 光忠
もうすっかり覚えちゃったんだね
追いかけて来て、差し込まれた舌を感じながら、
心の中で酷く歪んだ感情が育つのがわかる。
それが快感となって、脳髄を揺らす。
ビクビクと跳ねるその身体を、
押さえつけて組み敷きたい衝動に駆られながら、
腰から背中にすーっとゆっくり背筋をなぞる様に
掌を滑らせてその感触を楽しんで…
そろそろ僕の飢えを満たしてくれる、甘い蜜を貰おうかな
差し入れられた熱い熱い軟体に、
入れすぎないように慎重に、ゆっくり口を閉じて
ぷちっと柔いそれを突き破る感覚に快感を抱きながら、
溢れだした赤い血を啜る。
その甘い味と血気が僕に入って来る。
前よりも、濃厚に感じるそれは、
僕が快感に打ちひしがれているからか、
それとも彼の欲望が現れたのか。
じっとりとした肌を感じながら、夢中でそれを吸い取る。
長谷部 切重
自分の物だと
夢中で囲い込んだ男に対する執着心が
どろどろとまた異なる欲望で侵されていく。
俺の物だと喚きたいような
己も亦この男の物なのだと泣きたいような
幸福感と酩酊と快楽が全て全て雑ざってゆく。
「…ん、ンっ、ふ……ぅ、ッ」
脳の髄迄気持ち良いのに
痺れが止まらぬ腰元から背骨を辿る様な掌の動きに
幾度目かの腰が大きく跳ねて寝台を軋ませる。
けれど、唇を離すという頭は露程もなくて
捧げる様に差し出し、口腔内に収まる軟体に
鋭い歯牙が、ぶつ、と粘膜を破り突き立てられた瞬間
「ん、んン゛……ッッ!!」
雷に撃たれた様な感覚に背が撓った
躰の中も頭蓋の中も爆ぜた様な
得た事のない甘い波が過ぎて
がくがくと身が一層震える
酸素が足りない
はく、と口を開くも歯牙が埋まる儘では
其の動きすら軟体への刺激と為り得て
どろりと濁る悦楽が血気へ滲んでいやしないだろうか
いけない事を、成して仕舞った様な背徳感が
伝わって、仕舞わぬだろうかと遠くに考えながら
開ききる事も閉じる事も出来ぬだらしのない唇から
たら、と涎を垂らす儘
時折腰をぶるりと痙攣に近く震わせ、弛緩していた
「ッぁ、……は、……はぁ……ッ」
霧長 光忠
彼が、ビクンッと一際大きく跳ね、
背を仰け反らせて、口の中で悲鳴を上げた。
痛みからなどではないその甘ったるい反応に、
頭を殴られたような感覚が襲う。
それと同時に下肢のそれに熱が集まる。
ダメだ このままだと…
頭では理解しているのに、彼を貪るのを
止める事が出来なかった。
尚も小刻みに震え、時折絶頂の余韻を
引き摺った痙攣を繰り返す彼の身体。
その身に余る快感を
霧散させようとするかの様な荒い吐息、
薄く開いた眼に映る彼の欲望に塗れた瞳。
そのすべてが僕を煽る。
膝立ちの体制で良かったと、
心底安堵する自分が情けない。
けれどその欲望を止められるほどの理性は
僕は持ち合わせていなかった。
彼の快感に溺れきった身体が弛緩しきった頃、
ようやくその舌を開放することが出来た。
名残惜しいその舌をじっとりと舐めて傷を塞ぐ。
唇をそっと離して、零れた唾液で
トロトロになったその口の周りを舐め取って、
軽く唇にキスを落としてから、
ゆっくりと彼の瞳を覗き込んだ。
「……ッ長谷部くん、もしかして イっちゃったの…?」
長谷部 切重
思考が霞がかったように白く濁って
彼是と考える余裕がすっかりと失せていた
体中の力が抜けても尚、
軟体へ沈められた歯牙を通じて血を啜られる感覚に
体の中で何度も何度も何かが小さく弾ける様で
ずるりと歯牙を抜き取られる其の瞬間にも
ふるりとまた身を、腰を震わせる。
濡れて滲んだ視界に、愛しい男の顔を映すも
過ぎた悦楽の余韻が酷く
下がり切った眉尻も其の儘、とろと笑んでから
向けられた問いかけに、薄く首を傾げ
「……行く、…って
何処に……?」
吸血行為の前提を以て、己の身に起こった事象が
法悦に因るものとは思えぬ頭でぼんやりと問い返す。
下肢の変化も伴わぬ絶頂が更に気付かせ難くさせ
眼の前の肩口へと脱力しきった身を預けにいく。
「……っは、……ぁ……」
すん、と無意識に男の匂いを吸い込んで
其の儘、ずるりと頭蓋を肩へ懐ける動きで擦る。
「……好き、……
お前と、触合うの …好きだ」
未だ浮ついている上緩々とした思考の儘
感じている多幸を其の儘、口に出して
間近に見える男の膚へ、唇を只押し当てて、離す
霧長 光忠
僕の問いにゆらと傾げて答える彼が、
今の僕にはあまりにも暴力的で、
腰がずくんと痛みにも似た快感が襲う。
それをやり過ごそうと必死で反応が遅れた。
え?今、長谷部くんなんて言った?
それを理解する前に、視界から彼が消えて、
肩口で感じる彼の吐息、控えめに吸った息に
小さく震えてしまう。
甘えるように擦られた箇所が、ひどく疼く。
うわごとのように囁いた言葉は、
耳から直接、僕の中心に突き刺さるようで、
愛おしさを乗せた唇の感触が、僕を追い詰めていく。
息が上がる、胸が詰まる、早く早く。
――だめ、ダメだ、
何も知らない彼にぶつけていいものじゃない
「はぁ………はぁっ…、ぅ……
うんっ、僕も、好き……
長谷部くん、ほらっ…着替えなきゃ…
汚れちゃったでしょう…?」
長谷部 切重
離れ難く、何時までも近しい距離で
男の匂いも熱も、堪能していたいと
愛おしさが泉の如く湧いて溢れてゆくような、
こんな感覚も感情も初めてのもの。
好き、の言葉が返されて、
蕩けた顔が、またふにゃりと喜色へ崩れた。
己と同じ様に、息を荒げる様子が、
昂揚を共有しているようで。
「んン……?」
着替えを促され、不可思議そうな声が漏れる。
汚れたと言われて仕舞えば、
口許は欲を其の儘溢れさせたかに濡れていたけれど。
「汗臭い…、か……?
後で、シャワー浴びるし…大丈夫、だ。」
「なぁ、……其れより
もっと……、欲しい」
肩口に懐けていた頭蓋を緩慢に戻しては
其れでも未だ近しい赤色を見詰め、
強請る言葉と、あ、と開いた口。
触合ううちに熱が集まり赤味を増した粘膜と
小さく覗かせた軟体で、欲しいものを示すよう。
霧長 光忠
欲しい
脳を揺さぶるその言葉と、彼が招くように開いた口。
そこから見えるあの柔らかく熱い舌。
目の前が欲望に塗りつぶされて、
気が付いたら、彼に顔を寄せていた。
甘い甘い蜜に蝶が惹かれるように
触れ合う直前の距離で
「…だ!、だ…め。今日はもうっ貰ったっ…から終わり…。」
なんとか顔を離して、理性を振り絞って言い募る。
「ぁ、はぁ…はっ…、違うよ、出ちゃったでしょ。
下着…変えないと…。」
長谷部 切重
駄目
距離を詰めてから齎された拒否の音に、
熱に染まった顔色が一転して、
サァと血の気が引く心地を得た。
そうだ
是は、吸血行為で
彼は、単なる食事を得ているだけで
我欲を押し付けて強請って良い物では
到底無いのだと酷く、今更に思い当たる。
「 っ、 」
「すま、ない」
消え入りそうな声で辛うじて零し
意識して指先へ力を籠めて、身を引き剥がす。
「……出る、……って、何だ。
シャワーを浴びる、時にでも着替えはする、から」
何を問われているのか
何を返せば良いのか、思考が酷く愚図になっている。
掠れた声で漸く紡げば、顔ごと視線を相手から外し
「――……すまなかった」
霧長 光忠
少しでも冷静になってくれれば、
と思って咄嗟に出た言葉
それに怯えたようなか細い声の謝罪が返ってきて
顔から血の気が引いた。
零れ出そうな欲望もなりを潜めた。
彼をばっと見遣ると、目線を外して
辛そうに俯いてしまっていた。
「――ッ!!ごめん!そういう意味じゃない!
これ以上君に触れて、甘い声を聞いてしまったら
君が嫌がることまでしてしまいそうで…
だって…あんな…
長谷部くんの…好きな人の乱れた姿を見たら…
僕も我慢できないよ…」
なんだか泣きそうになってきて、
涙目になってしまうけど
でも止めたくなくて、必死に言葉を続けた。
「それに、射精したなら早く着替えないと
肌にもよくないし、下着も洗うの大変になっちゃうよ」
長谷部 切重
「いや、……良い」
「すまない、……余計な、気を遣わせたな。」
罪悪感と自己嫌悪で潰れそうだ
食事――血を提供する事で
無理矢理囲って繋いだ事実まで
忘れそうになって居た。
彼是と慌てて言い募る相手の誠意が嬉しいと同時に
申し訳無さで其方を中々見れぬ儘、
それでも、鈍々と言葉を制するように片掌を向ける
「……俺は、お前にされて
厭な事など、無い。」
「だが、……
―――――ん……?」
気を張り詰めていなければ声が震える
緩く呼気を逃しながら、紡いだ言葉が、途切れた。
「……しゃ、せい」
その単語を知らぬ訳ではない
知らぬ、訳では無いが
如何しても虚をつかれた風情となった。
「おッ、俺は、そんな……ッ
そんな、……射精、って」
していない
下肢が濡れた感覚も無いと首を横に振るも
先程迄、己が身に起こっていた彼是が
――性感の類であった事を
否応なしに、自覚して、仕舞った。
蒼褪めた筈の顔色が先程以上の勢いで熱くなる。
「う、そ……だろ……」
霧長 光忠
どうしよう、伝わってないかな
長谷部くん何処か常に諦めてる感じがあるの
わかってたから、気をつけてたのに…
長谷部くんの変貌を見て、
困惑と罪悪感で涙が助長される。
自分の不甲斐なさに失望する。
何とか流さないように眉根を寄せて耐える。
と、彼のつぶやきが聞こえた。
途端、青ざめていた顔が真っ赤になる。
明確な言葉は無かったけど、
その様子を見て僕も、察してしまう。
顔が、熱い。
目の前の彼と同じくらい真っ赤になっている気がする。
「ご、ごごごごごごめん!!
僕つい、あの…よ、余計なお世話だったかな…
…その……そういう、事もあるらしいから、
恥ずかしい事じゃないよ!
僕がいじめ過ぎたせいだね、
長谷部くんあまり慣れてなかったの気付いてたのに…
夢中になって止められなかったんだ。
ごめんね長谷部くん」
長谷部 切重
性感だったと否応なしの自覚を得て
射精を伴わぬ物であった事に混乱を得た。
俺は
俺は、なんて、ことを。
「ッッ、ぁ、……あ……」
度を超えた羞恥は一瞬で
己が何を仕出かしたかを認識してからの、
罪悪と嫌悪とが酷く、酷く溢れて止まらない。
顔を両手で覆って、すまない、と幾度も繰り返し
「お、……俺、は
お前の、食事行為に、……」
「汚い、欲を、俺、……俺だけ、」
指が、手が、
躰が、声が震える
「―――……もう、
あん、な ……あんな、事は、言わないから」
「血も、…… 切って、何かに注ごう。それが良い」
「だから、」
だから、
だから―――何を、願うのか。
どうせ俺がついえる迄、楔は消えない。
無理矢理縛付け囲込んだ檻は開かない。
『ゆるしてほしい』なんて、どの口で希えるのか。
結局醜い祈りは音とはならず
すまない、と力なく漏らすだけに終わる。
霧長 光忠
突然の彼からの吐露に、僕の身体が勝手に動く。
ベッドの淵に片膝を乗り上げ、顔を覆いこんだ
その身体を、乱暴に引き寄せ抱き込んだ。
「君だけじゃない!!」
密着する彼には大きすぎる声で、そう叫んだ。
いけないと思い、荒らげた呼吸を整えて
耳元で静かに、でも心に届くように慎重に連ねる。
「ねぇ、ちゃんと僕を見て、声を聞いて?
こんなに真っ赤になって泣きそうなのは、
君が大好きだからだよ。
キスだって、吸血だって、
このまま君を押し倒して、その身体を暴いて、
すべて手に入れたいって思うくらい、気持ちよかった。
もし君から直接血を吸えないなら、
僕は死んでも構わない。」
長谷部 切重
ひ、と引き攣れたような音が咽喉から零れたのは
勢いよく乗り上げてきた其の動きにでは、なくて
抱き寄せる腕が、この男の手が触れた先から
俺で汚してしまうような、恐怖の所為だ
かたかたと震える躰は、愚かな単純さを以て
力強い腕の中に安堵を得てしまう。
懇願めく響きに、意識して力を抜いて
浅い呼吸を、幾度か繰り返す
顔を覆っていた手を緩慢に外しても
中々、顔を真直ぐ見返せずにいた
「……お、お前は食事、なのに、
俺は、……俺、おかしい、……おかしいんだ」
「お前に触られるだけで、
……唇も、手も、……牙、を
埋められる事、だって……
……訳が分からなく、なって。」
じわりと目の奥がまた熱を持つ
泣かぬ様に、一度奥歯を噛締めたが
拍子に、ぼろりと雫が落ちて仕舞った。
「あさ、…あさましく、強請って
それでも、お前がくれても足りないなん、て」
紡がれる言葉に恐る恐る上げかけた視線は
途中で失速して落ちる
この期に及んで、慰めの言葉は
自分が惨めになっていくばかりだ
――欲しがられる、なんて、どうして。
「俺、ばっかり……あんな、……達し、て」
お前は、駄目と言ったじゃないか、とは
弱々し過ぎて、届いたかどうかは知れぬ
随分と自分勝手な詰りになってしまった。
霧長 光忠
彼の言葉と
自分のちっぽけな自尊心で
長谷部くんを傷付けた怒りと
この気持ちを伝えたい焦りが
僕の頭脳を曇らせる
震える身体を更に強く抱き寄せて、
僕の欲望の象徴を押し付けるように
腰を引き寄せて、擦り付けた。
限界まで我慢している僕には
過ぎたる刺激で、「んぅっ……」と
声が出てしまい、眉毛を寄せて登り詰める
感覚を抑える。
そのまま、彼の顔を両手でこちらを向かせて
欲望に染まり、快感を堪えるような瞳で
必死に彼に語りかけた。
「…っねぇ、これ、わかる?
君の柔らかくて甘い舌や粘膜を感じて、
ビクビクって、可愛らしく跳ねる
君の身体を抱きとめて、
熱くて美味しい君の唾液と血を飲んで、
こんなになっちゃったんだ。
こんな汚くて濁った欲望を、
君に見せたくなくて、駄目なんて言ったけど、
本当は、僕だって…もっと欲しい…」
長谷部 切重
強く抱き寄せる腕に抗わねばと思うのは
頭蓋の中身ばかりで
自省と謝罪を繰り返している口と裏腹に
如何したって己の身を寄せて、しまう。
熱い腕の中に身を自らも寄せて、
されど腕を回すことは躊躇われた其の時に
押し当てられた中心部の存在に、漸く気付いた
何、と疑問を浮かばせるよりも早く察する其れに
何で、嘘だろ、何で、と狼狽が滲む
「――っ、……え、ッ」
ぐちゃぐちゃと動いた寝台の上で
敷布は皺だらけになっている。
はしたなく強請った際に向き合おうとした姿勢の儘
引き寄せられ、長い足を折り曲げる其の間へと
己の片膝を潜らせる歪な姿勢。
擦り付けられた確かな硬さと熱に、
ぁ、と盛れた声
狼狽ばかりではない事が容易く知れて仕舞う色。
駄目だ
駄目だ、この儘では
この儘では、また、
緩々首を横に振る事で逃れようとするも
頬を包まれるように凭れて、とろと双眸が蕩けた。
其の儘、へなりと眉尻が下がり
「お前も、……同じ……?」
本当かと、疑う声は縋る様で
言葉だけではなく、そろりと片手が熱へと触れに行く。
「……俺、ばっかり、
お前の食事に対して、……
不埒に、なって、しまったんじゃあ、無いのか……?」
布越しの熱を、存在を確かめたくて其の稜線を指腹が辿る
嗚呼、
いけないと、頭の片隅でわかってはいるのに。
「お前、からも
……欲しい、って、」
「なあ、… 光忠」
「………聞かせて、ほしい。もっと。」
お願いだから、と紡ぐ声が泣きそうに揺らぐ
――否、疾うに視界は滲んでいた。
霧長 光忠
彼の溶けた顔と縋るような声に顔が赤くなる。
刹那、熱が集まるそこに、薄手のスエット生地の上から
さらりと彼の指が触れた。
え、と発する間もなく、止め処無い快感が走る。
「―――っぁ や、長谷部、く…っ」
掠れた絞り出すように必死に出した声は
自分でも情けないくらいに自分の状況を表していた。
目を細め、荒く息をして何とか耐えようとしている
僕の耳に彼からの懇願が響く。
なんて 声で…
その身に沸いた感情を今度は素直に伝えよう
そう決めて、僕は彼の目元に浮かんだ涙を
優しく唇で吸ってから、菫色の瞳を覗き込んだ。
「欲しい、もっともっと…欲しい
もうっ、我慢、できないんだ、はやくはやくって…
おねがい長谷部くん、僕にも…っちょうだい…?」
長谷部 切重
指腹で辿る熱の稜線は
振れる都度に其の高度も熱さも増して行くようで
近しい距離で繰り返される荒い息も、
眼の前の男の状況を十分伝えているというのに
それだけでは、足りなかった。
眦に滲む雫を吸い取る唇にむずがって
薄く身を捩る揺れは手指迄伝わるだろうか
首を上向ける様にして頬へ、口許へと
熱い唇を押し当ててから顔を離す。
「ん、……」
欲しいと、示す熱だけではなく
言葉にもされた事で漸く、染み渡る様で
嬉し気に双眸を細めてわらう。
徒に熱を辿るばかりだった指先が、
布越しに柔く形を確かめるよに握り込むも
「……あ、のな、……
すまない、……俺、こういうのは、疎くて…」
「……―――どう、したら良いのか、
教えて、……欲しい…… ん、だが……」
耳処か項まで染まるような羞恥を以て
ひそ、と絞り出す伺いの声は
最後、矢張り懇願のようになったけれど。
「俺も、……光忠を、気持ちよくしたい」
霧長 光忠
やわと服の上から握りこまれて
真っ赤になって、細々とした声を漏らす
彼の姿は僕には毒過ぎて…
快感に震える手で、スエットの紐を緩める。
それだけ。
少しの下心を含ませて言い募る。
「あ、のね…僕もう本当っに、限界だから、
君に直接、触ってもらえれば…
好きに触って、欲しい。で きる?」
長谷部 切重
寝台の上、居住まいを正せばギシとスプリングが小さく軋む
しゅる、と紐解く音が耳に酷く響いた
けれどその先はなく、
戸惑う目で、近い顔を窺い見る
視線は暫く男の下肢と顔を彷徨っていたが
そろり、と視線を上げて紅眼を見遣り
「……直、接……触れて良い、のか?」
熱を確かめていた指を剥がして、
スウェットの縁へ引掛けながら、問う。
好きに、と言われても戸惑う事が多すぎて
許しが得られれば、そろりと衣服を下ろす心算
「手で… あの、……
……扱けば、良い、んだよ……な……」
霧長 光忠
「…直接、君の手で、触ってほしい」
上目で見る彼の菫色が、
僕の支配欲を刺激する。
彼が自分で僕の服をおろして、
僕を慰めてくれる。真っ赤な顔をしながら
歪む顔に必死に優しい笑顔を張り付ける
「うん…きみが、いつもしてるように…でいいよ」
長谷部 切重
衣服を下ろす為、脚の間に入り込んでいた己の腿を抜いて
身を屈める様に距離を寄せては、
スウェットを下げた事で露わとなった熱其の物に
思わず其の儘、硬直する暫しの間があった。
何だこれ
見慣れた己の物とは異なり過ぎていて
直視した儘硬直した後には思わず視線を逸らして仕舞う。
「そう、……言われても、……だな」
「俺、……こんな、触った事、なんて」
既に成人済の男ではあれども
碌に自慰もした事がない一端を拙く零す
欲は運動で発散する物と教え込まれ
時折朝、何か出ている事はあったが
こうして、然も人の熱其の物へ触れる事など
何もかもが初めてで
そろり、慎重すぎる手付きで直接指で触れ
弾力を確かめる様に柔く握り込み、
其の儘上下にと扱き始める
「いた、くないか……?」
先走りが手に、熱竿へ絡んでぐちゅぐちゅと水音が響き出す
おず、と恐々した拙い動きで
指を動かし乍、顔を見上げる
不安が滲む目は、手指から感じる熱の具合に
徐々に蕩けだし、滲む色が期待へ変わってゆく
霧長 光忠
服を下ろす彼を、見られていないことをいい事に
歪んだ感情が零れ出た表情で見つめる。
が、その後彼から出た言葉に、僕は唖然とした。
ま、まさか…そんなまさか…
いや、確かにおかしい位物を知らない事が多いけど…
と混乱した頭に、強烈な刺激が襲い掛かり、
腰がビクンっと震えた。
はっと彼を見下ろすと、破壊的な視界が飛び込んでくる。
ゆるゆると僕のモノを扱く彼の熱い手
きっとそれは自分すら慰めた事が無い、清純な手
そんな無垢な彼を汚して、
自分の欲を発散させようとしている事実と
彼が見上げる顔。
まるで何かを期待しているかの様な
物欲しそうな妖艶な顔。
今まで抑え込んできた快感が押し寄せて…
「――〜っ!!!ごめ、もっ………ぅあ゛!」
ビュクビュクッっと白い欲望の飛沫が吹き出す。
頭が真っ白になる。思考が出来ない。
体が震えて、腰がゆるくカクカクと前後する。
はぁはぁと荒く息をして、開放感に浸る。
長谷部 切重
手袋越しではない手指で
直接、熱へ触れる後ろめたさは
手淫への羞恥が暈してくれた
何もかもを欲しいと願った男の熱が
時折手の内で暴れるかに跳ねる反応さえ愛おしく
只管に手を動かし、稀に持ち直す様に握り直して
一際大きな震えを受けて、
窺い見ていた顔を戻し、熱を直視、して仕舞った。
その瞬間、
「……ッぁ、……っ」
無意識に身を屈めて寄せていた為か
勢い良く放たれた勢いの故か、白濁の飛沫が
己の手ばかりではなく顔にも飛んで。
無意識に軟体の先を出し、ぺろと口許の其れを舐め拭う。
射精に伴い腰が揺れる其の動きを解せずに、
未だ足りぬのだろうかと判じて緩々と手の動きを再開させ
「……もっと、… 俺、で
気持ちよく、なって……くれる、か……?」
先程、あんなに沈み切った癖に
凝りぬ欲が抑えきれずに
強請る声が甘く濁るのを止められない。
なあ、と甘えた声を添えて指腹で先端を緩く押しつぶした
霧長 光忠
霞む視界に映った彼が僕の精液で
汚れてしまっているのが見えた
あ、と言葉にしようとした瞬間、
ぺろりとそれを舐める。
「――――ッ!」
またカッっと身体に熱を持つ。
欲を開放してもなお首を擡げていたそれを、
彼はまた緩々と扱き始めて、ぎょっとする。
問われた言葉に答えようと、絶頂で敏感になった身体に
その刺激は強すぎて、短い喘ぎしか出てこない。
「…あ、あっ………ぅあっ……くっ」
ぐちゅりぐりゅりと先ほどより大きな音も
己の欲望を刺激して、それは完全に立ち上がる。
ぐちっと先を潰されて、ビクビクと体が痙攣する。
「んあっ!!…ま、まッ―…て…まって、
はせべくん………ぅん!」
先端からまた堪え性もなく、透明なぬめりが漏れだす。
長谷部 切重
「ン、……」
青臭さと苦みも、誰の者であるかを思えば
不思議と嫌な物とは思わなかった。
手の内にある熱が幾度も跳ねて震えて
快楽を主張している様で、
上機嫌に双眸を細めわらう。
「……ぐちゃぐちゃだ」
指腹で柔くつぶした途端の反応に、
嗚呼、是が気持ち良いのだろうと学習する。
其の儘緩々と慈しむ様に鈴口を撫ぜ
刺激を与える中で、一層気持ちよくなって貰うには、と
知識の無い頭で懸命に考えて、考えて
思い浮かばせるのは、己が何も出さず達して仕舞った際の
軟体同士、の
待って、を繰り返す言葉を受けて、
羞恥と歓びと欲と期待に濡れ切った菫色が見上げる形で赤色を覗きこむ。
一度唇を開いて、柔く熱い軟体を覗かせてから一度閉じ
「俺のくち、使うか……?」
屹度、手よりも一層の気持ちよさを与えられると
白濁を舐め取ったばかりの濡れた唇で、ひそりと提じる。
霧長 光忠
な―――
僕の思考が停止した。
その誘惑的過ぎる小悪魔のような囁きに
うん、舐めて と言いそうになるその口を
歯が砕けるかと思うほど食いしばる。
ふーっふーっと荒く息をして、
その欲望に耐えて、耐え抜いて。
僕がしたかった事を、実行した。
「うん、つかう…」
少し身を屈めた彼に首を伸ばして、
その赤い、濡れた唇をねっとりと舐めて
口を開けてと示す。
長谷部 切重
拒絶を怖れる気持ちは、
受け入れの言葉に淡く散って
嬉し気に緩む口を薄く開く。
熱竿へと絡めていた指を
離さなければとは思うのに、
名残惜しい気持ちからやわやわと扱いて仕舞う。
「う、ン……」
見上げる形の儘で、軟体を受け入れて
途端、背に甘い甘い痺れが走る
ちゅ、と水音と共に男の軟体先を小さく吸い上げてから
はく、と御口を開いて
「好き に、……使って」
霧長 光忠
しばらくその熱く柔い腔内を堪能して、
甘い痺れを伴う吸引を受けて、口が離れる。
つかって…か
その空いた口に軽く数回キスを落として
彼の菫色を真剣な眼差しで縋る。
「ぼく、はせべくんと一緒に、気持ちよくなりたい…
寂しい すっごく気持ちいいけど、満たされないんだ
君が欲しい 君のすべてが
ねぇ、僕の口も使って…」
牙をゆるりと尖らせて、大きく口を開ける。
彼が善がった腰や背筋をゆらゆらと掌で擦る。
長谷部 切重
「……要らない、か」
直ぐに離れて仕舞った唇を追って
己からも唇を押し当てにゆくけれど
啄む様な口付けだけで離されて
不安に濡れた眼で、ほつと落とす。
「……俺は、……
お前と口付けて、何度も達した、のに?」
つい先刻に訳が分からぬ程の刺激に
幾度も身を震わせた事を思い出して
如何仕様もなく愛おしくて欲しくて
狂ったように夢中になった事が記憶に新しい
「だから、御返し… したかった、んだが。」
「お前と、口付けるとまた…
また、あんなふうに、なるから」
夢中で溺れて強請って、駄目と言われた事をも思い出す。
すっかりと眉尻を下げて、
途方に暮れた調子で言葉が零れて落ちる。
「お前が、気持ちよくなるなら、俺も気持ち良い…のに」
「……どうしたら、お前は、
俺で気持ちよく、なってくれるんだ……?」
泣きそうな顔を隠すように、唇を寄せて、
剥き出しの歯牙へと口付けを落としにゆく。
「俺は、お前になら 全部差し出したって、良い」
霧長 光忠
「長谷部くんが気持ちよくなるなら、
僕ももっと気持ち良くなる」
鋭い牙を愛おしそうに口づけする彼が離れた後
僕は口を開く。
「僕もおんなじだよ、君が乱れた姿を見ると
すごく気持ちよくなる。うれしくなるし、幸せになる。
とろとろに蕩けた顔や、甘ったるい声とか
熱く火照った身体とか、欲望に潤んだ瞳とか。
思い出しただけでも、興奮する」
今度は欲望を乗せた瞳で彼を見る。
「もう一度見せてよ、お願い…」
そう言って、彼の唇のもう一度キスをする。
慣れたように舌を入れて、彼の口を弄ぶ。
長谷部 切重
「―――……酷い、男だな、……」
唇を離しただけの至近
互いの顔も暈ける距離で、言葉を聞けば
淡く、諦める様なわらいを呼気にまぜ
「……お前が、興奮、するなら。」
「幾らでも、なんでも――…差し出すのに、」
表情を認識できるだけの僅かな距離を離し
改めて、顔を寄せて、
唇同士が触合う瞬間に、口を開いた。
期待と熱に吐息が濡れる
覗かせた軟体の先端で、下唇を辿る様に舐め撫ぜて
射し込まれた熱い其れに、背を震わせ、躰をも寄せた。
夢中になって貪る迄は、先よりも屹度短くて
粘膜を擽られる感覚に、幾度も肩が、跳ねるのも構わず
軟体を擦り合せて、唾液を飲み込んで
濡れている事も忘れた手が、熱竿から外れて背に回る
「……ッ、……ん、……ンッ」
霧長 光忠
触れ合ったザラりとした舌を擦り合わせて、
燻る様な快感を高めていく。
すぐに夢中で答えてくれる彼の反応を楽しんで、
跳ねる身体を抱いた腕で感じ取る。
背に回ってしまった手を後ろ手に取って、
自分の張りつめたソレに彼の手、
その上に僕の手を置いて握りこみ、共に擦る。
「…ンっ…んぅ……ふっ ぅ…」
息は荒れて、どうしても情けない声が漏れてしまう。
直接叩き込まれる複数の性感帯からの刺激は、
すぐに激しい射精感となって、僕を追い立てる。
そして、彼の口腔を思うが儘にした僕は舌を引っ込めて、
彼の舌が追いかけてくるのを待ち構える。
長谷部 切重
訳が分からない気持ち良い事、は
今やすっかりと性感を得る意識を以て
軟体同士を夢中で擦りあう口付けを交わしている。
息継ぎも儘ならぬ程の合間、
くぐもった音が、濡れた音が互いの間へ落ちて
更にと甘い痺れが増して行く心地。
「ン……ッ」
密着を請うように背へと回した手を外され
びくりと怯える様な揺れを挟む
けれど
再びと熱竿へ導かれ、
濡れて熱冷めやらぬ儘の其処を
大きな手で添え、扱く動きに腰が跳ねた。
熱くて、熱くて融けて仕舞いそうな竿を
こうして擦るのだと、動かすのだと
躾けられているようで、
時折悪戯に指腹が教えと異なる処を擽るも
そんな思考にすら、腰を震わせて身を寄せに行く。
「ッ、……ふぁ、ン、…んンッ」
口腔内へ飲み込み切れぬ唾液と濡れた声が雑じる
ぞく、ぞくと背筋に甘い甘い痺れが走って止まらない。
逃げてゆくかの軟体を追い掛けて、射し込んだ其れで
男の熱い粘膜を擽って、歯牙へと絡ませるかに添わせ
埋めて、沈めて欲しいと強請る様に歯牙の先端を軟体で押す。
霧長 光忠
彼の快感の現れの口から漏れ出る声を聞くだけで
理性が弾けて何もかも食べつくしたいと願ってしまう。
差し込まれた軟体が、既に慣れた様子で快楽を貪る様は、
全て自分が誑かした物なのだと
愉悦にも似た感情が腹の底から湧き出る。
早く早くと牙を包み込む彼の舌が
強請るのに答えるように、口を閉じる―
が、突き破る寸ででゆるりと開ける。
今度はゆっくり、より深く咥え込んで、
歯列全体で、優しく噛みしめる。
そうしている間に、己の欲望を扱いていた
手の速度を早めて、彼の指と共に
敏感な個所を攻めて自分を追い詰める。
あと一歩という所で、彼の舌を刺激していた歯牙を
大きく離して、噛み付いた。
尖った先端だけを埋める程度に柔く、
だが確実に彼に入り込む。
入ってきて溶けあって
―――ひとつになる
快楽を伴ったそれは心を満たすのと同時に
我慢していた欲望の着火剤となって、中心を襲う。
止め処無い欲望は、白い飛沫となって爆発した。
「――んンッ!!!!!」
長谷部 切重
粘膜同士、軟体同士、なんて
触合う事すら未知だった物が
濡れた同士を擦り合せて唾液を混ぜ合わせて
何度も何度も咽喉へと流しながら
其れだけでも痺れが生まれて落ちて
背が腰が跳ねるのを抑えられないのに
愛しい男の物と思うだけで、一層、
煮え立つ様な頭が真っ白になる程気持ち良い。
強請る意図を以て押し当てた軟体が
中々突き立てて貰えぬ様子に焦れる
「ゃ、ら……めッぁ、ん、ンっ、――ッッ!」
舌を捧げている為碌に音にならぬ中で
やだ、やめろとむずがる声を零し
甘く噛まれる感覚だけで腰を一際跳ねさせて仕舞った。
既に力は抜けていたけれど、
男の大きな手でぐしゃぐしゃと扱かされ
手の動きが止まらない。
動かし方が変化した事へ気付けば、
指の先を動かして鈴口を撫ぜる。
其の儘弱い所と覚えた箇所を擦ろうとして
「ンっ、んン―――ッッ!!」
ぞぶり
軟体へ待ち望んでいた鋭さを受け
希っていた男の歯牙を埋め込まれ
脳天へと突き抜ける様な酷く甘い痺れが生じ、
弾ける様に背が撓り、腰が震えた。
己の下肢に濡れた感触はなくとも、
手の内で爆ぜた熱竿にとろと双眸を蕩かせて
良い子良い子とあやす様、
震える熱竿を指先で撫でようとするけれど
絶頂感へくったり脱力して仕舞って、
撫ぜられてもほんの少しの事だったろうか。
「んぁ、…は……、……っ」
霧長 光忠
絶頂の開放感から、気怠く粘膜の感触と血の味を
ゆるゆる貪っていたところに、握られていたそれを
さわさわと撫ぜられて腰が跳ねた。
と同時に覚醒し、血奏術で傷を塞いで唇を開放する。
「…はぁ…、はぁ はぁ………」
荒い息のまま彼の顔を見るととろりと溶けた
あの魅惑の表情で、こちらを見上げていた。
欲望を刺激されるが、それよりも幸福感が沸いてきて
僕は目を潤めながら、溢れ出るままふにゃりと笑った。
「…っはぁ、す き…すき、好きだよ、大好き。
長谷部く… 切重が、すき…っ」
一方的に思いのまま、ぼんやりした頭でそう言い募ると
ぎゅっと彼の身体を抱き寄せて、
その存在を確かめるように力を込めた。
まだ震える彼の身体は暖かくて…
無性に愛おしくなって、彼の頬に顔を摺り寄せた。
長谷部 切重
眼も口許も、頭蓋の中身さえも
とろ、と蕩けた儘、中々戻れずにいる。
吸血行為を強請り、差し出した儘の軟体は
解放されても尚、口腔内に収めぬ状態で
とろとろとはしたなく唾液で濡れて
離れてしまった軟体の感触を惜しむ様に、
唇を舐め拭う動きの後に漸く口の中へと戻る。
「ん、……好き、
すきだ、……みつただ、がすき。」
多幸感にふわふわと浮ついた儘、
軟体が敏感な今、少々舌足らずの音ではあるが
ふにゃりと嬉し気に相好を崩して紡ぐ
「気持ち、良かった……
しんでしまいそう、に」
緩々と擡げた手で抱締めて抱き合って
獣染みた所作で頭蓋を擦り付ける
近しくなった唇に、ちゅと啄む様な口付けを寄せ
幾度も啄んで、じゃれあう様な触合いの中で
「みつただ」、とひそりと名を呼び
「いー…っぱい、出たな……?」
わらいの息を零し紡ぐ言葉は、
酷く嬉し気に。
気持ちよかったか?、と目を細め。
霧長 光忠
彼からの返答に益々ふやけた笑みを零していると
擦り寄せた顔をくるりと向けると、
彼がちゅっと軽く啄んだ。
それが楽しくて幸せで、幾つも重ねているうちに
彼がとんでもないことを囁いた。
「――――――――ッ!!」
顔が爆発するんじゃないかってくらい血が上って
頭がくらくらする。それは血圧のせいだけではなく、
羞恥と一度落ち着いたはずの汚い欲望の残滓。
でもキス以上の経験がない僕にとっては
羞恥が一番大きくて。
「あ、ぅぁ…っ〜〜〜!!」
完全に涙目になり、羞恥で顔を赤らめ、
口もみっともなくへの字になるのを止められなくて
彼の肩口に顔を埋めてしまった。
でも、素直に言わないと、まだ彼を傷つけちゃう…
そう思って、震える声を絞り出す。
「き、もち…よかった、で す……
あんなに、気持ちよかったの…はじめて…」
言い終えた言葉にまた顔が火照る。
長谷部 切重
羞恥に顔を染め泣きそうになりながらも
懸命に告げられた其れに、
褒美めいて蟀谷へ唇を寄せて柔く触れた。
己の手で確かに気持ち良くなってくれたのだと
ふふ、と上機嫌なわらいが漏れるのを止めらない。
「お前が、扱き方を教えてくれたからな。」
「今度からは、俺一人でも出来るぞ」
背に回している片手を外して、
未だ青臭い白濁がこびり付いているのを
まじ、と改めて見詰め
寝台横のティッシュで拭うよりも先に、
へろりと軟体で己の掌を濡らす精を舐め取る。
「……お前の、味も知れた。」
御満悦といった風情で更に零せば
手を伸ばし、ティッシュで拭って
再び背へと両腕を回せば、
寝台へ、己を下にする形で倒れ込もうと試みる。
霧長 光忠
蟀谷に落とされた口づけに顔を上げれば
嬉しそうな彼の笑顔が見えて、思わず返してしまう。
続いた彼の言葉に、
(ああ、やり方がわからなくて困ってたのかな)
なんてぼんやり考えていたら
また彼がとんでもないことをし始めた。
わなわなと震え、さらにさらに顔が赤くなる。
眉根を寄せねば耐えられないほどの
羞恥による涙が溜まる。
「―――はっ長谷部くん!?…きみなんてこと…!??」
動揺と羞恥で混乱する頭でなんとか苦言を呈そうと
震える声で話し始めたところに、
ぐいっと身体が引かれて――
受け身を取ろうしたが間に合わず、
彼を潰さないように腕に力を入れただけの体制で
ベッドの上に転がり込んだ。
驚いているのは僕だけで、彼は嬉しそうに微笑んでいる。
長谷部 切重
「今度は、俺だけでシてやるからな」
気持ち良い個所も、動かし方も
手を取って教えてくれたからと嫣然と笑む
咎めるような声も羞恥と困惑ばかりで
明瞭な制止を示さぬなら、
返す声は只上機嫌にわらう呼気の音ばかりだったろう。
「……俺の上に乗るのは、厭か?」
抱締めた儘、倒れ込んで
相手の重みを受け止めようとしていたのに
腕に力を入れて隙間を空けている様子に
不満気に唇を緩くへの字に曲げて問う
「お前の重み、寄越せ。
抱き合うよりもきっと、近くなるだろう」
背に回した腕に力を籠めて、ぐい、と寄せようとするが
腕力の差は歴然としている事も知っている。
霧長 光忠
「――――〜っ」
何でこうも彼は恥ずかしいという感情がないんだろう
いや…あるはずなのに、こういう場面では
どうして何も考えずに喋っちゃうのさ…
倒れ込んだまま彼が口にした言葉に
少しだけ頬が緩んでしまう。
ああ、こんなに彼に求められているのか
と実感して、もう彼の思う儘にしようと
何処かあきらめにも似た境地を得ながら、答える。
「嫌じゃないよ、ちょっとびっくりしただけ」
赤い顔でえへへと笑う。
そう言って、こくりと頷き、彼の身を預けた。
ぴたりと合わさるその身体は、
骨と皮ばかりの僕の貧相な身体と比べると、
とても逞しく、だがしなやかですらりとしていた。
「重くない?大丈夫?」
其の際に骨が当たって痛くないかな、
なんて咄嗟に思ってしまう。
長谷部 切重
厭じゃない、の声に目を細め
頭蓋同士を擦り合せるように
ふふ、とわらって懐きに行く
「俺は、好きだ」
確かに其処に在ると思える重みと
近しい所から聞こえる声
「お前に圧し潰されたって良い。
……が、矢張りお前、軽いなァ」
「逆に俺が乗ったりしたら、
潰れて仕舞うんじゃ無いか……?」
回した手で骨の目立つ背を撫ぜて
直ぐに折れそうだ、とは不安気な声。
其の手を頭蓋へと移動させて、
緩々、くしゃくしゃと頭を撫でる
「……は……、
流石に、少し喰わせ過ぎたな……」
思えば、幾度も吸血を請うてしまった。
すっかりと快楽を拾うようにも。
とろ、と瞼が重みを増して行く
「……、みつただ」
眠気の滲んだ甘えた声が零れる
起きるまで居てくれ、なんて願いは
口に出すことは出来ない儘口を閉ざして。
霧長 光忠
僕は潰れたってすぐ治るから
なんて卑屈な言葉が浮かんだけど、
すぐに飲み込んで困った笑顔を浮かべる
背中を撫でる手にぴくんと肩が震えたけど、
撫でられた頭の感触に目を細めて力が抜ける。
と、彼の気だるげな色を乗せた言葉に
はっと顔を上げて心配そうに見つめる。
「うん、いるよ、ここにいる。
ゆっくりお休み、切重」
瞳をとろと閉じた彼の呼吸が整い始めたのを
見計らって、僕はゆっくり彼から離れる。
さぁて、眠っちゃった子のお世話は得意だからね!
大半は僕のせいで汚れてしまった彼を
どうにかしないとと、そう思うとまた羞恥が
こみ上げるけど、それと同時に少し嬉しさも感じた。
GM …終わったか?満足のいく演出ができたのならば、これにて終幕フェイズの終了だ。
長谷部 切重 ああ、ここらがキリも良いだろう。
霧長 光忠 そうだね!
GM
エンディング、だ。
後々、退院したお前たちに齎されたのは、今回の業血鬼が霧長孤児院を襲った犯人ではない、という事実だ。
いまだあの悪鬼は世に放たれ、今も無作為に人を嬲り殺しているのだろう。
気になったのは、「私だけではない」というバンビーノの言葉だ。他にも醜悪で下品な愚者がいるという暗示に背筋に怖気が走る。
これから先も、二人に死が訪れるまで、この戦に終わりが来るまで、この血盟は戦い続けることになるのだろう。
幸せな日々は終わりを告げ、新たな日々を運んでくる。
「幸せな日々」 終
最後にクローズの処理がある。
練度を上げたり、特技をとったり、お互いの感情を書き換えたりできる。
長谷部 切重 ああ。強くなれるのは良いな。
霧長 光忠 そういえば
GM ん?
霧長 光忠 あ、忘れてたなぁと思ってw
長谷部 切重 練度上げか?
GM
ああ、そのあたりのことは2人で相談するところはしてもらって、特技なんかはそれぞれに取っておいてもらって構わない。
次回、14日までに上げておいてもらえれば、次のシナリオが回せるからな。
それから、傷号をとりたいなら、それも取ってかまわないこと、伝えておくぞ。
霧長 光忠
やったあ!それまでに考えるね!
あ、傷号
長谷部 切重
痕印は、…そうだな、執着と不安か。俺は変更なしかな。
ああ、傷号な。
GM
二人とも、お疲れ様。
今回は長いシナリオに付き合ってくれて感謝する。
また次回、楽しみにしている。